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*すいません、前話、2行削りました。
ちょっと流れ変更です。
「でも、黄色い実は見つけたから持ってきた」
ふぉぉぉぉ!
ルーナお姉ちゃんナイスっ!
欲しいのは葉っぱじゃない!実の方だ!むしろ、葉っぱだけ取ってこられてもすん顔するしかなかった!
「ちょーだいっ」
バナナ、バナナ、バーナーナー!
バナナの原種はアケビみたいに種だらけで食べられる実の部分は少ないって聞いたことがある。もしそういうバナナだったとしても、種を取り除いて食べる。問題ない!なんならつぶしてバナナジュースにすれば種を簡単に取り除けるのではないかな?
ぐふ、ぐふ、バナナ。
ルーナお姉ちゃんに手を出すと、ルーナお姉ちゃんが頭を傾けた。すると、頭に乗っけていた黄色い実が落ちてきた。
ガ、ガビーンっていう顔をすればいいのか、すんっっていう顔をすればいいのか。
でも、私のために採ってきてくれたんだから、お礼を言わないと。
「あいがと……ルーナお姉ちゃん……」
だめだ。4歳の私が悲しくて涙が落ちる。
「どうしたの、ミチェ、やっぱり葉っぱじゃなかったから?すぐに取りに行ってあげる!」
私の泣き顔を見て、ルーナお姉ちゃんがもう一度走り出そうとしたのを止める。
「ちあう、ちあうの、黄色い実……こえ、レモンにゃの……レモンはあとでにゅうにゅうと混ぜてにゃんちゃってちーじゅにしゅる。ルーナお姉ちゃんあいがと……」
私の手に落ちてきた黄色い実は、どう見ても、レモンっ!せめてリンゴなら食べられうのに、レモンじゃ、かじったら大惨事だよっ!
ぼそぼそとお礼を口にしてみたけど、もう心はすっかりバナナに取りつかれてしまっている。
「レモン?ちーじゅ?葉っぱはもういらないの?」
だから、欲しいのは葉っぱじゃなくて、バナナ。
……あ、そうだ!
「ミチェも行く、ばにゃにゃ取りに、守られながら行くにょ」
これならどうだ。
「出ると魔物がいるからだめだよ」
頭では分かってるんだよ。大人の私はね。
でも、感情が追い付かない。お腹が空いた、バナナが食べたい。退屈でじっとしていたくない。森に行ってみたい。
我儘は言っちゃだめ。我慢。
ころりんと地面に仰向けに寝転んだ。
手足をばたつかせてわがままを言うのをぐっと我慢。涙が出てきた。
「にゃ……」
「きゅ……」
にゃんたんとうさたんが心配そうな顔をして私の顔を覗き込んでいる。
あれ?
「にゃんたん、ミチェ連れてお空飛べる?」
さっき私をくわえて少しだけど飛んだよね?
「にゃっ」
できるという感じで返事が返ってきた。
「お空、魔物でにゃいから安全。ばにゃにゃ取りに行く」
むくりと起き上がって腰に片手を当て、もう片手は遠くに見えるバナナの葉っぱっぽいものを指さす。
まぁ、空を飛ぶ魔物が出れば安全ではないけど……。頑丈だからよほどのことがなければ死ぬようなことはないけど……。危険が全くないわけではない。主に連れ去られたり。
今のところ、空を大きな何かが飛び交ってるのは見えないから、大丈夫なんじゃないかな。
「そっか、お空なら……って、そうするとルーナが守れない……」
しゅんっと落ち込むルーナちゃん。
「お空から落ちたら、ルーナねーねがたしゅける、守ってもりゃう」
まぁ、ミチェは頑丈だから大丈夫だけどね。
間があいちゃいました。覚えていてくれるかな……きょどきょど
前書きにもあるように、前話の後ろ2行削ってあります。