異世界
ドサッ…
見慣れた天井とよく知った男の人、あまりの驚きに体か硬直し警報を鳴らす頭に体が反応しない。
私、西野 優菜は人より波乱万丈な人生を送っていると思う。
両親は私が3才の時に事故死
親戚の家をたらい回しにされた後、祖母に引き取られ温かい愛情を注がれるが、その祖母も3年前に老衰で亡くなった。
その後は、祖母の葬式で哀しみと不安で押し潰されそうな私に両親の友人だと言う人が表れ引き取られた。
それが、今私の上に股がってる男である
今まで本当の父のように慕ってきた男が二十歳になるまで待っていたと襲ってきたのだ、ただ呆然としていた私を呼び戻したのは、男の冷たい手が素肌に触れたからだ
ハッと我に返った私は無我夢中で暴れ逃げ出した
裸足のまま玄関から飛び出した、男が遠くで叫ぶ声が聞こえ速度を上げ走った
どのくらい走っていたのかはさだかではないが、体力の限界にきて足を止めた。
酸素を必死で取り入れながら、恐る恐る回りを確認した。
見知った建物や道路はなく森の獣道のような所に立っており、男が追って来ていない安堵と疲れで優菜の意識は暗闇に落ちていった。
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森の中をしなやかに走る4頭の狼、先頭を走るは月の光にキラキラと光る銀毛に鋭いダークブルーの瞳が神秘的である。
狼達の鼻が森の中に漂う微かな甘い花の香りをかぎとる、足を止めた4頭は顔を見合わせ