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111ーギルドに行った

 ルシカとイオスが、倒したワームをマジックバッグに収納していく。カエデもモグラの魔物を収納している。


「ハル、最後のは火属性魔法の中級か?」

「分かりゃん」

「そうか、分からんか。アハハハ」

「りひと、剣カッケーな」

「そうか? カッケーか!」

「ん、しゅげー。じーちゃんもおりぇとは威力がちげー」

「アハハハ、そりゃハル。じーちゃんの方が何千年も長く生きておるからな」

「しょっか……」

「カエデ、どうだった? 怖くなかったか?」

「リヒト様、怖くはないけど。自分はまだまだやわ」

「そりゃそうだ。今日が初めてなんだからな」

「そうだよ、カエデ。初めてにしては上出来だ」

「イオス兄さん、また教えてな」

「おう、ビシバシいくぞ」

「望むところや!」


 一行が坑道から出てくると、ロマーティとシオーレが待っていた。


「ご無事で。お疲れ様でした。もしかして何頭もいましたか?」

「ああ。5m程のが1頭と、あとは2〜3mのが3頭だ。奥に巣を作っていたから焼いておいた。もう大丈夫だ」

「リヒト様、皆様、ありがとうございました。では、冒険者ギルドへ参りましょう」


 ロマーティとシオーレが先導する。


「じーちゃん、なんれ冒険者ぎりゅろに行くんら?」

「討伐した魔物を引き取ってもらって換金してもらうんだ」

「おお!」

「ギルドから正式に討伐完了を公表してもらう意味もある。そうしないと坑道には入れないからな」

「しょっか。しょりぇかりゃ、おりぇとかえれの剣か?」

「そうだな。帰りに工房へ寄ってみるか?」

「うん!」

「ハル、よっぽど欲しいんだな?」

「ん、らってりひとといおしゅも剣かっけー」


 そんな呑気な話をしながら冒険者ギルドに入って行くと、一斉に注目を浴びた。なんせ、突然入ってきた見目麗しいエルフのご一行だ。むさ苦しい男臭い冒険者ギルドには、超場違いだ。


「2階にご案内致します」


 ギルドの受付にいた女性が慌ててリヒト達を案内しようとする。


「先に討伐した魔物を出しておきましょう」


 ロマーティが受付嬢を引き止める。


「あ、申し訳ありません。そうでした。では、あちらの奥から裏に出ますので」


 なんだ、受付のお姉さん。テンパってんのか? 顔が赤いぞ。いや、耳まで真っ赤だ。


「こちらにお願いします」

「ルシカ、カエデ、頼む」

「はい、リヒト様」

「えっと、ワームも出して良いのですか? 大きいですよ?」

「エルフの兄さん、そんなにか?」


 奥から作業用のエプロンをつけた男性が声をかけてきた。


「はい、5mと2〜3mが3頭ですね」

「えッ!? そんなにいたのか!?」

「巣を作っていたぞ」


 リヒトが説明する。


「マジかよ……すまない、兄さん。奥に頼む」

「はい、分かりました」


 ルシカが男性の後を付いて行く。


「えッ!? 何頭いるんですか?」


 受付の女性がカエデに聞いている。


「え? 緑が9頭に赤が3頭や」

「そんなに……!?」

「はい、これで全部や」


 カエデが討伐したモグラを全て出した。それだけで既に置く場所がなくなってしまっている。

 ルシカが入って行った奥の方から騒めき声が聞こえてきた。


 ――マジかよ……!?

 ――あり得ねー!!

 ――こんなデカイの……!!

 ――洒落んなんねーっての!!

 ――見ろよ! これなんて真っ二つだぜ!


「じーちゃん?」

「ああ、デカイのが複数だから驚いてんだろ」

「ふぅ〜ん……」

「お待たせしました」


 ルシカが奥から戻ってきた。騒ぎをよそにしれっとしている。


「で、では、2階にご案内します」


 緊張気味のお姉さんに、応接室の様な部屋に通された。リヒトと長老がソファーに座り、ハルは長老の膝の上だ。ルシカ達は後ろに立って控えている。


「お待たせ致しました。私が当ギルドのギルドマスターです。この度は討伐を引き受けて頂きありがとうございました」


 むさ苦しい髭面のおっさんが、丁寧に挨拶をして頭を深々と下げた。ゴツイ身体を無理矢理曲げている。


「私は皇族でベースの管理者をしているリヒト・シュテラリールだ。こちらが我が国の長老だ」

「ベースの管理者殿に長老殿ですか!? いや、本当に助かりました。我々では傷付ける事さえできなくて本当にお手上げ状態だったのです」

「毒の煙幕を吐くからな。耐性か毒対策がないと無理だろう」

「はい、討伐に出た者は皆毒に侵されて逃げ帰るのが精一杯で」

「奥に巣を作っていたからそれも焼いておいた。もう安全だ。採掘可能だぞ」

「ありがとうございます! 職人達が喜びます! もう、どうすれば良いのか途方に暮れていたのです! ありがとうございます!」

「失礼致します。討伐して頂いた魔物の換金分をお持ちしました」


 リヒト達の前にドドンと金貨や銀貨の入った袋が3つ置かれた。ハルにはそれがどの程度の価値があるのか分からない。が、かなりの金額である事だけは袋の大きさで理解できる。


「これは正規の換金分と、こっちは国と鍛治師協会からの報奨金です。お受け取り下さい。本当にありがとうございました」


 そして、ギルドから出て職人街へ。ハルとカエデの剣を作ってもらう為だ。


投稿遅くなりました。申し訳ないです!

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