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第6話 衝突

この話は第5話の続きなのでそちらを読んでからお読みください

 俺の名前はスライム。

 訳あって異世界転生させられ、スライムになった元サラリーマンだ。

 今の俺は、カーヴェルで戦ったガタイのいい冒険者にボコボコにされたあと、女神様から新スキルを授かり、リベンジに向かっているところだ。

 だが、その新スキル――「冷却フリーズ」は、まだ一度も使っていなかった。

 そこで俺は、試しに使ってみることにした。

 口から水を吐き出し、出た瞬間にスキルを発動する。

 すると水は一瞬で凍り、鋭い氷柱へと変わった。

 放たれた氷柱は、狙った的を正確に貫く。

 コントロール性は抜群。威力も申し分ない。

 その後、数時間かけてスキルを検証した俺は、「冷却」をほぼ完璧にマスターした。

 水を氷として保存したり、大きな氷塊を作ってから砕くことで、威力を落とさず大量の氷を撃てることも分かった。

 準備は整った。

 俺は、再びカーヴェルへ向かう。

 他の町に行ったことがないからかもしれないが、カーヴェルは警備がかなり緩い。

 俺のようなスライムでも、簡単に街へ入れてしまうほどだ。

(だから、あんな冒険者がのさばっているのかもな)

 そんなことを考えながら跳ねていると、目的地に到着した。

 俺は前回と同じように、パン屋を探すふりをして街をうろつく。

 すると――ついに、あの冒険者が現れた。

 ガタイのいい冒険者が、俺を見てきた。

 その後ろには、仲間らしき冒険者たちが控えている。

「タイタス様! あんなスライム、すぐに討伐しましょう!」

 そう言いながら、彼らは俺を囲むように陣形を組んだ。

 あいつの名前はタイタスというのか。確かに、強そうな名前だな、と思った。

 そうしていると、タイタスは鼻で笑い、仲間に言った。

「俺一人で十分だ」

 完全に舐められている。

 すぐに戦闘が始まると思ったが、なぜか冒険者たちは賭け事を始めた。

 住民たちも集まり、俺とタイタス、どちらが勝つかを賭け始める。

 結果は、ほぼ全員がタイタス。

 誰も俺に期待していなかった。

「タイタスがスライムごときに負けるわけがない」

「どう見ても弱そうだろ」

 負ける前提の声が、あちこちから聞こえてくる。

 正直、ムカついた。

 そして――

 始まりの合図が鳴り響いた。

 ゴーン!

 合図と同時に、タイタスが突進してくる。

 巨大な斧を振りかざし、一直線に俺を狙ってきた。

 反応が遅れ、スライムボディの一部が削られる。

 だが、水分を十分に蓄えていたおかげで、すぐに再生した。

 同時に、俺は床一面に水を撒いておく。

 その意味に、タイタスも観客も気づいていない。

(ここからだ)

 俺のターン。

 スキル「フリーズ」を発動。

 撒いておいた水が一斉に凍り、地面は氷の床へと変わった。

 足を取られ、タイタスの動きが止まる。

 俺は少し大きめの氷の粒を大量に生成し、足、腹、胴体へと撃ち込んだ。

 だが、まるで壁だ。致命傷にはならない。

(……なぜだ? あれだけ当てているのに、動かない?)

 疑問に思いながらも、氷の粒が効果薄だと判断した俺は、生身での突進を何度か繰り返し、挑発して転ばせる作戦を立てた。

 しかし、タイタスは動く気配こそないものの、斧で俺を狙って攻撃してくる。

 何度か、直撃しそうになる。

「チッ……」

 俺は必死に避けるので精一杯になり、次第に攻撃の手数が減っていった。

 それでもタイタスは動けない。

 そこで俺は、保管庫から氷の粒より威力の高い水晶を一つ取り出し、全力で発射した。

 直撃――だが、痛がる素振りすらない。

(ダメか……!)

 焦る俺は、最後の策を思いつく。

 俺の体は、ほとんどが水分。

 なら――自分自身を凍らせればいい。

 自分に水をかけ、即座に「フリーズ」を発動。

 俺は、動く氷の塊と化した。

 防御力も、攻撃力も、確実に上がっている。

 相手が油断している隙を突き、全力でみぞおちへ突進!

 想像以上のスピードで突き刺さり、完全なクリティカルヒット。

 タイタスは大量の水を吐き出し、驚愕の表情のまま後方へ倒れ、頭を強打して気絶した。

 場は静まり返った。

「スライムのくせに……」

「あのタイタスが……負けた?」

 さっきまで俺を見下していた連中が、信じられないものを見る目で俺を睨んでいる。

 俺は、その隙に街を離れた。

 心は、確かにスッキリしていた。

 それでも――

 なぜか、少しだけ心残りがあった。

いかがだったでしょうか?

タイタスとの激闘で苦戦を強いられたスライムだったが何とか勝利しましたね

次の話ではまさかの展開が待っているのでお楽しみに

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