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002 プロローグ②

評価、登録してくれた人、ありがとうございます!

これからもよろしくお願いします。

「世界が……終わる? どういうことだ!」

魔王に警戒しながら、未宝が言う。



「勇者よ!! 今は説明してる時間が惜しい。すぐにでも人間界にいき、人間達を護れ!」

 未宝に怒鳴るようにして言い放つと、すぐさまエレグスは両手を上げ、魔障壁を魔王城全体にかける。



「我の精神を喰らい、力を分け与えよ!! 暗雲障壁・展開!」

 魔王城から、半透明状の黒いシールドが形成され凄まじいスピードで一気に魔界全土へと拡大する。


「勇者!! お前の力は誰の為だ! 使命はなんだ!」

「な……貴様さっきからなにをいって……」


  ふっ。と未宝の目の前からエレグスの身体が消える。

まさか、逃げられたか! と思った瞬間、首筋にビリッという静電気のような痛みが走る。


「ぐっ」

 不意打ちか。未宝は後ろに振り向きながら前に飛ぶ。


しかし、目の前にいたのは、さっきまで戦っていて、超大規模魔障壁を展開・拡大した魔王ではなく






弱りきった魔王エレグスであった。


 驚いている未宝に重苦しく、覇気のない声がかかる。

「お前に、俺の持つ力をやった。今からお前を強制テレポートをかける。人間界を、助けよ」

「何故、なぜだ!? 魔王である貴様が、なぜ……」

「ふははは! ……勇者。天界、人間界、魔界。全てを護りし者は、お前しかおらん」

「それってどういう……」

 

 不意に未宝の身体が軽くなり、そして闇を統べる王の声が聞こえた



「神術・空間同調、テレポート」





 *





「魔王がなぜ神術を?」

 魔王が使った神術・空間同調、テレポートは光属性のしかも高難易度を誇る移動系魔法だ。

しかし、そんなことを考えている時間はない。


 未宝は考えを頭の隅にやり、見晴らしの良い丘から、周辺を見渡す。


「これは、酷い……」

 魔王に強制テレポートをかけられ、着いた場所が女神の都(アリア・ストリー)

女神の加護が一番強いとされるこの国は、魔物はおろか、病や自然災害といったものまで皆無である。



 それゆえに、人々は温厚で争いごともなくまた、美しい自然に囲まれていた。



 が。



 未宝の目に映るのは、地震によって起こる地割れ。

 まるでガラクタみたいに崩れている家屋。

 そして、元気だった人々の死骸。


 魔物で苦しんでいた村や、国よりもさらにひどい。

まさに地獄絵図そのものであった。



「どうして……」

こんなことになったんだ!!

 未宝は先程、魔王エレグスが使用していた同じ種類の魔障壁を展開する。


「火水風雷土、世界を構成する全ての属性よ!! 我の魔力を糧に全ての者を守りたまえ!」


 未宝の足下を中心として半径50mにも及ぶ巨大な魔法陣が形成・展開し、人間界にシールドが拡張する。

以前の未宝ならば、この技を人間界に拡張させることが出来なかった。しかし、魔王の魔力を流し込まれた身体は格段に進化を遂げている。


「次は怪我人の手当だ。探索術式!」

未宝は目を閉じ、全神経を集中させる。

 

……。


 探索術式は人間界全土に広がる。

が、その結果は未宝が予想したものとは異なっていた。


「た、探索に引っかからない……」

死体でもなんでも、生物であるならば探索術式にかかるはずなのだがある地点からその先が全く引っかからない。いや、完全に遮断されているような……


 ここまで考えて、未宝は風属性の魔法陣を頭の中で形成し、空を舞う。

そして、未宝がみた世界は



女神の都(アリア・ストリー)だけであった。



他の空間は全て黒い。そして第六感が感じ取る、世界の崩壊のイメージ……







「こんなのって、無いだろ……」


 先程の魔障壁にも轟音をたてながらひびがはいり始め、未宝は死を覚悟した。


ご意見、ご感想、ご批評をお待ちしております。

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