26 真相
「ひどいよう、ルー」
お兄様が赤くなったおでこを押さえてグズグズ言ってるが気にしない。
ひどいのはお兄様の嘘だ。しかも幼い頃から好きだったという謎設定までつくるとは、あやうく欺されそうになったじゃないか!
私も頭が痛い。ちっ、頭突きじゃない方法で天誅を下せばよかった。
腹ぱーんとか、腹パーンとか、腹ぱーんとか。
お兄様は全てを白状した。
お兄様のくせに、私に隠し事してたなんてホント生意気だわ。
あの夜会で、お兄様は伯母様に私が妊娠した話をしたそうだ。
お兄様は、前から伯母様がマリーを使って私に避妊薬をもってることはうすうす気づいていた。
ちゃんと証拠を掴んだら、伯母様に問いただそう考えていた。
だから、エディお兄様ったら妊娠したって言ったとき、あんなに驚いた顔をしたんだ。
鹿蹄草は伯母様だったか……
伯母様じゃ、マリーは逆らえないわね。
あの夜、廊下にいたお兄様は何かが落ちる音を聞いて駆けつけると、走り去る伯母様の後ろ姿と階段下で倒れた私、そして階段に落ちたスカーフをみつけた。
それは肌寒いという伯母様に貸した自分のスカーフだった。
驚いたお兄様は、スカーフを懐に隠し立ち去った。
あの後、伯母様は逃げるように避暑地に旅立たれたそうだ。落ちた私を心配して付き添っていたお兄様は伯母様とまだ話してないという。
「母と話すより、君の方が心配だったんだ。
ごめん。犯人を捜してた君に、母のしたことを言えなかったんだ」
ここまで話したところで、「お茶のおかわりを」とセバスが入ってきた。
若い男女が二人きりはまずいので様子を見に来たのだろう。
赤くなったおでこをさすっているお兄様と目が赤い私を見たセバスが、
「ルイーゼ様、泣き落としが上手く行かなかったからといって、暴力を振るうのはお止め下さい」と言った。
ちがうからね!
涼しくなったので、来週には伯母様が帰ってくるそうだ。
「で、ルーはこれからどうするつもりなの?」
「帰って来たら、伯母様に会うわ。どうして私を突き落としたか、直接うかがうわ」
「やっぱり、ルーは直接対決派なんだね」
お兄様は苦笑した。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
今回は、短いですが切りが良いところで。
ラストをどうするか猛烈に思案中です。
まとまるまで次回は少しお時間を頂くかもしれません。




