表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移魔法無双  作者: まるせい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/8

第一話 準備万端な魔王軍

 魔王の間に緊張が走る。


『女神のオーラを確認しました!』


『人間の国の城内で儀式が始まりました!』


 現在、人族が勇者の召喚を行なっていると報告がはいったからだ。


『いよいよ、我らが天敵がこの世界に降臨するのか?』


『どうにかして被害を最小限に食い止めないといけないよな……』


 魔王軍の者たちは不安そうな表情を浮かべると互いの顔を見た。


『異世界から召喚される勇者って伝説の『チートノウリョク』って言うのがあるんだろ? どれだけこっちが有利でも『ゴツゴウシュギ』って未来改変で運命を捻じ曲げると聞くぞ』


『俺、今年四天王になったばかりなんだが、正直選挙に負ければ良かったよ』


 何せ、勇者といえば殺しても平然と復活してくるばかりか、あっさりと奇跡を起こしどのような状況でも勝利することで有名だ。


 特に敵対する魔王軍の者からすれば恐怖の代名詞でしかない。


「静まれ! 愚か者どもっ!」


 四天王すら怯えるそんな状況に喝を入れる者が存在していた。


【魔王クラオス】


 現在の魔王軍を束ねているこの場でもっとも偉く、地上で最強クラスの存在だ。


 クラオスは巨大な魔石が嵌め込まれた杖をドンとつくと皆に言った。


「たとえ異世界から召喚された勇者とて、最初から強いわけではない」


『ですが……魔王様』


 四天王のゴルゴロンが萎縮した状態でクラオスに声を掛けた。


「私はこれまで敗れてきた魔王について調べてきたのですが、やつらに常識は通用しません」


 人間の国々にも様々な伝承が残されており、ゴルゴロンは自ら足を運びそれらを調べていったのだ。


 どのように召喚されるか?

 見た目は?

 性格は?

 能力は?

 弱点は?


「私も、勇者については調べたさ。その上で大切なことに気づいたのだ」


 クラオスはゴルゴロンの不安を払拭しようと笑みを浮かべる。


「そ……それは?」


「まず一つ目に、勇者といえど召喚されたばかりのころは普通の人間と変わらないということ」


 いくら異世界召喚特典があるとはいえ、最初から強い勇者は今のところ存在していない。


「つまり、召喚されたからといって今すぐ我らの脅威にはなりえないのだよ」


「し、しかし……、成長していけば脅威になるのは変わらないのでは?」


 勇者が世界中を旅して魔物を倒し困ってる人を助けることは有名だ。


 そして、助けた者から伝説級のアイテムを入手して己を強化していくことも……。


「ならば、成長させなければ良い!」


 クラオスは断言した。


「勇者があらかじめ欲しがりそうなアイテムについては事前にこちらで回収済みだ」


 魔王軍の中に人間のそれも魔法に長けた人物が存在している。

 彼女の名はルナ。魔王に匹敵する魔力を持っており、その力を奮い世界中の人々を助け、伝説級のアイテムを回収し尽くしていた。


「しかし、そのまま魔王城にきたらどうなるんですか?」


 勇者には「ゴツゴウシュギ」という反則技が残されている。これがある限り対面してしまえば何が起きるかわからないのだ。


「それについては問題あるまいよ。何せ……」


 魔王クラオスはほくそ笑むと皆に余裕の様子で語りかけた。


「何せ、この魔王城は世界を見下ろ上空に浮かんでいるのだからなっ!」


 いくら勇者とはいえ天空を移動する城に登ってくることはできないし、蜘蛛の糸ほど細い可能性は残されているのだがそれを可能にするキーアイテムの幾つかが既に魔王城に収納されているのだ。


「勇者は決してここに到達することができない!」


「さらに、念の為。勇者召喚の現場には四天王を一人配置してある」


 召喚した勇者を仕留めることができればラッキー程度に考えているが、勇者が成長していないのなら勝てる公算はでかいはずだ。


「な、なるほど……。流石は魔王様です」


 ここまで説明してゴルゴロンも安心したように笑みを浮かべた。


『流石は魔王様だ!』


『勇者なんて怖くないぞっ!』


 魔王クラオスが杖を掲げると、魔王軍の兵士の声がピタリと止まる。


「万全は尽くした。だが、物事に絶対はない。勇者抹殺まで決して全員気を抜くでないぞっ!」


『『『『『ははーーっ!』』』』』


 そう言いつつ勝利を確信している魔王は笑みを浮かべるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ