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 うおうっ!

 目が覚めた。

 いつの間にか寝ちゃったようだ。寝る前は何をしていたんだっけ?

 ベッドの上でしばしぼんやりする。

「そうにゃ!鶴亀の恩返し!」

 ベッドから飛び降りて、べシャリと転ぶ。

 大丈夫、ミチェは頑丈なので痛くない。

 むくりとおきあがり、バレエをイメージして片足上げてみた。さすがにつま先立ちでは転ぶ自信がある。

 うーん、片足で立つだけで、こんなにプルプルしちゃうなんて、舞い踊るなんて無理なのでは……?

 ガチャリとドアが開いた。

「ん?何だ?」

 しまった!お礼に見せる踊りの練習中なのに見つかっちゃった。感謝の花束をサプライズで用意しているところを見られたみたいな気まずさ……。

「えっと、ちょの……片足で立つれんちゅうでしゅ」

 そう、別に踊りの……バレエの練習をしてたわけじゃないよ?

「おお、そうか。偉いな。体を鍛えるのは立派だな。一緒に訓練するか?」

 ごまかせたけど、一緒に訓練してたら踊りの練習できないよ……。

「今日の訓練はおわりでしゅ」

 足を下す。

「そうか、訓練して偉いな。お菓子食べるか?ご褒美だ」

 ……訓練って言っても、少し片足をあげる練習してただけなんだけどな。褒められるほどのことはしてない。

 と、思っても、目の前にクッキーを差し出されたら。

 ぱくん、もぐもぐ。

「美味しいか?」

「おいちー」

 って、違う、そうじゃない。

 ロッドさんは流れるように私を抱っこして寝室からリビングへ出る。

 歩けるのに。

 ……もしかして、過保護?

 食べさせてくれるし、お菓子くれるし……。

 もしかしなくても、ロッドさんが一番私を赤ちゃん扱いしてない?

「ミチェ、赤ちゃんちがう、自分でありゅく」

 バタバタと手足を動かしすと、すぐに降ろしてくれた。

「すまんすまん、赤ちゃんだと思ってるわけじゃないんだ」

 となると、やはり猫扱いか。

 にゃー。ミチェは猫じゃないにゃー。

 でも、角兎や羽猫も飼ってるし……テイムしてるんだっけ?テイムするにしても、もっとこう、強そうな魔物をテイムすればいいのに、もふもふテイムしてるってことは、間違いなく動物好きだよね?

 ならば、鶴の舞でも鯛やヒラメの舞い踊りでもなく、私が披露するべきは……猫耳つけてのにゃんにゃんダンス。

 保育園や幼稚園のお遊戯会で演じられるようなものなのでは?ねこねこにゃー、ねこねこにゃーみたいな。……よく知らないけどイメージではそんな感じ。

 となると、片足立ちではなく必要なのは猫耳カチューシャ。

 この世界にはないから、作らないと!

 じっと手を見る。

 このスプーンさえグーで握らなくてはいけない不器用な手で作れるだろうか?

「どうした?」

「なんでもないでしゅ」

 顔をあげると、リビング……と呼ぶことにした部屋の様子が寝る前と違う。

「みんにゃ、いにゃい……」

 角兎も羽猫もサーベルフェンリルのルーナちゃんもいない。

「ああ、狩りに出てる」

「ちゃっき熊のとかとってきちゃのに?」

 なんだっけ。熊とか蛇とか鼠とか、魔物の名前。

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