001~旅の仲間~
「あんた、別れましょう」
「えええ……それ、マジで言ってる?」
「マジよ」
「ガチで言ってる?」
「ガチよ」
冒頭からフられた中年男性。名前はカネミツ。
この男、『元』一流のトレジャーハンターである。
「険しい山々、過酷な洞窟、危険な廃墟。そして凶悪なモンスター。いいから全部かかって来いよ」
という、無駄に長くて語呂が悪いキャッチフレーズでお馴染みだった。業界では名の知れた冒険者だ。
誰もが攻略出来なかった、神話時代の怪物が巣食うダンジョンを見事制覇。そして莫大な宝を手に入れた。
そうやって皆の話題を一人占め状態だったタイミングに、電撃引退宣言。
そのまま神格化され、伝説のトレジャーハンターなんて大袈裟なあだ名まで付いた。
それがこの男、カネミツである。
カネミツは神話ダンジョン制覇後、当時の相棒だった女性ハンターと結婚。
「宝もゲットしたんだし、あんた冒険者やめてよ。安定した生活しないとね。お腹にいる、この子のためにも」
出来ちゃった婚なのであった。
カネミツは、妻の父親が経営する会社へと入社した。
トレジャーハンターから一転、真面目で堅実なサラリーマンへと変身したのだ。
成績はまあまあ。
上司との仲は良好。というか義父が経営者なので、とても気を遣ってくれて、居心地が良い。
「ほらカネミツ君。僕のゴルフクラブ貸してあげるよ~。これで一緒に練習しようね~」
「おお、こんな高級なクラブいいんですか部長! 果てしなく感謝ですよ~」
しかし、それからおよそ五年後……
「だーかーらー。何度も言わせないでよ。あんた、別れましょう。マジでガチよ」
「お前が不倫してたってのに、なんて言い草だ!」
浮気がバレた妻が逆ギレ。
そのまま離婚する事になったのだ。
「ソハヤはどうするんだ。まだ四歳だぞ」
ソハヤとは、二人の娘である。
「めんどくさいからあんたに親権あげる。じゃあね」
「おい待てクソ女!」
こうしてクソ女と離婚。
クソ女の贅沢により、神話ダンジョンで手に入れた宝は既にほぼ消えていた。
そして当然ながら、クソ女の父親が経営する会社からは解雇。
「カネミツさん。あのクラブ返してください」
「あっはい……どうも、ありがとうございました部長。あの、どうですか、最後に一杯」
「わたくしはもう、あなたの上司ではありませんので」
後ろ盾が無くなった男に対し、世間の風は往々にして冷たいのである。
「ねえパパ。ソハヤってば、ママに捨てられちゃったの?」
娘が父親に疑問を投げかけた。
「ああ、うん。端的に言うとその通りだなあ」
「そうなんだ、やっぱりね。ソハヤ知ってる。ママみたいなの、不義密通って言うんだよ」
「そうかそうか。ソハヤは頭が良いなあ」
四歳にしては難しい言葉を使いたがる、こまっしゃくれた娘に、目を細める。
カネミツという男は、親馬鹿であった。
「ソハヤは、ママがいなくなって寂しいか?」
「ううん。あのババア、いつかソハヤを捨てた事を後悔させて、ぶっ殺すかんな」
「そうかそうかあ」
娘の言葉に頼もしさを感じつつも、カネミツは考える。
このままじゃ、娘があのクソ女をぶっ殺す前に、俺たちが餓死してしまう。
どうにか金を稼がないといけない。
◇
というわけでカネミツがやってきたのは、酒場である。
ここは冒険者達が集まり、情報交換をしたり、旅の仲間を作る場となっている。
「よおマスター。久しぶりだな」
「うん? お客さん、注文……」
マスターはそこまで言って、話しかけて来た男が誰だか気付き、椅子を倒しながら立ち上がった。
「あ、あんたは……カネミツ!」
ざわつく周囲。
この業界にいるものは、誰でもカネミツという名前を知っている。
そうだ、彼こそあの神話を制す男。レジェンド・カネミツ!
といったヒソヒソ話をしている。
超気持ちいい。これだよこれ。と、カネミツは思った。
「久々にちょいとばかし、冒険の旅に出たくてね。五日後までに仲間を募集しておいて欲しい」
「あんたが冒険だって!? 分かった、今すぐ酒場のマスター仲間達にも連絡して、大々的に募集をかけるぜ! こいつぁスゲエ奴らが集まるぞ……!」
電報を打つため、大慌てで奥の部屋へ行こうとするマスター。
カネミツは「おっと待ちな」と一声。
「その前に、バーボンを一杯頼むぜ。ストレートだ」
決まった。
カネミツはカッコイイ自分に酔いしれた。
そして酒にも酔った。ストレートはやめておくべきだった。吐いた。娘に怒られた。
◇
そして五日後。
「よおマスター。最高の冒険者どもが集まったかい?」
カネミツは自分で考えたカッコイイポーズをしながら、颯爽と酒場に現れた。
「あ。ああ……カネミツ。うん、えっと……はいこれ」
マスターは何故か気不味そうな顔で、一枚の紙を渡す。
この紙は名簿。今回カネミツの相棒になるべく名乗り出た、頼もしい冒険者野郎どもの名前が書き連ねてあるのだ。
カネミツは名簿を受け取り、カウンター席に腰を降ろした。
「どれどれ、一体何人の屈強な男たちが集まったんだ? まさか百人も来られたりしたら、選考するのにも困っちまうんだがな」
三人だった。
カネミツは、一度目を閉じ、両手で瞼を揉み揉みとマッサージした。
最近目が疲れやすいし、見間違えたのだろう。
そしてもう一度名簿を見る。
三人だった。
「……ねえマスター、これ」
「それで全部だ」
「……聞く前に答え言うなよ……他に応募者いないの?」
「三人で、全部だ」
少ない。
おかしい。
カネミツは、自分の実力および知名度なら、百は無理でもせめて三十人くらいは集まると踏んでいたのだ。
しかし三人。十分の一。
「なんでだよマスター! ちゃんと募集かけたの!?」
「きちんとやったよ。でもさカネミツ、あんた五日前ここで、酒に酔って言った事覚えてるか?」
マスターが露骨にめんどくさそうな顔になった。
カネミツは、五日前の事を思い出す。
酒に酔って? そうだ、確かバーボンをストレートで……
「まったく覚えてない。気付いたら家で四歳の娘に怒鳴られてた。もうおじさんなんだから無茶酒はよせってな」
三十歳を越えたあたりから、急に腸や肝臓、血管が弱くなったのだ。
「……あんた、こう言ったんだよ」
マスターは、五日前の事を教えてくれた。
バーボン一杯だけでべらんべらんになったカネミツは、超めんどくさいおっさんとして周りに絡みながら、こう口走った。
「今度の旅で一山当てて~、俺土地買って駐車場にして不労所得作る! そしてそれで食いつなぎながら勉強して公務員になるわ! 堅実な生活送りゅのぉ!」
それを聞かされた周りの冒険者は、「あっ、そうッスか……あはは、良いッスね……」と苦笑いするばかりであったという。
「あんたが公務員志望で、今回これっきり最後の冒険にするって事が、皆に知れ渡ったんだよ」
マスターはグラスを拭きながらそう言った。
「べ、別にいいじゃないか安定した生活を望んでも! 俺もうおっさんだし、娘もいるんだぞ!」
「あんたと組みたいって冒険者は、金より名声が欲しいのさ。あんたの相棒としての名声だ。だが数年ぶりに復帰して一度限りの引退試合。そんなのに付き合っても自分にスポットライトは当たらないし、ブランクある親父と組むにはリスクが多くて割に合わんと判断されたんだろうな」
淡々と述べるマスター。カネミツは愕然とする。
「おおう……口は禍の元ってか。カッコつけて酒なんて飲まなけりゃ良かった……」
「だがその三人も捨てたもんじゃないぜ。見てみなよ」
そう言われ、名簿に目を通す。
「何々、一人目は……っと。メアリーさん。女性、二十歳。特技は巨乳、恋人募集中……?」
別に巨乳は特技じゃないだろ。と考えつつ、スルー。
「二人目。ユキさん。二十五歳。特技はバストサイズ九十。独身……三人目、十九歳、胸の大きさが自慢です……マスター、やっぱりあんた別の募集を間違えてかけてない?」
三人とも全員女性。そして巨乳アピールばかりしている。
これでは婚活プロフィールだ。
「いや間違えてないよ。だってあんた五日前酔っ払って、離婚したって事も言いふらしてただろう?」
だろう? と言われても、カネミツは酔って覚えていなかった。
余計な個人情報まで吹聴してしまったようだ。
「だからこれ全部、あんたの後妻の座……というより財産を狙った女達だな。あんたが一緒に冒険した女に手を出して、そのまま結婚したって事は有名だからな」
「そんな人聞き悪い噂があるのかよ……」
噂では無く事実だった。
「でもその二十五歳の巨乳は凄いぜ」
「へえ、凄い巨乳」
「いや凄いのは巨乳ではなく、トレジャーハンターとしての腕が、だ。凄腕婚活ハンターとして最近話題急上昇中の逸材さ」
どうやらマスターのイチオチは、その二十五歳巨乳らしい。
だがカネミツは考える。
確かに前妻は、一緒に冒険した仲間だった。旅で愛が深まり、我慢できずになんやかんやあって、最終的に結婚。
だが結婚後にクソ女に豹変し、あげく今回の不倫に離婚。
女トレジャーハンターは信用できない。怖い。
しかも婚活ハンターとは。そんなガツガツしてる女性は、冒険中に愛が深まらずとも後で付き纏われそう。危険だ。怖い。怖いって。
「マスター、俺は今回女と冒険に出る気はない」
カネミツの言葉に、マスターは驚いたような顔をする。
「ほう、何故だ? 巨乳だぞ」
「巨乳は好きだが、女ハンターにはもう懲りた。別の巨乳を探す……じゃなかった。別の、逞しい野郎ハンターが、今回の冒険には必要なのさ」
そう言ってカネミツは、格好つけて酒を頼もうとして……娘の怒った顔を思い出し、麦茶を頼んだ。
そして、麦茶の入ったグラスに口を付けた、まさにその瞬間だった。
「おいおっさん、カネミツだな! 話は聞いてたぞ。じゃあ俺を仲間にしろよ!」
後ろから急に大声で呼ばれ、カネミツはビクッとして麦茶をちょっとこぼした。
振り返ると、子供が立っていた。
十歳くらいの少年……いや少女?
少女だったらショートヘア、男だったらもうちょっと短く切れよ、といった髪型をしている。どっちか分からない。
「うーん、多分……少女!」
「男だ、俺は!」
少年だったらしい。
「まあどっちでもいいけど。おい坊主、急に甲高い声出すから、驚いて俺の麦茶がこぼれちゃっただろ。おっさんは繊細だから、突如鳴り響く高音に弱いんだぞ」
「なんだよ、麦茶くらい安いもんだろ!」
「バッカ、お前、馬鹿だねえ。こういう所の麦茶は割高なの。材料費考えるとむしろ普通に酒頼むよりも損しちゃうんだよ。ねえマスター」
「うちの麦茶は旨くて安い。大麦以外にも特別に薬草が入っていて……」
マスターは麦茶談義を始めようとしたが、少年が、
「麦茶はどうでもいいんだよ! とにかく俺を仲間にして、一緒に冒険してくれ!」
と叫んだので、一旦黙った。
「へえ、薬草入ってるんだ。それもう麦茶じゃないじゃん」
「おい俺の話を聞けよ、おっさん!」
カネミツは尚も麦茶談義を続けたかったが、少年はそれを許さなかった。怒鳴り声で割り込む。
「おい坊主。冒険に憧れる気持ちは分かるけど、もうちょっと大人になって、冒険者ギルドの免許とか取ってだな」
「免許は持ってる! 昨日取得したばかりだから、今回のおっさんの応募には間に合わなかったんだ」
少年は懐からカードを取り出し、カネミツの顔に突き付けた。
カネミツはカードに書かれている文字を読む。
「えーと、ホタル・ライハくん十四歳……十四って、ホントに免許取れるギリギリの年齢だなあ。っていうか本当に十四歳? 十歳くらいに見えるけど」
そう茶化すように言うカネミツの顔を、ホタル少年は睨みつけた。
「本当に十四歳だ。免許配布前に、俺が身辺調査したんだから間違いない」
マスターが言った。このホタル少年の事を知っているらしい。
「なあ、分かっただろ。俺も本物の冒険者なんだ」
「ふーん、でもなんでホタルちゃんは俺と組みたいの? 御存じのとおり、今の俺と組んでももう知名度は上がらないぞ」
「知名度や名声なんてどうでもいい! あんた今回の冒険で、娘の代まで遊んで暮らせる程の宝を手に入れるつもりなんだろ?」
なんだか噂が変な方向に大きくなっている。
まあ『娘のため』という部分はかろうじて合っているし、いちいち訂正するのも疲れるし、カネミツは否定せずに黙っていた。
「俺は金が欲しいんだ。今すぐに……妹の手術費、三千万エン……!」
しまった、これはめんどくさいパターンだ。とカネミツは思う。
病気の妹のために働く、幼い兄。
仕事をおくれよ~と泣きつく少年に、情け容赦なく「テメエに払う給料はねえんだよ」と言い放ち蹴り飛ばす、悪徳売人。
もしこの少年を仲間にしなかったら、そんな構図になってしまう。また変な噂を流される。
「だいたい親は何やってんだ。そんな金、子供じゃなくて親に働かせろ」
と忠告しようと思ったが、もし親が亡くなっていたりしたら気まずくなるので、言うのはやめた。
「死んだ親父とお袋もトレジャーハンターだったんだ!」
「おいせっかく親の話題避けてたのに、自分から話してんじゃないよ」
案の定死んでいた。
しかしここはやはり、悪徳売人の汚名を受けようとも、子供を雇うべきではないだろう。
カネミツは心を鬼にして、ホタル少年の申し出を断る事にした。
「妹さんは気の毒だが、おっさんにもおっさんなりの事情があるんだ。残念だがホタルちゃん、この話はご期待に沿えなかったという事で。貴殿の今後のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます」
会社員時代に培った丁寧な言葉でお断りの返事をするカネミツ。しかしホタル少年は納得しない。
「待てよ、俺は冒険者だった親父から鍛えられてたんだ。これでも結構実力あるぞ!」
「でもねえ~、親に鍛えられたからって所詮子供……ん、待てよ」
カネミツは、ホタル少年の冒険者免許を見ながら、ふと気付いた。
「ホタル・ライハ……ライハ、ねえ……うーん、ちょっとマスター。この名前どう思う?」
「あっ、おい返せ!」
少年の手から免許カードを取り上げ、マスターに見せる。
マスターはカードを一瞥して言った。
「どう思うも何も、あのライハの息子だ」
「へえ~。やっぱりそうだったのか。そう言えば目とか似てるかもな」
「痛……や、やめろ!」
カネミツは、ホタルの瞼を指で無理矢理こじ開けた。
「親父を知ってんのか?」
ホタルはカネミツの手を払い、ついでに免許カードを奪い返しながら聞いた。
「ああ、去年の葬式にも出たよ。いや~しかし子供いたんだ。初耳だ。ねえマスター」
「俺は知ってたよ」
そう返事をしてマスターは、カネミツのグラスに麦茶を継ぎ足した。
この麦茶はサービスなのか、追加料金が発生するのか、カネミツは怖くなったが聞くのはやめて、サービスである事を願った。
「ライハの息子なら……そうだな、じゃあ試しに、あのダーツやってみてよホタルちゃん」
カネミツが指差した先には、遊技用ダーツ矢の束と、的が掛けてあった。
「三十本ね。全部当てたら冒険の事、考えてあげよう」
「三十も!?」
ホタル少年は驚いたが、それでも迷わずダーツ矢を手に取り、「ここから投げてね!」と書いてある線を踏み、一気に三発連続で投げた。
矢は全て的の真ん中に命中。
どうやら親から鍛えられたというのは、誇張ではないらしい。
「おーお見事。じゃあ次はジャンプしながら撃って」
「じゃ、ジャンプしてだと!?」
文句を言いつつも、ホタルは注文通りに投げ、的に当てた。
「じゃあ次はもっと遠くから。走って。伏せて。走りながら伏せて。走りながら伏せてジャンプして。フィギュアスケートみたいに回りながら」
次々に無理難題を押し付けるが、ホタルはそれでも全ての矢を的に当てた。
三十発中、三十ヒット。
「おー凄いね。さすがライハの息子だ。ごぉ~かくぅ~」
拍手をするカネミツ。
マスターもつられて拍手。
ついでに周りで見ていた他の冒険者たちも、一斉に拍手をした。
ホタルは注目され、気恥ずかしくなり赤面。そして照れ隠しに叫ぶようにして、カネミツに言った。
「こ、これで俺を仲間にするんだな!」
「ああいいよ……と言いたいところだが、実はもう一つ審査してもいーい?」
「まだあるのか! こんな事までやらせておいて!」
ホタルは「余ったダーツを投げつけてやろうか」と考えたが、理性を持って己を抑えた。
そんな我慢でプルプル震えているホタルの顔を、カネミツはまじまじと見つめて言った。
「ホタルちゃん、君って本当に男の子だよね?」
「……はぁ!?」
まだ性別を疑っていたのだ。
お前実は女だったのか! 展開を、どうしても回避したいと思っているカネミツであった。
「そんなの見れば分かるだろ」
「いや見ても分かんない。ホタルちゃんって名前も女の子っぽいし」
「それは、ちゃん付けするからだろ!」
ホタルは我慢できずに、ダーツ矢を投げた。それをカネミツはひょいっと避ける。
後ろにいる無関係なおじさんに当たった。謝った。
「なんだよ……も、もしかして女じゃないと仲間にしないって言うのか! このエロジジイ!」
「違う違う、逆逆。おっさんは女冒険者にトラウマがあって。それに事故予防のため、男としか旅したくないんだ。でもホタルちゃんってな~んか女顔だし、声も高いしぃ~?」
「顔は生まれつきだし、これでも声変わりした後だ!」
昔から顔の事で揶揄される事が多く、これはホタルにとって指摘されたくない特徴であった。
むっとして、つい語尾が荒くなる。
「男かどうか確かめてみればいいだろ!」
「えっいいの? じゃあ遠慮なく」
確かめるとは、「免許の性別欄を見ろ」という意味だった。実際にカードも差し出した。
しかしカネミツは、遠慮なくホタル少年の股間に手を伸ばし、揉んだ。
「ひゃうぅっ!?」
「ああ、確かに男。でも十四歳にしては、やや小振りじゃない?」
「な……え……はぁ……!?」
まだ異性にも触れさせた事が無い。正確には小さい頃、お風呂でふざけて妹が触った事はあるが。
何にせよ、肉親以外からのファーストち●こタッチが、おっさんに奪われてしまった。
「こ、こ、こ、この……このホモジジイ!」
こうしてカネミツは、新しい旅の仲間を得た。
悪徳売人の汚名を被る事も、回避できた。
しかし、
「あのカネミツが、少年をパートナーにしたらしい」
「美女の仲間応募を全て蹴り、小さな男の子を選んだとか」
「女は嫌だ、男じゃないとダメだ。などとほざき、少年の股間をまさぐった。事案発生」
ショタコンホモ野郎との噂が、一夜にして冒険者達の間を駆け巡った。