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Proem II: side-Moon
この世界は、わたしにとって、ただ「そんざいしているだけ」の場所だった
生まれたときから、何も知らず、何も望まず
五百年という時を、ただ冷たい鳥籠の中から眺めていただけ
人も、空も、季節も、この世界のすべてがわたしには「どうでもいいもの」だった
……けれどもし
この世に『そうじゃないもの』がたったひとつ現れてくれたら
そのときはじめて……
「その存在」を愛するためだけに在る「わたしの世界」が生まれるのかもしれない
この世界は、わたしにとって、ただ「そんざいしているだけ」の場所だった
生まれたときから、何も知らず、何も望まず
五百年という時を、ただ冷たい鳥籠の中から眺めていただけ
人も、空も、季節も、この世界のすべてがわたしには「どうでもいいもの」だった
……けれどもし
この世に『そうじゃないもの』がたったひとつ現れてくれたら
そのときはじめて……
「その存在」を愛するためだけに在る「わたしの世界」が生まれるのかもしれない