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夢の国 side姫華


Side 姫華

今日はカールに屋敷を案内してもらう予定だ。


姫華は朝からメイドに頼んでお洒落をしていたが、途中で王様に呼び出されカールにどっきりを仕掛ける事が出来なくなってしまっていた。


その事に少し不機嫌になりつつ姫華は謁見室を後にした。


彼女の頭の中はどうやって王女に取り入ればいいのかの案でいま一杯になってしまった。


何故ならば先程の王女の様子を見て今が好機だと感じたからだ。弱っている時ほど相手に取り入りやすく利用しやすい。そう彼女のこれまでの経験から導かれたからだ。


客室でゴロゴロしているとメイドに案内されたカールが来ていた。


それから、カールに軽い屋敷の案内をされた。といってもこの客室じたい謁見した建物と別で客室じたい一つの建物として成り立っている。建物じたいはそれほど大きくないが縦5階建てでとても豪華に出来ている。


案内をするのは客室のある建物だけらしいのだがそれ以外でもカールと話を出来るように姫華はカールにお願いした。



「カール様。建物案内も楽しかったけれどできればどこかでゆっくり座りながらお話がしたいです。」


カールの袖をつかみ弱っている風を装えばいけるはず。


そう姫華がお願いするとカールは人の良さそうな顔をして姫華の話を聞くと言ってくれた。


そして、姫華とカールそして数人のメイドは案内されたテラスで紅茶とお菓子を飲食しながら話しを始めた。


「カール様。前から思っていたのですけど、カール様ってもしかして私と歳が近いですか?」


「えっ?あぁ。そうですね。私は今年で18になります。」


「うゎぁー。じゃあ今高校三年ですね進学とかするんですか?」


「「・・・・・・。」」


「申し訳ありません。そちらの世界とこちらの世界では教育体制が異なるようで。」


「えっ。あっそうですよね。ご免なさい。」


カールは困ったように笑い。姫華は頬を赤く染めた。


「いえ、大丈夫ですよ。・・・そうですね。姫華様の国とは違い、こちらの国では成績によって上に進める仕組みである一定レベルまでいくとそれぞれの分野を専攻して進むことをするのが一般的ですので進学というのとは少し違うかもしれません。」


「へぇー。凄いですね。成績で。」


それを聞いた姫華はまさかこれから勉強をしなければいけないのかと気が沈んでしまった。









ティアリス王国はかねてより学問の発達した国であったがここ最近では全ての国民に平等な教育をと特に力をいれていた。


成績によって飛び級するものもちょくちょくおり、早い段階でアカデミーを卒業するものもいた。

また、国ではそういった優秀な人材に職を斡旋していることから国民の教育に関する関心は高い。


勿論そんなことを知らない姫華は只今困惑中だ。


「えっ、じゃあカール様は今学校に行ってないんですか?」


「いえ、私は今兄に怒られて騎士専攻のところにいっています。一応アカデミーは卒業したんですけどね。」


「へぇー。そんなことも出来るんですね。好きなときに学べるっていいですね。」


「いえいえ基礎過程から専門分野に進むときは学費が発生するので穀潰しもいいところです。」


そう話すカールの横顔は何処と無く嬉しそうであり、その話を聞いていたメイド達も何処と無く嬉しそうな表情をしたが姫華はその事には気づかなかった。


「もしかして、一緒に通っている方のなかに王子様とかもいたりしてるんですか?」


「はい。いらっしゃいますよ。私の一つ下の学年に第三王子が。とても聡明な方で特に薬学などに詳しいです。」


おっ。いい感じじゃない?このまま色々聞き出そう。



「他の王子様は?どんな感じか教えて下さいますか?」


「はい。まず第一王子は建国以来の天才といわれていて様々な分野で秀でたかたです。

第二王子は戦略家で政治方面で活躍しています。」


「年齢は?いくつ何ですか?」


「一番上の第一王子が22歳で第二王子が18歳、第三王子が17歳になります。」


へぇー。みんな私と歳が近くていい感じ。


うん。基本的な情報は手に入れた。

本当はもっとききたいけど。なんか周りのメイドの目付きが悪いしやめといた方がいいか。


うぅーん。じゃあ。



「カール様。」


私が悩んでいると隣からメイドさんがカールに声をかけた。


何を話しているんだろう?あっ、終わった?


「すいません。予定が入ってしまって、私はこの辺で失礼します。」


カールは本当にすまなそうにしながら私の元を去っていった。


帰り際、カールにまた会いたいと言ったら彼は幸せそうに


「私の方こそ。是非また貴女と楽しい時間を過ごしたいです。」


といい、私に近付いてきて耳元で私にしか聞こえない声で


「かならず」


と言って、さっていった。


はっきり言おう。めちゃめちゃかっこいい。もう最高!!

今まであった男のなかで一番かも!

あれ?そういえば私カールのこと詳しく聞いてない。

あーあ。しまった!!


「ねー。カール様って爵位とかって持ってるの?」


そう近くにいたメイドに聞いたらメイドは驚いたような顔をして


「あっ、え、その私も詳しくは知らないのですがかなり裕福で爵位もある将来有望な方だと聞いています。」


ふぅーん。何か隠してる?やっぱり王宮でもカール人気なんだ。結構狙い目かもキープしとこっかなー。


ふふふ。いい感じかも。







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