聶政 四、壮絶な最期
13.
杖劍至韓,韓相俠累方坐府上,持兵戟而衛侍者甚眾。聶政直入,上階刺殺俠累,左右大亂。聶政大呼,所擊殺者數十人,因自皮面決眼,自屠出腸,遂以死。
(訳)
聶政が剣を携えて韓へと至る頃、
韓相の俠累はちょうど
府上(政庁)に坐しており、
武器を持って侍衛している者も甚だ多かった。
聶政が直接入って行って階を上り、
俠累を刺殺すると、その左右は大いに乱れた。
聶政は大喝して更に数十人を撃ち殺すと
自らの面皮を剥いで目を抉り出し、
腹を捌いて腸を引きずり出すと
ついに死んだ。
(註釈)
わんさか護衛がいるのに
意にも介さず突っ込んだ!
まさか、たったの一人で乗り込んでくる
底抜けのバカヤロウがいるとは
俠累側も夢にも思わなかったんでしょうか。
戦略不要! 戦術無用!!
携えしは一振りの剣と仁義のみ!!
白昼堂々俠累を刺し殺し、
顔の皮を剥ぎ、目玉も抉り出し
腹を掻っ捌いて果てた聶政。
すべては、知己と姉を守るためなのです。
遺体を検査されても
身許が割れないようにと。
言っちゃあなんですが、たった一回、
たった一日の付き合いの男のために
どうしてここまでやれるんだ。
見るも無残な姿となってしまいましたが
なおも何と崇高な姿でしょうか。




