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第0話 神々の始創
一つの世界が、二つに割れた。
神々と翼有るもの「天使」による長き戦争――――神々ラグナの始創ルク。
発端は一人の子供。髪は黒く、瞳も尋常とは言えないほど黒く染まっていた。
ある者によれば、それは絶望の色。
それは終末の証。
それはまさに、悪魔の血を引いたとされる子供だった。
争いは天と地二つの世界に別れ、それぞれの世界に見合った種族が住まうことで収まった。
天上界は翼を持つもの、地上界は神を始めとする地上の生き物。
そして、黒き子供の居場所は――――何処にもなかった。
そんな子供を手助けするのか、親の悪魔は預言をする。
「この子供は愛しき我が子。いずれは世界を闇へ、絶望と破滅の世界へ導くであろう」
その言葉を遺して悪魔は地下世界へと消えていった――――。
戦争は終わったが、預言は残った。
数百年経った今もそれは消えることはない。
とある村で預言者は言った。
「悪魔の子供が生まれた――」