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淡々史記  作者: ンバ
第六十六、伍子胥列伝
202/274

一〜三、伍挙の裔

一 伯夷(叔斉)

二 管仲 晏嬰

三 李耳 荘周 申不害 韓非

四 司馬穰苴

五 孫武 孫臏 呉起


列伝の六は「死人に鞭打つ」の伍子胥ごししょ

生き様も死に様も峻烈な御仁です。

1.

伍子胥者,楚人也,名員。員父曰伍奢。員兄曰伍尚。其先曰伍舉,以直諫事楚莊王,有顯,故其後世有名於楚。

(訳)

伍子胥ごししょは楚の人で、名をうんという。

伍員の父は伍奢ごしゃ、伍員の兄は伍尚ごしょうといった。

その祖先は伍挙ごきょといい、

直諫によって楚の荘王に事えて

顕明となったため、

その後世でも楚に於いて名声があった。


2.

楚平王有太子名曰建,使伍奢為太傅,費無忌為少傅。無忌不忠於太子建。平王使無忌為太子取婦於秦,秦女好,無忌馳歸報平王曰:「秦女絕美,王可自取,而更為太子取婦。」平王遂自取秦女而絕愛幸之,生子軫。更為太子取婦。

(訳)

楚の平王にはけんという名の太子がおり

伍奢を太傅たいふ費無忌ひむき少傅しょうふとしていたが、

費無忌は太子建に不忠であった。


平王は、太子の為に婦人を娶らんと

費無忌を秦に遣わした。

秦の(王)女はたいへんな美貌であり

費無忌は馳せ帰って

平王に報せて言った。


「秦の王女は絶世の美女でございまして

王がおん自ら娶られるべきかと存じます。

改めて太子の為に婦人を娶りましょう」


平王は遂に自ら秦の王女を娶り、

彼女をこの上もなく寵愛したため

子の軫が生まれた。


改めて、太子の為に婦人を娶った。



3.

無忌既以秦女自媚於平王,因去太子而事平王。恐一旦平王卒而太子立,殺己,乃因讒太子建。建母,蔡女也,無寵於平王。平王稍益疏建,使建守城父,備邊兵。


費無忌は秦の王女を以て

自ずから平王に媚び、

この事から太子のもとを去って

平王に事えたのであった。


(費無忌は)

一旦平王が卒して太子が立てば

自分を殺すのではないかと恐れ、

そこで、太子建を讒構した。


太子建の母親は蔡の娘であり

平王の寵愛を失っていた。

平王は稍稍に建を疎んじるようになり

建に城父を守らせ、辺境の兵難に備えさせた。



(註釈)

前の巻に登場した孫武そんぶとともに

呉を強国にのし上げた伍子胥ごししょ

もともと楚の人。


先祖に荘王に仕えた伍挙。

「鳴かず飛ばす」の語源です。

(じっくりと機を窺う荘王を

鳥に例えた言葉)


楚の名族として知られた

伍氏だったが、突如

国家の内訌に巻き込まれてしまう。


【その祖先は伍挙ごきょといい、直諫によって楚の荘王に事え…】

〈【索隱】按:舉直諫,見左氏、楚系家。〉

索隠によると、調べるに

伍挙の直諫は左氏にみえる、

楚系の家。


費無忌ひむき

〈【索隱】按:左傳作「費無極」。〉

索隠によると、左伝は「費無極」と作す。


【建に城父を守らせ……】

〈【集解】地理志潁川有城父縣。【索隱】本陳邑,楚伐陳而有之。地理志潁川有城父縣。〉

地理志では、穎川に城父県がある。

索隠によると、本来は陳邑、

楚が陳を伐ち、この地を有した。

地理志では、穎川に城父県がある。


穎川の父城のことかしら。

馮異ふういがおったとこやね。

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