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曹沫 一、魯の勇士
まずは列伝第八十六、
「刺客列伝」から翻訳します。
曹沬、専諸、豫譲、聶政、荊軻という
肝っ玉の据わった5人の義士たちの物語。
FGOで荊軻を知り、その事績について
勉強したいという方も是非。
全34話予定。
1.
曹沫者,魯人也,以勇力事魯莊公。莊公好力。曹沫為魯將,與齊戰,三敗北。魯莊公懼,乃獻遂邑之地以和。猶復以為將。
(訳)
曹沫は魯の人である。
勇力によって魯の荘公に事えた。
荘公は力のある者を好んだので
曹沫は魯の将に任命された。
斉と戦い三度敗れると
懼れた荘公は遂の地を献じて
斉と和睦せんとし、曹沫を再度将に任じた。
(註釈)
魯の荘公の在位期間は
B.C.693〜662とされています。
名宰相・管仲(管夷吾)が
斉の桓公(姜小白)を
サポートしていた時代。
春秋戦国時代の初期に当たります。
当時の魯は小国であり
隣国の斉に連戦連敗の状況。
この流れを匕首一本で変えた勇士が
曹沫であります。