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脳筋悪役令嬢は脳筋でした

作者: ユユ

乙女ゲーム『乙女の祈り』の世界観のはずです

設定が甘いところはゆる〜く見てください

(わたくし)、エナント伯爵家の長女、ルルージュといいます

今日は卒業パーティーのはずでした


なぜ()()()()()なのかって?


それは、我が国の王子アルト様が婚約者である筆頭公爵令嬢のミミリー様を婚約破棄している()()だからです


「ミミリー、只今よりお前を断罪する」

「殿下、理由を説明してくださいな」

「とぼける気か!おまえは、ここにいる男爵令嬢、エミリアをいじめただろう!」

「うぅ、アルトォ私、辛かったですわぁ」

「エミリア、大丈夫だ!」


殿下の腕の中にいるのはルート男爵家の庶子エミリア様

いえ、『様』なんて付けるべきではありませんね

エミリアで十分ですわ

とにかく、見た目だけのマナーもなってない嫌悪恥な令嬢ですわ


「詳細に。何月何日、どのようなことをしましたか?」

「…ええぃ!うるさい!今から真偽の確認のため、正義を確かめるのに、【聖天の誓い】を行う!ミミリー、一体一だ!さっさとかかってこい!」


「「「…」」」


【聖天の誓い】は、真偽を確認するため神の名において行う…簡単に言えば『決闘』ですわ

あぁ、ミミリー様可哀想に



ミミリー様はとても細い腕をしてますの

綺麗な金髪に凛とした静かな凪のような透き通る水色の瞳


エミリアは確かに顔はいいです


そこは認めます

ですが、エミリアが絶世の美女だとしたらミミリー様は地上に舞い降りた天使。いえ、女神様ですわ

今にも消えてしまいそうなほど儚いのです


対して殿下は190越えの屈強な体ですし、去年の剣術大会で優勝しています


ミミリー様では勝ちようがありませんわ


…殿下、わざと自分に有利なことを選びましたわね


「…殿下、【聖天の誓い】とはなんですか?」

「ミミリー、そなた、知らないのか?」


流石の殿下でも知っているのにミミリー様ったら

座学はとことん出来ない方ですものね











あら?どうやって進級して来たのかしら?

座学は出来ないのに?座学ではなかったら実技しかありませんよね?


ミミリー様は()()()()()()使えないはずで…


残りは…剣術?


あれ?おかしいですわね

剣はあの小さな身体では使えないはずで…


ん?



「はぁ〜、いいか?【聖天の誓い】とは、神に誓い、剣術で決闘して勝ったものが正しいという我が国伝統の催しだ」

「なるほど!剣で勝てばいいのですね!では、早速やりましょう!」


ミミリー様、流石に短略し過ぎですわ、、


「ミミリー、そなたドレスだぞ?せめて着替えたら…」


バカな殿下もそこは考えられるのですね


「問題ありませんわ!さっさとやりましょう!」


ミミリー様…

いくら負けが決まってるからってそこまで自暴自棄にならなくても、、


「あ、ああ。分かった!」

「では、剣をくださいな」

「…」

「殿下?」

「はっ!おい、剣を二本持ってこい!」


ミミリー様、ご愁傷さまです

私ではどうにもなりませんわ

申し訳ございません

どんな結果になろうとも私は味方ですわ


「では殿下、いきますわよ?」

「ああ、いつでも…」





カランッ





「…いいぞ?」



は?

今のは?

殿下の剣が飛んでミミリー様は殿下の首に刃を向けてる?



ミミリー様の、勝利?


「殿下、私の勝ちですわ!私が正しいですわね!それでは失礼しま…」

「待て!あ、ありえぬ!お前は今何をしたのだ?」

「?殿下の剣を飛ばしました」



??殿下の剣を飛ばした?




「「「は?」」」←殿下とその他の貴族


「そ、そんな事、出来るわけないだろ」

「私、座学は出来ないし、魔法も使えないので今まで剣術一本で進級して来たのですわよ?」


ああ、なるほど。そうやって進級して来たのですわね





って!ミミリー様のほっそい腕で?おかしいですわ!


「は?おまえにできるか」

「そう言われても、これが事実ですわ」

「もう1回だ!」

「わかりましたわ」



ボキッ

カラン



殿下の剣が折れて落ちました

私、幻覚を見てるのかしら?疲れているのね


「あら?手加減できませんでしたわ。申し訳ございません。私が未熟でした」

「…」


未熟?これが?コレガ()()()()デスカ?


「負けたのか?この私が?」

「これが結果ですわ。婚約破棄はしません。皆様、お騒がせしました。続きをお楽しみください。ではごきげんよう」


ミミリー様はさっさと出ていってしまった


ミミリー様が勝って、殿下が負けた


「アルトォど〜したの?なんで剣を折られているのぉ?勝って私を王妃にして下さるんでしょぉ?ね!アルト!」



「負けた。負けたのだ…」


殿下…認められたのですね…


「何の話しぃ?アルトは強いから勝てるんでしょぉ?」


エミリア、うるさいですわ!その言葉遣いを治しなさい!


「いや、すまないエミリア。私には勝てぬようだ。側室で我慢してくれ」


「おかしいわよ!ここで勝ってミミリーは退場死刑になるのよ!私はヒロインよ?王妃になってみんなに愛されてハッピーエンドのはずじゃない!ここは『乙女の祈り』の世界よ!私のための世界よ!なんで思い通りにならないのよ!おかしいじゃない!」


ひろいん?はっぴーえんど?


急に何を言っているのか分からなくなりました

エミリアは狂ったようです





それよりも、ミミリー様は強かったです。私、心を奪われてしまいました


周りのご子息やご令嬢も頬を染めてます




後から知ったことですが、ミミリー様はこの国の騎士団長にも勝ち、S級冒険者にも圧勝していたようです


ミミリー様…


素敵な方ですわ…






読了ありがとうございます

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