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血まみれの札束  作者: whiskey
6/8

般若。ピエロ。キツネ。


 アルグレート達は、ウォーズがいる地下へと降りてゆく。


 その音に気付いたウォーズは、「アルグレート! いい加減にしろ! 俺は犯人じゃない!」と叫ぶ。

 仲間だった奴らに疑いをかけられたうえに、拘束され、放置までされたので、いくら温厚なウォーズでも怒るのは当然だった。


「うるせえよ。黙ってじってしてろ。」

 ウォーズの前に近づきながら、アルグレートはウォーズを睨み、言う。


 ウォーズはこの中で一番体格が良い。けれど、3人相手に出来るほど、力はない。それに今は拘束されている。

 ウォーズは右を見る。

 地下には、多くの武器がある。今日使ったものもあるし、普通のナイフや、刀、チェーンソー、ハンマーなど実に沢山の武器が取り揃えられてある。

 このまま、疑いが晴れなければ、危ねえな、とウォーズは思った。


「ねえ、もともと金庫にあったお金、いくらか知ってる?」

 エーデルがウォーズのもとにしゃがみ込んで聞く。


「はあ? 4億だろ?」

 ウォーズは吐き捨てるように答える。


「じゃあ、ウォーズの部屋のベットの上にあった金額は?」

 今度はイージスが聞く。


「同じく、4億に決まっ……」

「違うんだよ、ウォーズ。」

 アルグレートは、ウォーズの言葉を遮り言った。


「お前の部屋のベットの上にあった金は、2億しかなかった。わかるか? 半分ねえんだよ。」

 アルグレートはポケットからライターを取り出した。

 いつも、タバコを吸うために持ち歩いているのだ。


「お前、4億を山分けしたんだろ? もう一人のやつの名前を言え。これは命令だ。」

 アルグレートは重圧の利かせた声でウォーズに命令する。

 そして、ライターに火をつけ、ウォーズの顔に近づけてゆく。


「お、俺は、そもそも、俺の部屋にあった2億だって、知らねえんだ。答えられるわけ、ねえだろ。」

 ウォーズは、自分に対して敵意むき出しのアルグレートに恐れを抱いた。

 でも、ウォーズは、「知らない」としか答えることが出来なかった。


「……そうか。残念だ。ウォーズ。」

 アルグレートはため息をついて、ウォーズの顔ギリギリのところで、ライターの火を消した。


 アルグレートは、ウォーズから遠ざかっていく。ウォーズは一瞬ほっとした。

 その後、アルグレートは部屋の隅の棚に向かって行く。

 そこに何が置いてあるのかを、ウォーズは知っている。

 ウォーズの顔は青ざめる。


 アルグレートが手に持ったのは、お面だった。

 アルグレートは、イージスにピエロのお面、とエーデルにキツネのお面を渡す。


 3人は、いつものように、お面をつけ、フードを被る。


 般若。ピエロ。キツネ。


 3人はそれぞれ、思い思いの武器を選ぶ。


「白状させるんだから、死なないように、気をつけろよ。」

 般若は言った。


 


般若の仮面をしている者の名は、アルグレート。

 ピエロの仮面をしている者の名は、イージス。

 パンダの仮面をしている者の名は、ウォーズ。

 キツネの仮面をしている者の名は、エーデル。

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