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 いや、落ち着こう。ルーナちゃんは人間に変身できるサーベルフェンリル……結構すごい魔物だ。一緒に考えてはいけない。

「レベル100しゅごい、ロッドにーには?」

「あ?俺か。いくつだったかな、この間レベル上がった時に870……いくつだったな。1000まではまだまだだな」

「8ぴゃく、7じう……」

「ん?あ、100が8つ分と10が7個分だ」

 唖然とする私にロッドさんが数字の説明をしてくれる。面倒見がいいお兄さんだ。

 って、そうじゃない。人間でもレベル三桁が普通?さらっと、1000までまだまだとか言ってるけど……。

 レベルカンストが99でなく、999でもなく、9999……って、もしかしてカンストはない世界かもしれないけど……。

 レベル3なんてすごいって思ってた幼女の立場は?

 いやでも、でもよ、たった2,3日でレベル3になったわけだから、簡単にレベルが上がるってことだよね?

 だから、私だって、あと10日くらいでレベル20とかになるんじゃない?

 よし、磨くぞ、研ぐぞ!

「しかし、思ったより早かったな?いくら今日はたくさん魔物を狩ったと言っても……。Bランクの鎧アーントを倒したと言っても……いや、鎧アーントは俺がとどめを刺したから、ルーナに入った経験値はほんの少しだろ?」

「うんとね、鎧アーントの巣があったから、いっぱい倒した」

 尻尾を振り振り自慢げに話すルーナちゃん。話を聞いて驚きの声を上げるロッドさん。

 Bランクの魔物って、かなり強いんじゃない?この世界のランク付けがどうなってるか分からないけど。

 漫画では、大体Bランクって上から三番目。その上になんとか頑張れば倒せるAランクと、災害級と言われるSランクがあるっていうのが多かった。

 あー、Sラングが王様で、Aランクが公爵、Bランクが侯爵、Cランクが伯爵、Dランクが子爵、Eランクが男爵、Fランクが庶民みたいな?……異世界ロマンス風に魔物をたとえてみた。我ながら分かりやすいのではなかろうか?

 っていうか、ロッドさんも簡単に倒してた……。レベル870もあればBランクの魔物なんて赤子の手をひねるようなものなのかな?

 いや、もしかしたら、この世界、S級の上に、SS級とかSSS級とかEX級とかあるのかもしれない。

「は?巣?壊滅させたか?女王アーントは倒したか?」

 女王アーントって、蟻のでっかい魔物だから、女王蟻みたいな存在ってことだよね?

 蟻と同じ習性なら、女王蟻1匹いれば、どんどん蟻は増えていく。

 ルーナちゃんが、首を傾げた。

「分かんない」

 ロッドさんがさーっと青ざめた。

「なんだと、巣を襲撃して女王を倒さずに、傷を負わせた鎧アーントをここまで運んできたのか!」

 あ。

「死んでると思ったんだもん」

 だよね、死んだふり上手だったよね、鎧アーント。

 でもさ……半殺しにした仲間を連れてくるのって、なんかアニメで見たよ。

 蟲。蟲の王様怒らせて、大群を誘導して敵国に攻め込ませるみたいなやつ……。

 カチカチカチという音が遠くから聞こえてきた。

 一つや二つじゃない。カチカチカチカチカチのオーケストラやぁ!とか言ってる場合じゃない。

「やばいな。数が増える前に何とかしないと、お前らはミチェを守ってくれ、行ってくる」

 ロッドさんが剣を手に柵を飛び越えて出て行った。

「分かった、ルーナ、ミチェ守る。お姉ちゃんだもん!」

 ふんっと鼻息を出すルーナちゃん。

 ……いや、ルーナの失敗でこの危機を迎えたんだけどね?とは言わない。ミチェ気遣い幼女だから。


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