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放課後

 午後の授業も無事終わり、今は放課後。

 和人は用事があるといって先に帰ってしまった。

 俺も18時からの現場でのバイトまではまだ時間があるため一時帰宅する。


「たっだいまー。」


 うん、知ってたけど返事はない。

 真優まひろは中学でバドミントン部に所属している。

 父さんが死んだ時に、「部活を辞める」と言いだしたりもしたが、どうせ後数ヶ月なんだから引退までやり切れ、と言って続けさせている。

 最初は中々受け入れてくれなかったが、部活を最後までやり切れば高校入試の面接の時も好印象になるから、と言ったら受け入れてくれた。かなり渋々だったが……。

 まあこれも理由の一つではあるが、自分の好きなことに熱中して、俯いた感情を少しでも晴らしてほしいと思ったのが一番の理由である。

 俺に相談できないような悩みとかも部活仲間になら話せるかもしれないしな。


「さて、今日の夕飯はどうしようか。」


 バイトで家を出るのが約1時間後なので、パパッと作ってパパッと食べて行きたいのだが、そのせいで最近はチャーハンだったり焼きそばだったり野菜炒めだったり、炒めてばかりの料理になってしまう。

 俺1人だったら良いのだが、真優もいるのであまり炒め物ばかりだと可哀想な気がする。

 別に真優に文句を言われている訳ではないのであまり気にすることもないのかもしれないが、あまりそういう我儘を言ってくれる性格ではないので、内心で無理しているのではないかと心配になってしまう。


「今日は久し振りにオムライスでも作るか。」


 冷蔵庫を覗いたらなんか卵が多かったので安易にそう決めてしまったのだが……。

 チキンライスって炒め物じゃね!?不覚だ……。

 まあ今更メニュー変える気も起きないからオムライスでいいや。

 卵はあったし、米は炊けてるな。玉ねぎ……は無いのか。人参刻んでいれちゃえ!鶏肉はっと、あるな。後はケチャップ……はギリギリだな。買い足しとかねば。それにしても無くなりかけのケチャップの腹下し感は異常だと思う。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ごっそうさん。」


 真優の分は皿に盛りラップをかけて置いてある。

 オムライスは俺の得意料理ベスト5に入るくらいにはいい出来だと思っている。

 流石にチキンライスの上にオムレツ乗っけて、オムレツを真ん中で割ってトロゥンってなるやつは作れないけど。

 前にオムライスを作ったのっていつだったかなぁ。

あの時は父さんも真優も美味い美味いって言って食べてくれたっけなぁ。

 父さんに至っては、おかわりねだられたしなぁ。

 あのときはチキンライスが余分にあって良かったよ。


「はぁ……。」


 おっといかんいかん。俺が暗くなってどうする。

 気持ちを切り替え、使った皿やフライパン等を洗う。ついでに風呂も洗っておく。真優も部活で疲れてるだろうからな。負担はなるべく減らしてやりたいと思うのが兄心なのである。他の兄弟姉妹の話は知らん。

 夕飯作ってから今までの所要時間はざっと50分くらいか、俺も腕上げたなぁ……。まあ、腕上げたといっても専業主婦の方々にはまだまだ及ばないんだろうなぁ。精進あるのみ。

 俺は気合をいれるために両手で思いっきり自分の太ももを叩いた。


「っし!今日もバイトがんばろう!」

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