2/11
Proem II: side-Moon
この世界は、わたしにとって、ただ”そんざいしているだけ”の場所だった
生まれたときから、何も知らず、何も望まず
五百年という時を、ただ冷たい鳥籠の中から眺めていただけ
人も、空も、季節も、この世界のすべてがわたしには”どうでもいいもの”だった
──けれどもし
この世に”そうじゃないもの”がたったひとつ現れてくれたら
そのときはじめて──
「その存在」を愛するためだけに在る”わたしの世界”が生まれるのかもしれない
この世界は、わたしにとって、ただ”そんざいしているだけ”の場所だった
生まれたときから、何も知らず、何も望まず
五百年という時を、ただ冷たい鳥籠の中から眺めていただけ
人も、空も、季節も、この世界のすべてがわたしには”どうでもいいもの”だった
──けれどもし
この世に”そうじゃないもの”がたったひとつ現れてくれたら
そのときはじめて──
「その存在」を愛するためだけに在る”わたしの世界”が生まれるのかもしれない