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 目が覚めた。

 知らない天井と言えなくなってきた天井だ。ここはロッドさんの小屋。

 まだ明るい時間帯。

 周りをきょろきょろすると、壁際に、私の剣と盾が立てかけてあった。盾が立てかけて……ダジャレではない。

「ミチェのでしゅ!」

 ベッドから飛び降り、前のめりになりすぎてすっころび鼻の頭を床にぶつける。当然痛くなどない。

「剣だ、剣だ、剣だ!」

 嬉しいなぁ!

 剣を持って踊りだす。もはや、幼女の精神が押さえられないのではなく、前世大人の刀剣女子までもが興奮が押さえられない。

 じっくりと、剣を観察する。

「きじょくの子供のれんちゅうには、木剣と木の盾をちゅかうのか……刃をつぶちた剣を使って訓練しゅるのはもっと大きくなってかりゃなのか……」

 なるほど。

 この世界の剣文化に私は触れていると言うことね。

 木刀とは違いちゃんと剣の形になっている。あ、木刀だって、ちゃんとしたやつはちゃんと刀の形してるけど、反り方とかさ。それはさておき。

 両刃がこの世界の常識なのね。

 あれ……?両刃って、表面を斜めに切ってあるのに、つやつやだ。

 磨いた表面だけじゃなくて内部もつやつやにできちゃうってこと?

 なんか、すごくない?磨研スキルって。まだ分からないことだらけだね。

 刀は両手が基本。それは剣道にも現れてるよね。

 剣は種類はあるけれど、定番は片手剣。フェンシングとか片手だよね。

 この木剣も片手用なのだろう。持ち手が短い。

 両手剣の半分くらいだ。こぶし2つ分くらいの長さしかなくて、ギリギリ両手で持てないこともない。

 よく片手剣なのに、場合によっては両手で持って使うみたいな漫画とかあるけど、持ち方が普通に両手剣の持ち方なのずっと不思議に思ってるんだよね。もともと両手剣を普段は片手で使ってるってことかな?

 いや、まぁそんな細かいこと考えながら見る読者なんて……我!刀剣女子の我だ!

 柄頭と鰐も作ってある。るんたたるんたた。

 と、踊っている場合ではない。

 研ぎ師を目指すのだから、剣を振る練習ではなく手入れの練習をするのだ!とはいえ、木剣を研ぐことはできないし、そもそも砥石もないので……。まぁ、磨くしかないよね。

 ポケットから絹のハンカチを取り出す。

 木の剣に絹のハンカチ……かぁ。なんか、違う。

 西洋剣は、最後にオリーブオイルを塗って羊毛で拭き上げるんだっけ。

 羊毛……ウール……。

 そのうち手に入れよう。

 なんかかわりになるものないかな……。

「あった!」

 ベッドに近づき、毛布を引っ張る。

 これ、ウールだよね?毛織物。毛織物の毛はたぶん羊毛……。知らんけど。

 毛布の端っこで、木剣を磨く。

 パフン≪経験値4獲得≫

 お!経験値入った。前に磨いたものでもいいのかな?

 床板から剣に変わったから別の物判定?

 それとも一定の時間が経つとリセット?汚れるたびにとか?

 もう一度剣を磨いてみたけど経験値は入らない。

 盾も磨いてみた。

 パフン

≪経験値4取得≫ 


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― 新着の感想 ―
肌を磨いてほしい(о´∀`о)ツヤツヤのピッカピカになりたい……
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