IMAWANOKIWA
1
はじめましてootanisan_0393と申します。いよわ様のIMAWANOKIWAを個人的な解釈で小説化しました。
私はあの子に執着していた。
あの子を天使と尊び可愛がった。
私はあの子と一緒にいるだけで幸せな気持ちになった。
実際なんでそうなのかはわからないけどたぶん私はあの子のために生まれてきた。そういうことだと思う。
でも幸せは長くは続かなかった。
私の前からあの子が消えたのだ。でも実際あの子はいつ消えてもおかしかったのだ。そう思うほどには私は苦しくなった。神様を恨んだ。
私は太陽が嫌いだった。憂鬱にさせる太陽が憎かった。太陽が昇るたびにあの子がいなくなったことを実感してしまう。
でも私は見たのだ。それが窓越しでも、結露がかかっていても分かったのだ。
あの子が天使として現れたところを!
白い翼をはやして、まるで私を抱きしめるかのように手を広げていた。
私を盗むかのようなきれいな瞳をこちらに向けていた。
あの子が気落ちしていた私の心をすべて盗んでいった。悲しみは忘れた。
一緒にいたい。
ただそれだけしか頭には浮かんでこなかった。でも私はわかっていた。あの子はもういない。そんな事実から目をそらして私はあの子を抱きしめる。
暖かった。
ヘイローから甘い香りが漂ってくる。
しばしあの子をじっと見つめていた。
眩いほどきれいな瞳。
笑うたびにあふれ出る可愛さ。
少しにやけてしまった。
でも笑ってはいられなかった。
この子についている、背中から生えている白い白い翼。それを見るたびに私はあの子がいなくなったことを知らされる。あの子には翼なんて生えていなかった。ヘイローなんてついていなかった。そして翼やヘイローはもうここにいない者たちにつく言わば特典。
涙が頬をつたっていった。
この子と過ごして少し経った。私と社会の距離はどんどんと遠のいていくばかりだった。何せ翼をはやし、ヘイローを付けた子と過ごしている人などまともじゃあないんだから。そんな生活を支えてくれたのはこの子だった。
それでも、この子を見るたびに、私の脳に永遠に残るであろうあの子との生活を思い出してしまう。これでとうとう社会との拒絶を迎えた。私もボロボロになっていった。
そして一つの思いを持つようになった。
「あの子のもとへ行きたい。」
ふと私はバルコニーへ目をやった。この子が私のもとへやってきたのもバルコニーからだった。そしてあの子がいなくなったのもこのバルコニーなのだ。
重い体をバルコニーへ移す。そして手を伸ばしてみる。あの子に触れられるような気がした。
この子をふっと見た。どんな顔していたかまではわからなかった。
泣きそうな顔をしていたかもしれないし、笑っていたかもしれない。
でも今から本当のあの子の顔を見に行ける。そう信じて私は飛び立っていった。
その時私はあの子に会えるのがうれしくてうれしくてたまらなかったんだろう。
たぶん今この子と一緒に過ごしたところでは煙が二つ揺らいでいる。私とこの子が会えた証拠を残すことができた。
嬉しくてたまらなかった。
今後詳細部分を変更していく場合がございます。