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「そっか!分かった、ルーナお姉ちゃんが落っこちてきたの受け止めるね!任せて!」

 ルーナちゃんが、四つ足なのに前足を器用にどんと胸を叩いて見せた。

「よち、じゃあ、あっちでしゅ!おねがいちまちゅ、にゃんたん!」

 羽猫のにゃんたんも任せてと言わんばかりに大きく頷いて私の首根っこ……服を口でくわえて、ぱたぱたと飛び上がった。

 森の木よりも高く。

 木々の隙間からルーナちゃんとうさたんが真下を歩いているのが見える。

 えーっと、バナナの葉っぱみたいなのは、どこに見えたんだっけ。

遠くに視線を向けると、やけに黒っぽい場所が見えた。

 緑の葉の隙間から見えるものが黒いから、全体的に黒っぽくくすんで見えてる感じ?

 何だろう?土の色が違う?

「にゃんたん、あっち」

 気になるなら見に行ってみよう。

 今の私はお空を飛ぶ幼女。

 ……まぁ、羽猫におんぶにだっこ……くわえられてぶら下がっているのですけどね。

 小さな羽でっぱたぱたとすると、ぎゅーんと進んでいく。

 風魔法とかがかかっているのかな?不思議だよ。

「あ!」

 ギチギチギチという不快な音が黒っぽいところにつかづくと耳に響いてきた。

 黒い色の正体は、鎧アーントだ。

 木々の隙間から見える鎧アーントは、大地を黒く染め、下草も地面も見えないほどにあふれている。

 気持ち悪っ!

 もう、理由が分かったからいいや、戻ってとにゃんたんに頼もうと思ったら、もう少し先の場所で大木が倒れるのが見えた。

 立て続けざまに、4、5本の木がが倒れている。

 なんで?

「あっち」

 気になったら見に行く幼女。危ないよ、言っちゃだめだよという大人がいないと、こうなるのだ。心は4歳児なのでっ!

 大丈夫、空は安全。

「あっ!危にゃいっ!」

 私は安全だけど、見えた景色は全然安全じゃなかった。

 木々が倒され、視界がよくなっているその場所で、ロッドさんが鎧アーントと戦っていた。

「くっそ、きりがねぇ。いつの間にこんなに数を増やしてたんだ」

 黒く見えた場所の広さからすると、その数は数百はいるだろう。

 ロッドさんが剣を振ると、確かに鎧アーントは倒せる。

 足の関節を狙って剣を振り、バランスを崩したところで首の関節を狙って落とす。

 関節から狙いが外れると、剣ははじかれるか、傷をつけるだけで鎧アーントは何でもない様子で動き続ける。

 ……1匹倒すのに、2度3度と剣を振らなければならない。

「危にゃ……、うわ、ロッドしゃんがんばっちぇ」

 四方八方から鎧アーントは攻めてくる。

 手に汗握るというか、全身からぶわっと汗が出る。

 頭に浮かんだのは「数の暴力」って単語だ。

 それから、小さな蟻とはいえ、噛まれると痛いとか、全身包まれたら逃げられないとか怖い想像して、トイレに行きたくなった。

 いやいや、トイレは我慢できる。4歳だから。あぶない。2歳だったらやばかった。こればかりは体の成長の問題だから本当に意思だけではどうにもならないんだよ?知ってる?

「にゃんたん、もうちょっと上に……」

 鎧アーントから距離は取りたくなったけど、ロッドさんが心配で上空高くに上がってもらうことにしてロッドさんの真上に移動してもらった。。

「みてみりょ、人がありにょようだ」

 ちがった、蟻が人のようなサイズだ。蟻は蟻だ。もはや何が言いたいのか分からないけど、渋谷のスクランブル交差点のような密度でロッドさんに蟻がたかっている。

 これ、どう考えても、ロッドさんがやばいのでは?

 さーっと青ざめる。


……人が蟻のようだってセリフ、あれっぽく言って見たかったんだけど、本来は「ゴミのよう」ですね。

そして、蟻が人のようなサイズなのであって……もはや、何も意味がないセリフになっているという……(´;ω;`)ウゥゥいいの。楽しく書いてるから。

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起死回生のちっちゃなお手てはあるのかしら?
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