斜陽
夕景は水面に浮かび
鳥の羽で揺らめいて
今日と明日の境目が
今も僕を誘っている
ひりひりと痛む喉の奥
言葉も飲み込めずに
吐き出すこともできず
一人ただ揺らいでいる
地平線に落ちていく
星も夢も全部海の中
水飛沫一つ上げずに
静寂へと潜りこんだ
伸びていた僕の影は
ノスタルジア色の
夜空が昇り始めて
少しずつ同化していく
夕景は水面に浮かび
黒い羽で揺らめいて
今日と明日の境目で
鳴き声は遠くなっていく
染み渡っていく
精錬された空気の
心地よい冷たさに
僕は誘われている気がして
夕景は水面に浮かび
鳥の羽で揺らめいて
水飛沫一つ上げずに
静寂へと潜りこんだ
読んでいただき、ありがとうございました。