表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々史記  作者: ンバ
第八十六 刺客列伝
9/274

豫讓 二、天下後生よ、義士とはかくあるべし

8.

居頃之,豫讓又漆身為厲,吞炭為啞,使形狀不可知,行乞於市。其妻不識也。行見其友,其友識之,曰:「汝非豫讓邪?」曰:「我是也。」其友為泣曰:「以子之才,委質而臣事襄子,襄子必近幸子。近幸子,乃為所欲,顧不易邪?何乃殘身苦形,欲以求報襄子,不亦難乎!」豫讓曰:「既已委質臣事人,而求殺之,是懷二心以事其君也。且吾所為者極難耳!然所以為此者,將以愧天下後世之為人臣懷二心以事其君者也。」


(訳)

それからしばらくして

豫讓はまたも(復讐を為さんと)

身に漆を塗って病気を装い、

炭を呑んで口を利けなくして

形状(声や見た目)で

本人だと悟られぬようにしてから

市に行き、乞食のふりをした。


豫讓の妻ですら

この事を知らされていなかったという。


が、豫讓は行く先で友人と出くわして

正体を見破られてしまった。


「汝は豫讓ではないのか?」


と友人が訊ねたので、

豫讓は「いかにも、私だ」と答えた。


友人は豫讓の為に涙ながらに述べた。


「子《君》の才を以ってすれば、

質を委ねて(贈物を捧げて)

趙襄子ちょうじょうしに臣従を申し出れば、彼は

必ずや子を近づけて寵愛するだろう。


そうなれば、欲しいままに

(復讐を)為すことができるだろうに。

その方が容易いのではないか?


どうしてかくも

身を損ない、苦しめてまで

趙襄子に報讐しようとするのだ。

却って(復讐を)困難に

しているではないか!!」


豫讓は言った。


「質を委ねて人に事えておきながら

それを殺そうとしては、

事える君に二心を抱くという事だ。


吾の為さんとしている事は極めて難しい。


それでも、こうする事によって、

天下や後生において、人臣となりながらも

二心を抱いて主君に事える者たちに

愧赧きほうの念(恥じ入る気持ち)を

抱かせてやりたいのだ」



(註釈)

かっけぇえええ!!!!


復讐する相手に対しても

不義理な真似はできないんですね。


趙高ちょうこう梁冀りょうき笮融さくゆう秦檜しんかい

豫讓の爪の垢を煎じて飲ませたい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ