6*ご飯は大切だと思う。~王女の頼み~
更新遅れてすいません。
それから、第一王女のお付きのメイドに案内され第一王女の寝室に私達は来ていた。
ここに来るまでの道のりは謁見する前にいた部屋から謁見室までの道のりとはまた違ったルートを通ったがどこを見ても一目で一級品であることがわかった。
私個人としては美術品などにそこまで詳しいわけではないがこれでも美術商をしている変態マニアの友人に45年間付き合わされ気に入られるレベルまではいっている。
それ以外にも、王宮の外の暮らしが思っていたよりも豊かであることに正直驚いた。
この世界には科学という概念はあまりなく魔法におもきをおいているみたいだが、王都はかなり繁盛しているようだった。王都の様子を見る限りではもしかしたらこの国は、私のいた世界で言う先進国に入るレベルの国ではないのかと考えられた。
それゆえに解せない。何もおかしくはないはずなのにスッキリしない。
まず、色々な疑問があるなかでも一番不思議に思うことがある。それは実際に何故私達のような余所者を優遇してくれているのかだ。私が思い付く限りでは国際的な体面か、聖女故なのかそれとも保護するように見せかけて実はボロがでるのを待っているということなのか?
・・・・・いや、そもそも私達が本当に聖女かどうか何てこちらの人には多分わからないはずた。聖女に見せかけて実は敵だった何て事を見落とすはずがない。ということはこの可能性が一番高いか?
最初はリディアがいるからと安易な考えでここに来てしまったが、普通王女にここまで護衛はないものなのか?
あーダメだ頭がおかしくなりそう。
ちなみに、私の髪の毛とリディアの体はまだ、濡れている。
何故かって?・・・・顔を隠しているからだよ。
何でも、風魔法で髪を乾かすらしいのだか、今の私はできるだけ年齢不詳でいきたい。
今の段階で、40歳以上とは思われなくても25歳以上だと思われればもしもの時の保険になる。
後で、リディアに乾かしてもらお。
『もちろんよ。でも、25歳以上だと何がいいの?』
結婚。子供。
『・・・・25歳以上でも、結婚だってできるそれにその年で結婚している人だってこの国にちょこちょこいるわよ。』
違う違う、そういうのじゃなくて、もしかしたら国が聖女の子供を欲しがっているとした場合、元の国に旦那がいるとか、子供がいるとか言っておける口実にならない?それこそ嘘が真実みたいに聞こえるでしょ。天道宮さんがいる限り残念だけど私の態度から見て嘘だって思われる可能性もあるし。
『何で、天道宮さんがいるのかいないのかと社の態度が関係あるの?』
あははは、いや何か天道宮さんの方が自然体な感じが出ているけれど、私は、偽っている感じがあって信用性では断然天道宮が上でしょ。
『そっ、それは。』
まぁ、最初に勘違いをしたのは相手だけどそれに便乗してそのままとおしたのは私。
あーあ。失敗したなー。これでも私は違う国から来ましたって言うのも嘘くさいしもう、年齢的に旦那がいてややこしい事に巻き込まれないようにしていましたって言うしかないような気がしてきた。
それに、私のいた国の初産の平均年齢や結婚の平均年齢なんてこの国の人達が知るわけないから、変なことになる前に適当に誤魔化しとこうと思って。
幸い、こっちの世界の方々には天道宮さんがちょうど結婚適齢期位って感じだと思うし。
『確かに、言われてみれば。』
というか、さっきから第一王女が黙りこんだままなんだけれど、どうしたらいいのか。
『こっちから話をふるしかないんじゃない?』
・・・・・・そうだよねー。
「第一王女。さっきの話の続きをお願いできませんか?」
「あっ。はぃ。」
本当に小動物みたい。私より身長あるけど。
そういったまま、王女は少しの間黙ってしまったが、何かを決意した顔で口を開いた。
「実は、ある人の命を助けてほしいんです。」
あー。厄介事がやって来たー。おうちにかえってサー大変『真面目にしなさい。』っとまぁおふざけはおいといてと。
どういう風に回避しよ。
「ある人とは?」
「・・・・・・・私の、、、婚約者です。」
婚約者かー。ははっ。なるほど。なるほどなるほど。目の下に隈を作ってしまうほどにその彼が好きなんだな。
でも、助けてほしいってのはどうゆうことなんだろう。
「助けてほしいとは、具体的にどの様に助けてほしいのですか?
私は詳しいことは何もわからないのですが、その婚約者殿は今どちらに?よろしければその婚約者殿に会わせていただけませんか?」
そう言うと、第一王女は深く深呼吸をし、自分の手をぎゅっと握って、泣きそうな顔で口を開いた。
「彼は、・・・・彼は、原因不明の病によって、意識不明の重体にっ、なっています。・・・・・助ける手だてが見つからなくて。・・・それで、異世界の貴方なら何か出来るのではないのかと。」
もう、うっすらと涙が目にたまっているけど。まぁ、お疲れさま。
・・・・・はぁー。まぁさっきの謁見室での話から考えればわからんこともないけど。
『???何が?』
あの天道宮って子。魔法も召喚もなにも知らないって言ってたでしょ。
それに、聖女として病を治すにしても穢れを祓うにしても聖女をやるって言っている若い少女と自分は聖女じゃないと言っているおばさんじゃあやることは一つ。
『???????』
これだけの地位にいる人が出来ないと言うことはこの国にはそれを治す手段がない。そして異世界の聖女の天道宮さんも聖女についてほとんど知らないといった。あぁー。まぁちょっと賭けの要素が高いけど、この王女頭回るなー。今は弱々しい女にしか見えないけど実際中身はとんでもないくわせものか。
『っちょ。ちょっと待って。どういう事?』
天道宮さんは聖女について知らないけれど役に立ちたいといった。イコール何もしらないけど何かしたいと言うこと。
私は、聖女として何か出来るとは思わないと言った。そして独り暮らし出来る準備をしてくれとも。そして何より私がわざわざ年寄りのふりをしていた事が一番の失敗点ね。
普通、助けを求めたり少しでもいい生活が出来るように言うと思うんだけど私は、全てが真逆になるような行動をした。私は、天道宮さんのようにきちんと知らないと言うべきだった。そして年寄りのふりをせずに元の世界に戻れるのか私は、これからどうなるのかというふうにした方がよかったってこと。まぁ、もう後の祭りだけど。
『屁理屈よ。そんなの相手が勝手にそう思っただけで、実際は。』
「そう。だからこれは完全に私のミス。」
『でも、知っているのと使えるのとでは全然違うわよ!』
その事については、この王女様もちゃんと理解してるよ多分。ただ、ほっといても利用価値がない私なら、使い捨て御免で切り捨てやすいと思って声をかけたか、もしくは捨て身覚悟なのかはわからないけどね。はっ。利用できるなら利用しようって考えか。
『む、むむむ。』
大体、リディアなら人の心が読めるんだからわかってたでしょ。
『よもうとしないとよめないの!!
こんな厄介事になるなんて思わなかったから・・・。それに勝手にこの世界につれてきたんだから国として少し位何とかしてあげるのが普通なんじゃないの!!こんな酷い。使い捨てみたいに。』
※社をこの世界に連れてきたのは紛れもなくリディアです。
まぁ、そんな怒りなさんなって。そんなこと、国の王が好き勝手にできるわけないでしょ。
異世界から来ただけで国がそこまでしてくれる必要ははっきり言ってない。
確かに、私達がいた国では国民が最低限の生活ができるようにっていう制度があったけど、普通に考えてこの世界でそんなことをしている国なんてないと思うし、私達はイレギュラー。所詮は余所者って考えた方がいい気がする。
・・・・・こんな、何がいるのかわからない世界で国が一個人のためにどれだけの事が出来るのか。
『・・・・・・・・そうね。
少し、ぬるま湯に浸かりすぎたのかしら。』
この世界と比べるとね。だから、ごめんなさいね。第一王女様。私も一応生きるために必死なの。
「申し訳ありませんが、私もこちらの知識には乏しくお力にはなれないと思います。・・・・・・ですが、私もできる限りのことはしたいと思っています。だから、もしよければその婚約者殿に会わせて頂けませんか?」
だから、使えるものは使わして頂く事にしましょうか。
それから、彼女は少し悩むそぶりを見せたが、すぐにこちらを見据え。
「わかりました。」
と言った。
それからいったん王女と別れた。
王女は行くなら、今日の深夜の時間帯しか婚約者と会えないと言っていた。
まだ、少し時間がある。リディア。
『何々?』
「私達が、この世界で生きていくためにはどうすればいいと思う?」
『うぅーん。薬草を作って売ったり病気を治したりとか。あっ、冒険者になって穢れを祓ったり仲間の怪我を治すってのもあると思う。』
リディアは?リディアは何をしたい?
『???私が決めていいの?』
そりゃあ、これから一緒に生きていくんだからお互いの意見は聞かなきゃいけないと思うんだけど。
『・・・・。ねぇ。社は私をもう先輩とは言わないの?』
先輩って呼んだ方がよかった?
『・・・・・。いいえ。やっぱり言わなくていい。』
そっか。いいね。何も言わなくても私の言いたいことがわかるって。
インチキ占い師位なら出来そう。
『は、?????』
リディア。私実は。
『えっ。えっ。〃〃〃〃』
ねっ。こんなことリディアにしか言えないんだけど、私にも恋愛感情があってこの世界で結婚して子供を産んで生きたいの。
『こっ、子供。』
うん。だから、リディアに協力してほしいの。お願い出来る?
『社。いいわよ。全然大丈夫。』
『で、いいと思える殿方はいた?どんな殿方が好み?』
うん。でもその前にやらなきゃいけないことがある。だから力をかしてね。
「王女の問題ね!任せて!一緒に頑張って婚約者を助けましょ。」
うん。だからこの件が終わったらちゃんと私を男にしてね。
・・・・・・・・・・・・・・。
『・・・・・・・・。』
「・・・・・・・・。」
ニコッ!
私、男同士の結婚をしたいの。
『ええええええぇぇぇぇぇーーー。』
コンコンコンッ。
あれ?まだ、予定の時間じゃあないはずなんだけど。
『謁見室にいた、社の城の案内役のアルフォードよ。』
うぁー。〃〃〃〃〃〃
まさかのボーイズラ『あんたは女』
うっ。はい。
コンコンコンッ。
居留守を使うのはさすがに無理か。
ここは。
『無難に、話をしときましょ。もしかしたら明日の事についての話だけかもしれないし。』
了解。大丈夫。上手くやりますよ。
てくてくてく。ガチャ。
うん。眩しい。どさ。
※土下座の音
「一生のお願いです。貴女様の体をもみもみさせて下さい。」
しゅっっ。クルッ。ベシ。
「「・・・・・・・・・・。」」
あれ、何か、頭に汚れた汚物がいるような『お風呂に入ったばかりよ!』
あれッ?足が多くない。まさか、アルフォードさんって足が多い種族『人間よ!』えっ、じゃあ誰が。
『もう一人の案内役のカールとか言う騎士よ。』
ど、ドドド、どうしよう。
取り返しのつかない事をしてしまった気がする。
「あぁー。お、お疲れの所申し訳ありません。
こんな夕方近くにレディの部屋に来るなど失礼かとは思いましたが、これだけは火急にお伝えするように言われてますので。
もしかしてお休みになっているところを起こしてしまいましたか?」
うぅー。何この優しげな声。王子様みたい。多分これカールさんの声だわ。
こんな私を気遣ってくれている。どうしよう。何か、弁明をしないといけない。なっ何を言おうか。
『誠心誠意、心から謝れば水に流してくれるわよ。・・・・・多分。』
「いいえ。こちらこそお気遣いいただきありがとうございます。
先程は失礼な行動をとってしまいお恥ずかしいかぎりです。ただの生理現象なのでお気遣いなく。???」
生理現象?えっ、今私生理現象って言ったよな。
『生理現象とは、生きていく上で欠かせない現象のこと。』
うん。確かにアルくんの体をモミモミするのは私の日課で我慢できずに常にしていたが。
※アルくんはワンちゃんです!
それは、目の前にいるイケメンにも適用されるのかと言われれば、
「そうなんですね。すいませんそういうのに鈍くて気がつきませんでした。」
うぅー。〃〃〃〃〃アルフォードさんって声がヤバイ。
抑揚のない声だけど何か、色っぽくってゾクゾクする。
こんな声で頼まれたら、もう断れなくなっちゃいそう。
「これから、二人で生きていこう。お金は返すから今だけ、1000万貸してくれないか?」
「「はっ?」」
なんて言われたらそこら辺の女の子なんて一ころ。
『社!!!社!社!戻ってきて!』
はっ!!いけない意識が。
「本当に重ね重ねすいません。今までのことは全て水に流していただけるとこちらとしては助かります。」
「ええ、大丈夫です。それよりも少しお話しさせてもらえませんか?」
「はい。」
そして、中で3人椅子に座り私は、下を向きながら二人の話を聞いていた。
というか、このアルフォードさんって寝てるようなふわふわした雰囲気の人だと思ってたけれどどことなく感じるこの威圧感?がはっきりいってちょっと怖いかも。
『何よ。さっきからアルくんアルくん言ってたのにいきなり態度が変わったみたいに。』
いやいや、結構アルフォードさんの事は可愛いなーとは思っているけれど、なんか何処と無く違和感を感じるというか。
『気のせいじゃない?』
うぅーん。そうかな。
「それで、道端殿は王女から何かしらの接触はありましたか。」
フムフム。要約すると、第一王女は今精神的に不安定な状態であることそして、第一王女に何か頼まれていることはないのかという事だった。
ここは無難に返事を返すべきか。
「はい。自分の大切な人が原因不明の病にかかったので助ける方法を知らないかというか話をしました。」
「それだけですか?」
「はい。後、この国の事についてなにも知らないと言うことも話しました。それだけですね。」
それから、色々な質問を受けたがいちいち話すのも面倒くさくなった為適当に話していたらアルフォードさんとカールさんの顔がいきなり暗くなり、私達の部屋に静寂な時間がおとずれた。
そして、しばらくするとカールさんが何かを諦めたように話し出した。
「こんなことをあなたに話すのは間違っているとは思うんですが、エミリア第一王女様の婚約者はアルフォードの親友であり私のもう一人の兄みたいな人です。だから、何かできるのなら私達もてを尽くします。だけれど、今現在その手だてが全くない状況なんです。」
『・・・・・・助けてくれってことを言ってるのかな?』
いいえ。そんな可愛いものではないみたい。
「だから、だから。」
そこで、カールさんは言葉をきってそれ以降言葉が出てきてない。
そんなに言いにくい事なのだろうか。
「だから、生半可な優しさや軽い打算で第一王女に余計なことを言ったりしないで頂けませんか?」
おお、まさかの横やり?アルフォードさんって結構ズバズバ言うタイプなんだ。
・・・・・・顔は優しく微笑んでるけど、やっぱり威圧されているように感じるなー。
「はい。よくわかりました。余計なことはしません。
わざわざこちらまで赴いていただきありがとうございます。」
『ふぅー。やっとこ落ち着いたわね。全く。』
それから、二人と軽い話をして二人は帰っていった。
『どうするの、社?』
うん。聞かなかった事にしよう。
『へっ?』
いやー。何でいちいちそんな相手の意をくんであげなきゃいけないの。私達今日なんにも食べてないのに。
わざわざいい部屋を用意してくれたことはとても感謝してるけど、今日。まだ何も食べてないんだけど。
『うん。お腹すいた。』
はぁー。ご飯でるのかなぁー。
結果
出なかった。
主人公の本性は基本的におかしいです。
リディアという先輩がいたため長年化けの皮を被っていました。