001 プロローグ①
ほぼ初めての小説です。
「でりゃあああああッッ!!!」
「ふん!」
互いに作り出した高濃度の魔力が、空中で弾け飛ぶ。
「ふん、人間のくせになかなかやるな!!!!」
普通の人間が聞いたら恐怖で身体の自由が奪われるような圧力で、黒の王者、魔王エレグスが怒鳴る。
「まだまだこれからだぞ!! 魔王エレグス!」
魔王の瘴気を平然と浴び、尚且つ人間では到底不可能な魔力をもつ、勇者、菊池 未宝が応える。
「闇を討つ剣となれ! 光と熱の調和の象徴、秘剣 雷鳴斬!!!!!!」
未宝のもつ、宝刀 神光刀に青く澄む魔力が巻きつく。
覚悟! という言葉を叫んだ瞬間、人間ではなし得ない電光の速さで魔王に近づき、神光刀をその身に刻む。
「ぐっ!」
この技は、雷鳴の一撃!! 光属性では最高難度を誇る断罪の一撃。上位魔族はおろか、最上位魔族を瞬殺できる程の力をもつ。
(あれにやられたならば、俺とて消し飛ぶわ)
未宝の速さを見切り、最速かつ的確に雷鳴斬をかわす。
この技最大の欠点は、かわされると、防御が出来ないことだ。まあ、到底かわすことは不可能だが。
エレグスは右手に魔力を一点に集め、凝縮しその高密度な魔法弾を未宝の背中に叩きつける。
しかし、その技が、未宝に届くことはなかった。
突如として地震、そして城を護る強力な防御魔障壁がみるみるうちに壊されていく。
「な………なんだ!? …………一体、なにが起こっている!?」
勇者が? いやそんなはずはない。
「貴様! なにをした!!!!」
未宝は怒りを露わにし、怒鳴った。また、何かの魔法を使ったと思ったのだ。
しかし、その考えは誤解だとすぐに分かる。魔王が、あの魔王が驚愕の顔つきで何かをひとしきりにしゃべっている。
「 いや、そんな。こんなことが……………」
「おい、魔王エレグス!!! どうしたんだ!」
エレグスの頭が、未宝に向き、こう告げた。
ー世界が終わるーと。
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