誘拐されました②
「さあ捕まえたぞ」
男の腕が伸びてきた。もうダメだ逃げられない.....助けて栄仁......。
その時誰かの叫び声が聞こえた。
「なんだ!?」
奥から男達が倒れて行くのが見える。
現れたのは、会いたかった栄仁だった。
「栄仁......!!」
栄仁は私の近くにいた男を投げ飛ばすと、私の元に来てくれた。
「栄仁、ぐすっ......栄仁、怖かったよ〜」
ぐすぐす泣く私の腕の縄切って、抱きしめてくれた。
「アカリ。もう大丈夫だ。よく頑張ったな」
ホットしたのも束の間、
「おい、勝手に商品に手をだされると困るんだけどなあ」
ぞろぞろと私を捕まえてた男達が刀を取り出した。
栄仁は帽子を脱ぎ、私に深く被せると
「そのまま目を閉じていろ」
といった。栄仁は短刀しか持っておらず、こんな大人数相手ではさすがに......
「栄仁......!」
不安になって思わず呼んでしまう。
「ばーか、目を閉じてろって言ったろ」
私の頭にポンと手を乗せ、微笑んでいた。
それと同時に後ろから男たちが向かってくるのが見えた。
「うぉりゃーーー!」
思わず目を閉じて、身を縮める。
静かになって目を開けると、男たちは皆倒れていた。
「アカリ、遅くなってごめんな。無事でよかった」
私は栄仁の胸でわんわん泣いた。
暫くして落ち着いてきた私を栄仁は抱き抱えた。
これは、いわゆるお姫様抱っこというやつでは...!?
「あの、え、栄仁......私歩ける......」
「その足で何言ってるんだ」
森を素足で走り回っていたため、足が傷だらけで血が出ていた。今まで必死だったため気づかなかった。
「栄仁、助けに来てくれてありがとう......。あと、私ね、栄仁に出会って強くなったよ。前の私だったらここまで逃げることなんて出来なかった。だから、本当にありがとう」
その後、私を捕まえてた人達は大きな刑務所がある島に運ばれていった。




