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3話―改正か―

「ただの時代遅れの馬鹿ですね。」

それが水原の第一声。舌先刃物だ………

「ふっ………確かにそうかもしれんな。熱く燃え上がることなんて

 古い考えなのかも知れんな………」

フッ、と武士が目を閉じようとした瞬間────

「軟弱者がぁ!」

小冬部長の右トルネードストレート(?)が顎を貫いた。

「アゴッ、」

白目をむいて倒れる武士。あ、目が……

「お前が私たちに依頼したのだろう!?お前が弱気でどうする!

 お前の心の強さでっ!……この部活を立て直すんじゃなかったのか!!」

ちょっとタイム部長。めっちゃいいこと言ってるけど

武士気絶してますから……聞こえてませんけど……

「どっせーいっ!」

愁兎の声が剣道部ロッカーから聞こえてきた。

次の瞬間。剣道道具一式が投げ出された。


ガチャガショガシュン……


「ああっ!てめえ何しやがんだ!」

金髪が怒鳴る。

やはりな・・・・………」

部長が低く言った。

「やっぱりお前ら。 剣道好きなんだろ」

「な、ん、なわけねぇだろうが……!」

「じゃあ!   じゃあ何故お前は放り出された道具に反応した?」

悪役風に口の端を吊り上げる部長。

ここからは部長のターンだろう。

ドローはしないが。

「剣道。やりたいんだろう?好きなんだろう?」

「そ、そんな……わけ。」

金髪が言いよどむ。

後ろに控えているそのほかの剣道部員も、下を向いている。

「お、俺には才能がねぇんだよ!」

瞳が揺れている。

「何をしようが中途半端。試合にも勝てない。しまいには親にさえ

 やめろといわれる始末。どうしろってんだよ!」

結果には理由がある。何も理由が無いのに行動を起こすものなどいない。

理由を変えられるのなら。支えるのなら。

どんな結果にだってなる。

「才能が無いなんてものは無いっ!」

ぶ、武士が生き返った……

これは蘇りし最強の武士と名づけるべきか……

「才能?そんなものなど存在しない!そんなものに悩むのなら練習をしろ!

 己の道を探し出し!進んでこそだ!」

武士の目つきは鋭く、そして真剣なものであった。

夕日が剣道場内を照らす……

「俺は………待っているからな。いつまでも。」


これ以上救部が関与することも無いと思い、俺たちは部室を後にした。
















「ああ、折角の部長の手柄があの古き日の遺産に取られてしまいました。」

「水原。それ誰のこと言ってんだ?」

小さい突っ込みはさておき。なんだかすがすがしい気分だ。

「そう。これでよかったんだ。部長の私としては満足だ。」

いつになくうれしそうな部長だった。

「お人好しは早死にします。」

キツイ言葉だな。場の空気が一気に下がった気がする。

「はは〜 水原はよく姉貴に言えるなぁ」

何故か竹刀を持っている愁兎。後で返してこさせよう。

「うるさいゾウリムシ。少しは働けこのグズがー と鳴川 春希が言ってました。」

「言ってねぇけどな!」

「とりあえず今回何もしてなかった鳴川 春希にタバスコを飲ませようと思います。」

「やめい!」

さっ と水原はタバスコを取り出す。

「しかも常備してんのかよ!」

1番の悪役はコイツではないかと疑った。

「そういやーさ、姉貴。あいつ来てないの?」

あいつか………、来てなかったなそういや。

「今回はシカトさせてもらった。馬鹿だから。」

馬鹿だからシカトですか。世の中も冷たくなたモンですね。

まぁ、確かにあの雰囲気であいつがいたら……間違いなく場壊しだな。

「にゃ〜〜〜〜が〜〜とぅ!」

ダダダダダダダ、と奇声(たぶん違う)とともに走り迫ってくるあいつは……

「来たか。」

「来たなぁ。」

「来ましたね、馬鹿が。」

「………」

それぞれが言葉を発するも、俺は何もいえないでいた。

そして変人?登場。

「みんなひどくないか!?この僕をほうっておくなんて!」

いきなりあらわれてのこのテンション。


ピシュン!


「いぎゃぁぁぁぁぁ!目ガッ!めがぁぁっ!」

赤い液が変人?の目の中に入った。

振り向くと、スポイトを持った水原がいた。

「変人さんは嫌いなのです。というか変態さんですあなたは。

 私の半径10000000000km以内に入らないでください。」

もともと男子を嫌っている水原だ。変態は何かしでかしたんだろう。

「ふはっ、ふははっ!ふはははははははあ!この須川すがわ 竜児(りゅうじ

 タバスコ弾ごときに負けるわけがなかろう!」

目を真っ赤に染めながらジリジリと水原に詰め寄る。

「う……くらぇっ」


ピシュン、ピュー


「ふはは!ヒィ────ハァ─────!」

詰め寄るスピードはまったく変わらない。

「どうしてやろうかなぁ、コイツ……ククククク、うまそうだ…」

手を忙しなくかつ、いやらしく動かしながら迫る迫る迫る!

間違いなく危ない!こいつの変態レベルに換算すれば果てしなく危ない!

描写できるものがなくなってしまう!というか打ち切りだよこの野郎!

「救部をっ…………汚すなぁっ!」

部長の3段旋風脚(部長はハリケーンと呼んでる)が須川にもろヒットした。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!バ○ス!」

ことごとくぎりぎりのワード出すなぁ……コイツ。

破滅の言葉かよ。

「部長、こいつ死んだんじゃないですか?バ○スとか言ってたし……」

「何を言っている。バ○スといったからって死ぬわけじゃないぞ、城が壊れるんだ。」

「OUTです部長。自重してください。」

「む、流石にここまではアウトか。」


ふと奴を見るとタバスコのせいで目から血を流しているかのように見えた。

「カオスだ……」

いや、実際流していたのかもしれない。




これが救部の部員最後の1人─────須川竜児だ。














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