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とある出来事

作者: 朝倉新五郎

 その日は人生最良の日であり、最悪の日だった


 タカラクジの1等に当選したため、1000万円程を銀行で引き出し終わって帰る途中にそれは起きた。


 「全員動くな!」

 突然銃を構えて3人が入ってきた。


 「客は全員伏せろ!警察には連絡するな!」


 そんなこと言ってもどうせもう通報されてるよ。

 僕はそう思って立っていた。


 すると一人の銃口がこちらを向き「伏せろって言ってるのがわかんねーのか!」


 そうは言われても僕が見る限り犯人たちの持っている拳銃の種類はちょっと見ただけでわかる。

 グロック18にFNファイブセブン、ベレッタM93R。

 日本に数丁も存在しないはずの銃だ。


 僕はもう一度カウンターへ行き「すいませんがあと4000万下ろして下さい」

 そう言って犯人達を無視していた。


 「てめぇ何勝手な事をしてやがる!」

 また脅してくるので僕は説明することにした。


 「その銃はエアガンでしょ?そんな特殊な銃を持てる人間が銀行強盗なんてするはずがないしね」

 出金用の書類に書き込みながら言うと


 「ああ?撃たれたいのかこの野郎!」

 と、また脅された。


 「えーとね、今下ろす金と合わせると5000万になるんだよね、もしその3丁が本物なら俺が買い取るよ。

  それだったら強盗をする必要も無いでしょ?けどエアガンならもう持ってるから要らない」


 そう答えて出金用の伝票を窓口に出した。


 金が引き出され、僕の持ち金は5000万円と少しになったが、犯人達はどうしようか考えているようだ。

 すると一人がもう一丁、今度はリボルバーを取り出した。

 見た限りスミスアンドウェッソンのM29の4インチモデル。


 それを見て「うん、リボルバーとかコルトガバメントなら結構な数入ってきてると思う」

 納得したが

 「それを片手で撃つの?44マグナムなんか素人が撃つと下手すると脱臼するよ?」

 僕は相変わらずカウンターの椅子に座りながら言った。


 「俺なら38口径のリボルバーを持ってくると思うよ?ってことで、もうすぐ警察が来るから逃げるか立て籠もるか決めなよ」

 僕がそう言うと

 パン!と音がして、見てみると天上に向かって1発撃ったようだった。


 僕は天上をじーっと見つめてその人に

 「天上に穴がないね、やっぱりそれモデルガン?肩を痛めてる様子もないし」

 僕がそう言うと

 「てめぇ!覚えてやがれ!」と言い残して銀行を出ていった。


 僕は犯人達が出て行くのを見送ってから余分に引き出した4000千万円をまた口座に戻した。


 そしてそのまま中古車店に行って、目的の車を契約して帰った。


 「本物だったら欲しかったな」と言って大きく膨らんだ期待をしぼませて家に帰ることにした。

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