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不自然

掲載日:2026/07/05


それは確か先月のことだった。

僕は350mlの缶ビールと携帯をお供に自室のベッドに腰かけていた

夜中の3時、いつもならとっくに寝ている時間だけど、なんとなく見始めた動画がシリーズもので気づけばこめかみのあたりがずきずきと痛み出していた。

もう寝よう、そう思うのだが、半端に覚醒した意識のせいで寝れるイメージが沸かず、かと言ってぼうとしていることもできずに結局safariの溜まっているタブを整理することでただでさえ普段より短い睡眠時間を縮めていた時、斜め右にあるドアがノックされた。3回。落ち着いたリズム。

驚いて心臓がびくっと動いた。

速まった鼓動を落ち着けつつ、僕はドアを凝視した___が、それっきりだった。

ノックは繰り返されることも、誰かの声や物音がすることもなかった。

たった3回ドアが叩かれただけでこんな驚くなんてとなんだが自分が恥ずかしくなった。

「でもこんな真夜中にされたら驚きもするさ」と自分自身に言い訳した。

その出来事がきっかけになったのか僕は携帯を閉じた。

照明から垂れ下がる紐を引いて部屋の電気を消して、ベッドに横になる。

数秒後、もう一度明かりをつけて体を起こし、ドアへ向かった。

といっても歩いて数歩だ。

自室、といっても1Rの安い賃貸マンションだから部屋の区切りなんてものはない。

つまり、ドアの先は共同廊下なのだ。

「念のため」と僕は誰に言うわけでもなく呟いて鍵とドアチェーンを確認した__きちんと閉まっていた。

それからそうとドアのノゾキアナに右目を当てた。__誰もいなかった。

そりゃそうだ、部屋の間違いに気づいてとっくに帰ったのだろう。

こんな時間だし、きっと酔っ払いか何かだったんだ。

ほっとしてベッドに戻ると、ようやく意識がまどろみだした。

ただ意識が切れる直前ふとこんなことを思った。

「なんでノックだったんだろう?」

どうしてノックだったんだと思いますか?

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