螺旋のぬるめき
黙示録的ムードの漂い、
そのくらい世界の薄皮が剥がれたら、
生きていること、死ぬこと、
男と、女、
遺伝子の舟、マザーシップ、
難破前提の舟出をわれわれはしている、
という。
そのことそのものが隠しようもなく浮上してくる。
ま、
さておき、
息災にしていよう、
コーヒーをのみ、
いぬ、かたわらにし、
本を読んでる、
何故か
ハンニバルの本、
地中海と東京の、
紙の上でつながるさま、
いとあはれ、あるいは、渾々とわきいずる悩みの、
その幻覚のあはれこそは、
ペインキラーであるのを、
わたくしは、ほんとうは、承知していて、
見て見ぬふり。
細く捻れた東京と、細く捻れた地中海との
よりあわされ、あざなわれた、
つらなる糸の先は、しかし、
ぬるぬる
と
ざわめく
蝟集
ひだひだ
と
神
盗む
貴女の
玉門なのだと気づき
見遣る
黙示録。
と
いう
世界。
了。