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桜花爛漫  作者: 青猫
1/1

思いは届く!この方法で。

ピピピピッピピピピッ

「ん~…」

朝7時。

ピピピピッピピピピッ

「うりゅしゃぃ~…」

布団の中に女の子。

ピピピピッピピカチッ

「ふにゃぁ…んっ」

布団の中で小さな延びをするその子は山城桜やましろさくら

コンコン

誰かが小さな桜の部屋のドアを叩いている。

「ふあぁい…だぁれ?…」

ガチャッ

「こら桜!あなた今日入学式でしょ!?早くしたくしなさい!」

部屋に入ってきたのはお母さん。

「今何時…?」

くしゃくしゃな前髪を後ろにやり、時計をみた。

「…7時…17分…!?」

「早くしたくしなさい!」

「急ご!」

布団から跳ね起き学校の制服に着替え始めた。

「まったく…この子ったら…」お母さんは呆れかえって台所へ戻った。



「行ってきまーす!」

桜は急ぎ学校を目指す。

お母さんは9時に学校に着けばよいとのんびりしていた。

「さ~く~ら~さ~く~ら~わ~た~し~はさ~く~ら~んんんんん~…」

桜は陽気に歌を口ずさんだ。

学校へ行くのにそれほど時間はかからない。

桜の家と学校はそこまで離れてはいないのだ。


「おはよう!」

校門の所で太く低い声が響きわたっていた。

「ほわわぁ…いつみてもおっきな門だなぁ…」

桜は大きな茶色の校門を手前に立ち尽くした。

他の入学生達は門を眺めながらゆっくりと歩いていく。

「ふははぁい!」

桜は走り出した。

「先生おっはぁ~」

桜は走りながらすれ違う教師に挨拶をした。

教師達はあまり気付いていないようだ。

中庭の渡り廊下。

「ふぅ…結構走ったなぁ…」

桜は振り返ってもと来た道を眺めた。

道は長く、蛇行道だったため校門は見えなかった。「あにゃ?誰もいない…」

桜はきょろきょろして人を探した。

「どうかしました?」

桜は振り向いた。

そこには髪は緩い天然パーマでちょっと茶色がかっていて顔には左の目尻に小さなほくろ、きれいな肌は白く、目は優しいたれ目、口は端がちょっと上に上がり微笑んでいる。

背は桜より30センチほど高い。

「美男…」

桜はつぶやいた。

聞こえないのか、聞こえていて無視するのかその人はちょっとかがんで桜の顔を覗き込んだ。

「迷っちゃった?入学生だね…噴水広場はあっち…案内しようか?」

その人はグラウンドの方を指差した。

「はっはいっ…」

桜は顔を赤くしてそっぽを向いた。

「じゃぁこっち、おいで。」桜は男子の顔を見つめながら歩いていた。

中庭は広い。

端から端まで400メートル以上はあるだろう。

中庭の中間で

「おーい!早くしねぇと入学式終わるぞぉ!」

向かっている方向から黒髪の男子が手を拭っている。

「いそごうか!」

美男君は桜に笑いかけた。

「うん…うわぁっ」

桜が返事をしたと同時に美男君は桜をお姫様だっこで抱きかかえた。

「桜…重いよぉ…?」

桜は自分の体重を気にした。

「軽いよ。名前桜ちゃんって言うんだね、可愛い。」美男君はくすっと笑うと走り出した。

噴水広場では大きな噴水の前にステージがある。

そしてその周りに人だかりができている。

入学生らしい。

「後は自分の足で歩いてね。」

美男君はゆっくりと桜をおろした。

「あぅっ…あぁ、ありがとぉ…」

桜の顔は真っ赤になった。

それを隠すために桜はうつむいた。


「じゃぁ、桜ちゃん。僕はもう行かなきゃ。これからの学校生活楽しんでね。」

美男君は満面な笑みを浮かばせるとステージの方へ走っていった。

「かっこよかったぁ」

桜は美男君の後ろ姿を眺めた。


人だかりの一番後ろ。

桜は背伸びをしてステージの上を頑張って見る。

そこにはかっこいい男の子が3人。

そしてさっきの美男君と黒髪の男の子。

計5人が自己紹介を始めようとした。

「あっ…あの人…」

桜は戸惑った。

なぜ美男君が居るのか。

「みんなおはよう!これで5人そろったぜ!さぁっそく俺たちの自己紹介するな!まず、俺から!2年の赤い花!夕羅唯薔薇せきらいばら!よろしくぅ!」

赤い髪をした男の子。

右手を前にだし、ポーズを決めた。

そして女子たちは叫んだ。

耳に響いて苦しかった。

「次いいのぉ?んじゃ僕の自己紹介!2年の黄色の花!菊芋遠琉きくいもとおるみんな~暇なときは遊ぼうね~」

黄色の髪をしている。

やんちゃそうな男の子。

5人の中で一番背が低い。

また女子たちは叫ぶ。

桜は髪の色は花の色で決まっているとわかった。


じゃぁさっきの黒い髪の子は何だろう…

桜は考えた。

すると答えを教えてくれるかのようにその子が出てきた。

「えっと、僕は2年の黒い花、檜扇光流ひおうぎみつるです。生徒会長をしています。よろしくお願いします。」

深々と頭を下げた。

女子は叫ばず、拍手がおくられた。


「俺は…桔梗智弥ききょうともや…」

口数が少ない紫髪の人。

しかし、顔はイケてるらしく女子たちに叫び声が戻った。

「最後はあの人か…名前なんて言うんだろう…」

桜は背伸びでギリギリ見えるイケメン君から目を離さなかった。

前の女子が動き出し、桜からは美男君が見えなくなった。

「見えないよぉ…」

桜は困り果てて背伸びをやめた。

そんな桜を取り残すように美男君の自己紹介は始まった。

「僕は2年の茶色の花、浜菅空哉はますげくうや、よろしくね。」

今までで一番歓声が大きいと誰もが思う。

「やっぱり…人気だな…顔も見ながら聞きたかったな…」

桜は落ち込んでその場を離れた。

1年の昇降口。

鍵は開いているが人の気配がない。

4人がけぐらいの白の椅子に腰を下ろし、その場でうずくまった。

ドサッ

桜の隣に誰かが座ったのが音と振動でわかった。

桜は気にせずうずくまったまま。

すると、桜が聞いたことある声が昇降口に響いた。

「どうかしたの?イスにうずくまって…」

桜は顔を上げ、その人の方を見た。

そこにはステージの上で自己紹介していてお姫様だっこで運んでくれた人がいた。

桜は目を丸くして驚いた。

「えっ…さっき…ステージで…えっ!?」

戸惑いを隠せない桜にその人は緑のカバーの手帳を渡した。

桜は表紙を見て固まった。

「はっ…浜菅はますげ…花依哉?(かいや)…だれ…?」

その手帳は生徒手帳らしく、学年は1年。

桜は訳がわからなくなった。


「もしや状況が把握できてないな?」

花依哉は疑った顔で桜の顔を覗き込んだ。

「…もしやもなにも…わかるでしょ?あなたは一目惚れした相手にす~っごく似た人が居たらどうする?桜みたいになるよ!」

桜は自分の顔をのぞき込んできたその顔に自分の顔をぐっと近づけた。

「ん~?おまえの話からしたら…一目惚れした相手は…浜菅空哉だろ?」

花依哉はニヤッとした。

「ふわっ…ちっ、ちっ、ちっ…違うもん!」

桜は顔を赤くし、それを隠すためにプイッとそっぽを向いた。

「はっはっは~、照れんなよ。告げ口とか趣味じゃないから。それに俺は浜菅って名字が一緒なだけで、兄弟じゃないから。顔が似てるのは…ほらっ、あれだ、よく言うだろ?世界に3人自分とそっくりな奴がいるって。俺はその1人目。」

「へぇ…そっか」

桜はうなずきながら返事をした。

「で…お前の名前は?」

「山城桜…」

「桜かぁ…そーいや今はちょうどその季節だな…」

「クラスっていつわかるんだろう…」

「さぁ…しらねっ」

「そこにいたのか!花依哉!」

突然、昇降口に男の人が入ってきた。

「浜菅くんあれだれ?」

桜は花依哉を見上げた。

「ステージ見てきたんならわかるだろ?五花華恋のメンバー、夕羅だよ」

「五花華恋?」

「あぁ、ステージにいた奴らは五花華恋ってグループだ」

「なんで知ってるの?」

桜は花依哉が五花華恋について知っていることを不審に思った。

「五花華恋の夕羅様がなぜここに?」

花依哉は桜の問いかけには答えず夕羅に問いかけた。

「お前の姿が見えなかったからだ、クラスわからないだろ?花依哉のクラスは1-C」

「それだけか?用が済んだら俺の前から消えろ」

花依哉は喧嘩腰だ。

「隣のかわいこちゃんの名前は?」

それを気にせず桜に名前を尋ねる夕羅。

「えっ…と…さっ、桜です…山城桜…」

「山城さんだね、きみは花依哉と同じクラスだよ。それじゃぁね。」

クラスを告げると唯薔薇はさっていった。

「ねぇ…なんで夕羅君に喧嘩腰なの?」

桜は迷いもなく花依哉に質問した。


「関係ないだろ…教室行こう」

花依哉は桜からの質問を拒否し、先に教室にむかった。

「ふあぁっ…まってよ~」

桜は急いで花依哉を追う。

2-Cの教室。

机は縦4列横6列で計24人分の机が並んでいる。

教室の広さは縦と横共に約12メートル。

平均より大きな教室だ。

「すげー…ひろぃ…」

花依哉は教卓の所にたって教室中を見渡した。

「黒板じゃなくてホワイトボードなんだ…」

桜は花依哉の隣にいきホワイトボードを右手の人差し指でなぞった。

「やっぱり…セレブだな…」

「桜のお家、学費払えるか心配…」

「大丈夫、学費なんて学年1位の成績とればいいさ。金持ちは頭悪くても学費払ってるからここにいれる」

「じゃぁ…ここの人たちは…みんな成績が…あれなの…?」

「ビンゴー!」

花依哉は桜のおでこを優しくつついた。

そして後ろのホワイトボードに目をやった。

赤い文字が並んでいる。

花依哉はそれを読んだ。

「席は自由に…」

「自由!?」

桜は信じられなくて花依哉に聞き直した。

「あぁ、そこに書いてある」

花依哉は赤い文字を指さした。

「ほんとだどこに座ろうか…」

「俺1番端~!」

花依哉は教卓から見た1番後ろの1番右端の机に鞄を置いた。

「桜は勉強に集中したいから…ここかな」

桜は教卓からみて1番前の右から3番目に座った。


「おいおい…お前後ろにすわんねぇのか?」

「うん。だって学年1位の成績とらなきゃ…」

「今から勉強したって間に合いっこないんだしさ」

「頑張るもん」

桜はそっぽを向いた。

『ここだよね2-Cって』

廊下の方から声がした。

すると男女の列が入ってきた。

『きゃぁ!浜菅くんにそっくり!』

女子の大半は花依哉をみてキャーキャー叫んだ。

「ちっ…うっせぇな…」

花依哉は外を見ながらつぶやいた。

「ちょっとそこじゃまよ!」

桜の机を叩いて威嚇する女子がいた。

「ここは…始めに…桜が…」

「つべこべ言わずにどきなさい!」

どん!

女子はもう一度机を思いっきりたたいた。

桜は怖くなって鞄を持って立った。

女子は何事もなかったかのように座った。

「おい、俺の隣こい」

花依哉は隣の席を指差した。


「あぅっ…あっ…ありがと…」

桜はしぶしぶ花依哉の隣の席に座った。


ホームルーム。

「はぁい、みなさぁ~ん。私名前は須山美紗子すやまみさこでぇ~す」

なぜかテンション高い先生。

だいたいの人は無視。

「…はぁ…今年も無視されるのね…」

寂しいオーラを出しても、無視。

「あなたたち私の話を聞きなさい!」

須山先生は怒鳴った。

…が、みんなからの反撃。

『うっせぇよ!ばばあ!』

「はぁ…まったく…聞いてる人は…聞きなさい、いい?まずは1日の流れを説明するわよ。ホームルーム、そして1、2、3、4時間目、それから給食、最後に部活。授業内容は…全て選択…以上。これでホームルーム終わります。」

『起立!礼!着席!』

がらがらっ

先生は出て行った。

「選択…山城、お前どこいく?」

「桜は…音楽かな…」

「歌好きなのか?」

「うん…」

「俺も」

「歌はいいよね、素直になれる」

「だな…んじゃいこうか」

「はぁい」

花依哉はポケットに手を入れて教室を出た。

それにおいて行かれないように桜は小走りでついて行く。


1年専用音楽室。


「音楽室は…平均的な広さだな…」

「あんまり広かったら声が響かないからじゃないかな…?」

「ブラボー!その通り!」

突然おばさんが出てきた。

拍手をしている。

「おばさん…だれ?」

花依哉はおばさんに向かって聞いた。

「んまぁ!!おばさんなんて失礼な!あたくしは音楽を教える人間でざぁます」

「…うん、人間ってのは知ってるよ、人間じゃなかったら…地球外生命体?」

「あたくしは正真正銘の人間ざます!」

「わかってるって!だからあんた名前は!?」

「あたくしの名前はオン・ガクざぁます!」

「山城…ほかの所行こっか」

「待つざます!ほ~んの冗談ざますよ~そんな本気にしないでいいざます」

「冗談ってわかってるし、本気にしてないし…」

「ワッツユウアーネーム?」

「英語の教師になれよ!!」

「マイネームイズさくらやましろ」

「山城、お前はしょうもないことにのるなよ…」

「ヒーイズかいや…あっ、はますげ」

「やーまーしーろー…おまえはぁ!」

「あぁ、きみたちは楽しくやっているみたいだね」

「あっ…浜菅先輩…」

桜は空哉が来たことに驚き戸惑った。

どうしよう…浜菅先輩に2人の所見られちゃった…勘違いしないかな…

桜はその事だけが不安で仕方がない。

「なんでおまえがここに?」

花依哉はだんだん喧嘩腰になってきた。

桜は花依哉が五花華恋が嫌いなのは知っているからこそ、逆に花依哉のことをしんぱいした。

「花依哉…僕がここに来ちゃ行けないのかい?…五花華恋の仕事だとしても?」

「俺はお前らを認めてない、だから仕事とか関係ない」

「そか…でもまぁいつか…花依哉の中にも五花華恋が結成されるよ」

「ホストもどき」

花依哉はその一言を言うと黙った。

「桜ちゃん、わからないことがあったら僕らに聞きなよ?」

「桜、あんな奴らに何も聞くことはねぇよ、俺が教える」

桜はしゃべることができない。

答えを出せばどちらかが傷つくからだ。

「さっさと帰れ」

空哉が現れてからずっとにらみっぱなしの花依哉。

空哉は一礼するとその場から去った。

それから2分ぐらいの重い時間が流れた。

先生・桜・花依哉の3人で最初に口を開いたのは桜だった。

「浜菅くん…じゃなくて…かっ、かっ…花依哉くん…」

桜は服の袖で顔を覆った。

花依哉はびっくりして固まった。

「桜からそう言われるのいやかなぁ…?」

桜は顔を覆っていた袖を下に下げ、鼻から下を隠して、見える目は上目づかいだった。

声は口を隠しているせいでこもっていた。

「山城…なんで…」

花依哉はやっとしゃべれた。

「さっき…桜って言ってくれたから…」

「だからって…まぁ…悪い響きじゃねぇからいいや…先生!名前教えてよ!」

花依哉は頬を少し赤く染めながら話をそらした。

やったぁ

桜は小さくガッツポーズ。

「あたくしは阪間真理子さかままりこざますわよ」

「よろしくお願いします」

桜は礼をした。

花依哉はあぐらをかいて座っている。

「ミスター浜菅、ミス山城、今から歌を歌います」

「はぁい」

「早く始めろ」


《それから2、3、4時間目も音楽室で歌いっぱなし》


食堂。

「桜…お前自前?」

「うん…食費は高いらしいから…」

「俺Bランチだぜ、日替わりらしい、ん~…」

花依哉は桜の弁当の中を見つめた。

「なぁなぁ…」

「ちょうだいはやだよ」

花依哉が話しかけてきたと思うと桜は弁当箱を抱え込んだ。

「わかったよ…てか桜は部活なににはいるんだ?」

「桜は…入らないかな…部活費があるじゃん」

「あったっけ?」

「セレブ高校ならなおのこと」

「ふーん…部活費関係ないなら?」

「そうだな…」

桜はミートボールをつつきながら考えた。

「俺は…歌唱部に入りたいな…」

「歌唱部?そんなのあるの?」

「あぁ、けど部員は今0人」

「部活…とはいえないねぇ」

「俺らが入って復活させようぜ!」

「いいよ、花依哉が居るなら」


合唱部 部室。

「あぁ…ここがね…って、音楽室じゃん!」

「ほんとだねぇ…」

「とりあえず…何歌う?」

「クレヨンしんちゃん!」

ごつっ!

「いったぁ…」

桜は花依哉に頭を殴られた。

「もっとましなの考えろ!」

「ドラえもん!」

ごつっ!

「いたいぃ~…」

「ましって…あんまし変わってねぇだろ!」

「未来的にはましだと…」

「まぁな!未来の道具だからな!」

「…そうだ!この前つくった曲があるんだ…ひとりじゃ歌えなくて…」

「それあるなら先に言えよ…先に言えば桜がこんな目なあわなくてすんだのに…」

「花依哉がしたんじゃない…」

桜は花依哉に曲を書いた紙を渡した。

花依哉は歌詞に一通り目を通した。

「ん~」

紙を置いて腕組みをする。

「…どう?」

桜は花依哉の隣に座り花依哉を見た。

「まっ…試してみるか」

「ほんと!?いけないとこあったら書き直していいよ?」

「…大丈夫」

「じゃぁ…あ…ピアノ…伴奏…どうする?」

「俺が弾く」

「できるの?」

「俺をなめんなよ」

「なめてないよぉ…汚いから舐めないけどね…」

「桜ちゃん何か言った?」

花依哉はにっこり笑った。

「なんでもないよぉ?」

桜もにっこり笑い返した。

「それならいいや」


《部活ではいっぱい練習した》


放課後の音楽室。

「俺帰るよ?」

「うん、バイバ~イ」

桜は花依哉に手を拭った。

花依哉は帰り音楽室は無音状態。

「さぁて…」

桜は仁王立ちになった。

そして深く息をすい歌った。

「これで今日の1日は終わりました

今日は最初で最後の1日

1つ1つの 日々が違うの

1日たりとも同じ日はない


みんな それはわかっていることなんだって

がんばって

今日という壁乗り越え

明日の壁をさがす」

パチパチ

拍手の音が響いた。

桜は拍手の源をみた。

「上手いね、歌。」

「あっ…浜菅先輩…」

「桜ちゃん、花依哉といたよね」

「あれは偶然です!」

「食堂でも?」

「あぅっ…偶然…です」


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