2*憧れは所詮は憧れだったのかもしれない。
前回より長く書きたいです。
ムクムク。
ムクムク。
「あのー、すいませんが誰かいらっしゃいませんか?」
ムクムク。
「私、小野○町というものなんですけど、日本というところにいたはずなんですけど、何かの手違いで間違えてここに来てしまって、申し訳ありませんが帰る道を教えていただけませんか?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「行き先だけでもいいので教えて下さい。場所は天国の桃源郷というところで「もう少しましな嘘をつきなさい。」」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・ほんに・・ん?」
「本人よ。」
「えっでも、せっ先輩?・・・・・・せんっ、ぱ、ほんと、生きて、ぇっ」
私の大好きだった先輩、小さい頃から家が近所で何かと私の面倒をみてくれた。
人として、ずっと憧れていた。賢くて、運動神経抜群で、やさしくて、でも何よりもとても強くて生き方が本当にかっこよくて。
大切で、でも越えたくて、ずっと、ずっと努力していた。
でも、私が亡くなる半年前に先輩は私の世界から消えてしまった。
辛くて、辛くて、ついに先輩まで私をおいていってしまったと思うと悲しくて、その先輩が今、私の目の前にいる。
「何を、泣いてるの?」
「・・・・・らしくないわね。」
先輩の手が私の頬を撫でる。ずっと先輩に憧れてもう、シワだらけになった私の頬に。
「先輩は、・・・・・・・そんな、 」
「そんな若くないです。」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「えっ」
「というか、貴方誰ですか?何故、若い頃の先輩に瓜二つなんですか?隠し子?先輩は結婚してなかったはずですが?嫌がらせ?」
「ちょっ、ちょっと待って。私は、貴方の先輩よ。貴方の先輩の金や「金!?金ですって!」」
「っ金山 富子!!先輩の金山富子よ!!」
「何か、嫌な名前ですね。金の亡者的な。」
「・・・・・憧れの先輩に向かって、金の亡者。・・・・」
「それに何か、若くないですか。異様に。」
「フフフッ。それはね、私が女神だからよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ありがとうございました。お休みなさい。お先に失礼致します。」
「ちょっちょ、ちょっとまってー。」
無駄に長くなってしまった。すいません。