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裏切りの…?

裏切った男の友人は

作者: ようせゐ

お久しぶりです

このシリーズはこれで終了となります!


あいつに初めて会ったのは、10歳の時だ。

俺は王太子の従者を決めるお茶会に渋々参加していた。

今では親友といっても過言じゃないわけだが‥

俺は最初、あいつの事を苦手だった。


◇◇◇

お茶会


あいつが王太子…あの笑い方、気持ちわりぃな。

別にわざわざ従者になることはねぇし、最低限のあいさつだけでいいか…

は…?今、目が会った?この距離で?

そんな訳ねぇ…よな?


◇◇◇


「息子よ、お前が従者に選ばれるそうだ」


「は…?」


目があったように感じたのはどうやら気のせいじゃなかったらしく俺は従者に選ばれた。


◇◇◇


最悪だ、俺は従者なんてなりたくなかったんだよ。

そう思ってたが意外とあいつは良いやつだった。


「お前何してんだ」


「え?仕事だけど」


まだ幼い体でただ仕事をこなし続けるさまは、ただ痛ましかった。

幼い俺でもそう思ったんだからあいつはもっとおかしかったんだろう。


◇◇◇


俺はある日からアイツを出会う度に外に連れ出した。

大人にやめるよう言われたとしてもお構いなしだった。


「なんで僕を連れ出すの?」


「お前が可愛そうだから」


言われた意味を理解できなかったらしく、あいつはずっと考え込んでいた。


◇◇◇


「婚約者ができたよ、とってもいい子だった」


珍しく上機嫌なあいつに少し安心したのを覚えている。

安心なんてしてはいけなかったのに…


◇◇◇


成長し、色々なことを知って来たある日俺はあいつに聞いた。


「なぁ…まだ…女を殺したいって思ってるのか?」


「うん、僕が女を嫌いな限りこれは治らないだろうね」


「まぁ…母親がやばいやつだったからしょうがないか…

 もしかして…婚約者の女もか?」


「いや、あの子のことは…好きだよ…」


「よかったじゃないか!

 それなら、殺したいって思わないんじゃ…」


「違うんだ…好きだからこそ…」


「まさか…好きでも、殺したくなるのか?」


「…だから、婚約破棄をすることにしたよ…もう、計画は立ててある

 それには君の力が必要なんだけど、手伝ってくれる…かな?」


◇◇◇


「なんであんなやつに近づくんだよ!?」


「…あの女は親が横領をしてる…

 それを解決するついでに、彼女と婚約破棄する足がかりにする」


って事はこいつ、自ら失脚するつもりか…?


「そうか…でも…それはどうやってだ…?」


「あの女を彼女がいじめていると言って来るはず…そのときに…」


「俺も、手伝う…」


「…ありがとう、これは彼女があの女をいじめていない証拠だ。

 これをどう利用するかは…君が決めてね」


「っ…わかった…絶対にやり遂げる」


◇◇◇


それでも俺はアイツ(王太子)を裏切り切れずに俺が聞いた真実を話した。

これでフェアだろ?俺は裏切りが一番嫌いなんだ。


「っ…誰か僕を止めて」


いつもより幼い、素直な懇願の声…

あいつの目は真っ赤に染まりその言葉と裏腹に狂気を宿していた。

刃物、あれで刺すつもりか…どうやら呪いが体の芯まで進行してきたようだな?


「なぁ…お前のそれはどうしたら治るんだ?」


答えなどなく、俺の攻撃を受けたあいつは倒れ込んで動けなくなっていた。


「あり、がと…」


くそっ…胸糞悪い、俺は本当に駄目だ。

友人一人助けられずにレルフェ令嬢も怖がらせた。


「ごめんな…」


何に対して呟いたのかはわからなかったが何か謝らければならないことをしたのは分かっていた。

レルフェ令嬢は唖然としながら元王太子…ローリスを見つめただ悲しそうに顔を歪める。

あいつはこれから幽閉されるのか…


「オルフェ…大好きだよ」


スヤスヤと安らかな顔で眠る、あの優しいローリスがさっき殺人を犯そうとしたなんて思えなくて…


「ローリス…あなたはどうして私を突き放したの?」  


そうしてレルフェ令嬢が触れようとしたとき、ローリスはあっという間に飛び起きると彼女を避けた。


「…レルフェ公爵令嬢、貴女は僕に近づくべきではない」


淡々とした事務的な声は感情を押し隠すローリスを思い出させ、俺は悲しくなった。

こいつにここまでさせてよく友達だなんて言える。


「ローリス!お前はこれからどうするんだ?」


レルフェ令嬢を庇い立つとあいつに声をかける。

まぁ、返事なんてなくただの


「大人しく幽閉されるよ、でも…」


「なんだ?願い事なら聞くぞ」


そう言うと、ローリスは願う資格はないと言わんばかりに優しく笑いながら首を振っていた。


「呪われた僕は大人しくできないから縛って貰うけど」


「なっ…そこまでしなくとも良いでしょう?」


レルフェ令嬢が思わず口にした言葉に対して笑顔を貼り付ける。


「いいかな?今の僕は元王太子であり罪人だ…」


言うことを聞かない幼子に教えるように優しく、ただ現実を突きつける。

…お前らしいよ、でも…限界なんだろ?

見るからに消耗していってるじゃないか…


「レルフェ公爵家の令嬢を傷付けようとした…」


「ですがそれは!」


レルフェ令嬢も、アイツのことが好きなんだよな?

知ってたから諦めたんだ、なのにお前は…


「僕はそれ相応の罪を負うべきだ」


そう告げると、ローリスはそのまま衛兵によって連れられる。


「お待ちなさい!」


「令嬢、彼にあまり近づかないほうがいい」


それはあいつの決意を踏みにじるようなことだ。


「ローリス…」


ああ、こんなの誰も幸せにならない…

ローリス?今回ばかりはお前の決断を責めてやる。

絶対に許さねぇからな…

お前なんかに、レルフェ令嬢は譲らねぇ…


「国王陛下、あの人を助けることはできないのですか?」


「…愛した女性と嫌いな女性を殺したくなる呪いだ」


「…」


「ローリスは、全ての女性を嫌い…そしてお主を愛してしまったのだ」


「そんなこと…」


「助けることはできん、儂には呪いを解く方法がわからないからな」


「方法を探してまいります」


「…許そう」


「ありがとうございます」


というわけで呪いを解く旅に出る展開…

これから助かったのかそうでないのかは皆様のご想像におまかせします。

(もう疲れて気力がないです…)

それではあなたの小説生活に幸があらんことを!

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