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「どうしよう、ルーナ、ばにゃにゃを知らない……。ばにゃにゃって何?ルーナ、お姉ちゃんだから教えてくれたら取ってくるよ」

「ばにゃにゃじゃにゃい、ばにゃにゃっ!」

 バナナだよ。ばにゃにゃじゃないよ。

「ばにゃにゃっ?」

「違うにょ、ばにゃにゃっ、うわーん」

 にゃんたんが私の頭の上をくるくる困ったように飛んでいる。

 うさたんが、柔らかい顔の毛を私の手に押し付けてきた。

 もふもふだ。

 うさたんを抱っこすると、少し落ち着いてきた。

「あんにゃ葉っぱになる、黄色い実にゃの」

 ちらっと木々の間から見えているバナナの葉っぱみたいな形の葉っぱを指さす。

 私の指先を見てルーナちゃんが首を傾げた。

「どの葉っぱ?葉っぱは葉っぱでみんな同じだよ」

 んー、違うのに!そりゃ似てるものは似てるけど、バナナはの葉っぱは、

 そうだ!

「おっきいにょ。ばにゃにゃの葉っぱはおっきくて、お布団みたいにゃの!」

 画像で見たことがあるのを思い出した。バナナの葉っぱを布団がわりに上にかぶせて寝ている幼児の画像だ。おままごとらしい。

 ルーナちゃんが大きな頭を傾げた。

「ミチェ、寝るの?ベッドにつててって上げようか?」

「ちがーうっ!そうじゃなくて、えっちょ、えっちょ、葉っぱは、おっきくて、屋根ににゃるっ」

 サバイバル系動画でちょっとした小屋を手作りするときに、屋根に何枚も置いて使ってた。

 ルーナちゃんがまた首を傾げた。

「家の中に入る?屋根ならあるよ、小屋は作らなくてもいいよ?」

 ……話がかみ合わない。私の言い方が悪いのか、それともルーナちゃんの理解力がないのか。

 多分どっちもだろうな。大きな葉っぱはいろいろなことに使えるっていうのが想像できないどころか葉っぱはみんな同じとかいう認識なら難しいよね……。

「違ーっう。ばにゃにゃの葉っぱは、お肉がおいちくなる」

 バナナの葉っぱに包んで蒸し焼きにしたりする動画も見たことがある。バナナのほんのりとした甘みというか風味が肉を美味しくふっくら仕上げてくれるんだとか。

「美味しくなる葉っぱ!ルーナ知ってる!見たことある!肉に葉っぱ載せて焼くとおいしくなる!」

 へ?肉に葉っぱを載せる?

 肉の上にかぶせるってことかな?包み込まずに、フライパンの蓋代わりみたいな感じで使うのかな?それとも落とし蓋みたいな?

 今度は私が首を傾げた。

「そっか、ミチェは、お肉をおいしく焼いて食べたいんだね!分かった、ルーナお姉ちゃんに任せて!美味しくなる葉っぱ探して取ってくる!匂いで分かると思う!」

 え?

 ルーナちゃんがびゅんって走って消えた。柵の外に出て行ってしまった。

「まっちぇ!」

 欲しいのは葉っぱじゃないっ!バナナだよ!

 って、突っ込みを入れるすきも与えてくれやしない。すごいスピード。

 レベル100はあんなに早く走れるのか、それともサーベルフェンリルがすごいのか分からないな。

 と、伸ばしてた手の行き所がないと思っていたところ、すぐにルーナちゃんが戻ってきた。

「ごめんね、ミチェ。ルーナお姉ちゃん、ミチェの葉っぱ取ってこようとおもったけど、守るように言われてるの思い出した」

 あ、うん、そうだった……。

 耳と尻尾が垂れてる姿もかわいいな!フェンリルって言ってもでっかい犬にしか見えないし。



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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます そうそう!幼児と話す時にはそんな感じになりますよね
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