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 しゅっ、しゅっ。

 あ、ちなみに、刀剣女子前世は、包丁は家で自分で研いでた。包丁……法律上所持が許される刀。……刀みたいな波紋もあるすんごい包丁が世の中にはあってですね。刀と同じ作り方で作った、包丁がですね……。あ、もちろん観賞用に買いました。料理には100円均一の包丁を使ってました。

 だって、悪くなっちゃうでしょっ!お宝が!

 で、まぁ、100円均一の包丁を研ぐのか?って話もあるけど、研ぐと切れ味変わるよ?

 お水で流しながら丁寧に研いでいく。

 刃の上から指の腹で押さえて前後に動かす。刃の部分、角度に気を付けてと。位置をずらして全体を研いでいく。

 両刃の短剣の折れた刃。20センチほどの長さだ。

 ぴかぴかに光ってきた。

 欠けた部分はどうにもならないけど。

 パフッといつのもちょっと抜けた音がしてから≪経験値8取得≫という声が聞こえてきた。

「8?」

 4じゃなくて、8?

 首をかしげる。

 両刃だからか?いや、角が1本のときと牙が2本のときと、どちらも4だったから、関係ないよね?

 となれば……。

 磨くときは4で、研ぐときは8なのかな?

 それとも、研ぐといいつつ実際は研いだ後に磨いてるから、4+4って感じ?

 分からん。

「でも、これ、しゅごい」

 すごく切れそうな美しい短剣の刃に仕上がった。……刃だけだけど。

 刃だから、剣の舞はちょっと無理そうだ。どうする?何に使う?部屋に飾っとく?

 ……って、ロッドさんが返してといわれたら返さないとだめなんだった……。飾ってたら見つかる。

 いや、隠すわけじゃないよ?けっして……。そっとポシェットにしまう。

 さ、探してたらちゃんと教えてあげるもん。返すもん。

 もしかしたら折れた短剣なんていらなくて忘れちゃってるかもしれないじゃん。

 満足して顔をあげると、私の動きをじーっと見ていたルーナちゃんと目があった。

 あ。目撃者が……。

「えーっと、次は、ルーナねーねきれいきれいしゅる」

 雑巾をしぼって……いや、絞れずべたべたな状態でルーナちゃんの牙を拭く。

 それから、角兎の角と羽猫の爪。

 魔物を狩ってきたため汚れていたので、まずはぬぐった。

 それから、てんててーんと、ポシェットからハンカチを取り出した。

「ありぇ?これ、ミチェのハンカチちがう……」

 あ、そうか。私のハンカチは服のポケットに入れてあったんだ。ポシェットから取り出したハンカチは絹ではなく何だろう?

 片面はマイクロファイバーのタオルみたいで、もう片面は合皮のような……。

 マイクロファイバー加工技術なんてないだろうし、合皮は化学繊維?……って、皮か、何かの皮なのかな?

 ……うーん、まぁいいや。

「磨くね」

 磨研スキル発動!ルーナちゃんの牙を磨く。

≪経験値4取得≫

 おお、前に磨いたものでも、時間がたったからか、それとも汚れていたからか、再び経験値が入るんだ。やったね!

「あれ?ルーナねーねの牙って、こんにゃ色だったっけ?」

 前もつやつや白くてきれいになったけれど、白さが歯のマニキュア……ホワイトコーティングしたみたいに白くてつややかになった。

 気のせいかな?

 前は室内で、今は外だから、光の加減?

 首をかしげていると、角兎が角をこちらに向けた。


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