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荊軻 二、撃剣と書を好みし遊説家
18.
荊卿好讀書擊劍,以術說衛元君,衛元君不用。其後秦伐魏,置東郡,徙衛元君之支屬於野王。
(訳)
荊卿は読書と撃剣を好み、
衛の元君に説いたが
用いられることはなかった。
その後、秦が魏を討伐して東郡を置き
衛の元君の支属を野王に移した。
(註釈)
豫讓編で既に見てきたように
晋国は晋陽の戦をきっかけに
韓・魏・趙の三国に分裂し、
隣国の秦は苦戦を強いられていました。
が、25代君主・孝公の時代に登用された
商鞅の法治政策によって
秦は国力を徐々に充実させていき、
28代君主・昭襄王の代には他の六国を
圧倒する程にまで発展を遂げます。
30代君主・嬴政(のちの始皇帝)の代になると
韓→趙→燕→魏→斉→楚の順で
六国は次々と平定されていき……
若き荊軻はそんな激動の情勢のなか
衛にて官僚となる事を志すも
ぜんぜん取り合って貰えなかったので
すっぱり仕官は諦めて
その日暮らしを始めます。




