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淡々史記  作者: ンバ
第六十七、仲尼弟子列伝
241/274

八十九〜九十四、司馬耕・樊須

□司馬耕

89.

司馬耕字子牛。

90.

牛多言而躁。問仁於孔子,孔子曰:「仁者其言也訒。」曰:「其言也訒,斯可謂之仁乎?」子曰:「爲之難,言之得無訒乎!」

91.

問君子,子曰:「君子不憂不懼。」曰:「不憂不懼,斯可謂之君子乎?」子曰:「內省不疚,夫何憂何懼!」


(訳)

司馬耕しばこうは字を子牛しぎゅう


牛は多弁で、さわがしかった。

孔子に仁について問うと、

孔子は言った。


「仁者はその言になやむものだ」


(牛は)言った。


「言いよどめば、これを

仁者と謂うべきなのでしょうか」


孔子は言った。


「これ(仁)を為すのは難しい、

これを言葉にするのに

訒まずにはおれぬよ」


君子について問うと、

孔子は言った。


「君子は憂えず、懼れぬもの」


(牛は)言った。


「憂えず、懼れなければ、これを

君子と謂うべきなのでしょうか?」


孔子は言った。


「内省し、疚しくなければ

そも何を憂え、何を懼れようか」


□樊須

92.

樊須字子遲。少孔子三十六歳。

93.

樊遲請學稼,孔子曰:「吾不如老農。」請學圃,曰:「吾不如老圃。」樊遲出,孔子曰:「小人哉樊須也!上好禮,則民莫敢不敬;上好義,則民莫敢不服;上好信,則民莫敢不用情。夫如是,則四方之民襁負其子而至矣,焉用稼!」

94.

樊遲問仁,子曰:「愛人。」問智,曰:「知人。」

(訳)

樊須はんしゅは字を子遅しち

孔子より三十六歳年少であった。


樊遅が稼(穀物作り=農耕)を学びたいと請うと、

孔子は言った。


「吾は老農にはおよばぬよ」


圃(野菜作り=園芸)を学びたいと請うと、

(孔子は)言った。


「吾は老圃にはおよばぬよ」


樊遅が退出すると、孔子は言った。


「小人かな、樊須は。

上が礼を好めば、則ち

民は敢えて敬わずにはおれぬ。

上が義を好めば、則ち

民は敢えて服さずにはおれぬ。

上が信を好めば、則ち

民は敢えて実情を用いずにはおれぬ。

そもそもかくの如くなら

則ち、四方の民は襁で

その子を背負って至るだろう、

どうして稼を用いるのか」


樊遲は仁について問うた。

孔子は言った。


「人を愛すること」


智について問うた。

(孔子は)言った。


「人を知ること」


(註釈)

ンバは若さについて問うた。

ギャバンは言った。


「顧みぬこと」


ンバは愛について問うた。

ギャバンは言った。


「躊躇せぬこと」


司馬耕の註↓


司馬耕しばこうは字を子牛しぎゅう

〈【集解】孔安國曰宋人。【索隱】家語云「宋人,字子牛」,孔安國亦云「宋人,弟安子曰司馬犂」也。牛是桓魋之弟,以魋爲宋司馬,故牛遂以司馬爲氏也。[【正義】孔安國曰︰「牛,宋人,弟子司馬犁也。」家語云宋桓魋之弟也。魋爲宋司馬,故牛以司馬爲氏。]〉

孔安国はいう、「宋の人」

索隠によると、家語は

「宋の人、字を子牛」

と云っている。

孔安国もまた、

「宋の人、弟の安の子は

司馬犂という」と云っている。

牛は桓魋かんたいの弟で、

桓魋が宋の司馬となったため

牛は遂に〝司馬〟を氏姓としたのである。

と云っている。

正義によると、孔安国は

「宋の人、弟の子は司馬犂」

と云っている。

家語はいう、

「宋の桓魋の弟である。

桓魋が宋の司馬となったため

牛は遂に〝司馬〟を氏姓としたのである」


【仁者はその言になやむものだ】

〈【集解】孔安國曰:「訒,難也。」〉

孔安国はいう、

「訒は、難である」


仁者とは孔子曰く〝表現し難い〟もので、

伯牛は〝言い淀んでいる〟のを

仁者の十分条件だと思ったって文脈?


【これを為すのは難しい、これを言葉にするのに訒まずにはおれぬよ】

〈【集解】孔安國曰:「行仁難,言仁亦不得不訒也。」〉

孔安国はいう、

「仁を行うのは、難しい。

仁を言葉にするのもまた

訒まずにはおれぬのだ」


【君子は憂えず、懼れぬもの】

〈【集解】孔安國曰:「牛兄桓魋將爲亂,牛自宋來學,常憂懼,故孔子解之也。」〉

孔安国はいう、

「牛の兄の桓魋が乱を為そうとすると

牛は宋から来学してきた。

常に憂懼していたため、

孔子は彼を解きほぐしたのだ」


【内省し、疚しくなければそも何を憂え、何を懼れようか】

〈【集解】包氏曰:「疚,病。自省無罪惡,無可憂懼。」〉

包氏はいう、

「疾は、病である。

自ら省みて、罪悪なくば

憂懼することはない(すべきでない?)」



樊須の註↓


樊須はんしゅは字を子遅しち

〈【集解】鄭玄曰齊人。【索隱】家語云魯人也。【正義】家語云魯人。〉

鄭玄はいう、「斉の人」

索隠によると、家語は

「魯の人」と云っている。

正義によると、家語は

「魯の人」と云っている。


【樊遅が稼を学びたいと請うと…】

〈【集解】馬融曰:「樹五穀曰稼,樹菜蔬曰圃。」〉

馬融はいう、

「五穀をうえることを稼という。

菜蔬をうえることを圃という」


【上が信を好めば、則ち民は敢えて情を用いずにはおれぬ】

〈【集解】孔安國曰:「情,實也。言民化上各以實應。」〉

孔安国はいう、

「情は、実である。

民衆が主上に教化され(?)

実を以て応じる事を言っている」


【四方の民は襁でその子を背負って至るだろう】

どうして稼を用いるのか」

〈【集解】包氏曰:「禮義與信足以成德,何用學稼以敎民乎!負子之器曰襁。」〉

包氏はいう、

「礼義と信は以て徳を成すに足り、

どうして農耕を学ぶ事を用いて

民を教化できよう。

子を背負う器を、襁という」


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