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 ダッシュでウサギの角をひっつかむ。

 角刃っていうのもあるくらいだから、角も刀剣!いやまてよ?鹿の角ならば刀を飾っておくための台……。

 なんでもいいや、角も磨くべし!

 スキル磨研発動!

「ふおおお!真っ白でぴかぴかでち」

 ちょっと曇っていたけれど、磨いたら雪のように白くなった。

 満足げにふぅと息を吐き出すと、またパフッとちょっと気の抜けた音がする。

≪経験値4取得≫

 おお!経験値ゲットだぜ!

 次、次のターゲット。

 ギラギラした目で見回すと、羽猫と視線が合った。

 ……羽は磨けないよな。

 と、視線をプイっと逸らすと、羽猫ぱたぱたと飛んできて私の目の前に座って、前足を差し出してきた。

 にゅんっ爪を出して。

「ちゅめ……磨くの?」

 と尋ねると、羽猫がにゃっと小さく答えた。

「かわいいーっ!」

 羽猫をぎゅっと抱っこしてもふる。

 ずっともふりたかったんだけど、高い場所にいて手が届かなかったんだよね。

 羽猫は逃げもせずおとなしくしている。

「後で、ロッドにーたんに、お名前きかなくちゃ」

 名前で呼びたい。

「にゃ」

 しばらくもふもふしてから、爪を磨く。

 爪刀っていうのが世の中にはあってだな、つまり爪も刀。研ぎ師の出番なのだ!

 小さくて磨きにくいけど、レベル上げのために頑張るのだ!

 前足と後ろ足、4つの足の爪を磨き上げる。

 小さくてあんまり綺麗になったか分からないなと思ったものの、スキル磨研発動と思いながら磨いた結果、無事に経験値4を手に入れた。

 うーん、牙2本、角1本、爪4足……どれも得られる経験値は変わらないのね。

 あと、磨けるものはないだろうか?

 顔をあげると、サーベルフェンリルが私に前足を差し出してた。

「ありぇ?爪も磨かせてくりぇるの?」

 うんうんとサーベルフェンリルが頷いた。

「んじゃ、磨くね~」

 サーベルフェンリルの爪は羽猫の何倍も大きくて磨きやすい。

 あ、馬くらいの大きさでも、蹄じゃないんだね。猫のように獲物を狩るための鋭い爪だ。

 ごしごしきゅっきゅと磨くと、つやつやの爪の出来上がり!

 パフッ。

≪経験値4取得≫

≪レベルが上がりました。レベル1→レベル2≫

 ふおおお!

 レベルが上がった、レベルが上がった!

 両手を上にあげて、くるくると喜びの舞を踊る。くるくる回りすぎて目が回って床にぶっ倒れた。

 どうなったのかな。確認しよう。

「ちゅーてーたちゅオープン」

 ……出ない。

「ちゅてーたちゅオープン」

 言い直した。

 言い直したけど、さしすせそがうまく言えない!幼女の口では、さ行が……!

 ステータスオープン!どうだ、心の中なら言えるさ。

 出ない。

 あれ?

 ……よーく思い出してみよう。

 私がスキルを確認したとき、……ついでにと家族もスキルレベルが上がっているかどうか紙にふれて確認していたではないか……。

 つまり、ステータスを確認するには、道具を使わないといけないってこと……なんだね。

 ああ、あとは詳細鑑定してもらうとかいう言い方もしてたから、鑑定魔法みたいなのがあるってことかな。

 残念っ!ステータスが見れなくて残念。

 だけど、経験値が入った時とレベルが上がった時に通知されるのは嬉しい。楽しい。やりがいがあるわね!あるわね!

 ぐふふふ!

 よし、他にも磨くぞ!

 何を磨こうかな?

 ……磨くと言えば……。

 銀食器?

 そうだ、銀食器!

 スタンと立ち上がって、部屋の奥の台所へ向かう。

 土間にかまどがあって、水ガメと調理台と洗い場。食器類は洗い場の横のかごに入っていた。

 あとは棚にもごちゃごちゃの並んでるけど……。

 木の器に木のスプーン。

「だよねっ!」

 知ってた。ミチェ、脳みそ大人だから。銀食器を使うような家じゃないの、分かってた。


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― 新着の感想 ―
鏡があったら自分の歯とか磨けたのかなあ 自分が磨けるか手足の爪から試してみる? または鍋とか
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