Side謁見室 国王
違法な聖女の召喚によってこちらの世界に来た女性の一人道端 社という人間によって今宮中は大騒ぎだ。
事の発端は、我が娘エミリアが彼女に助けを求めた事だ。
聡明な娘が何故このような愚行にはしったのか、いや助けを求めるにしても何故彼女に助けを求めたのかはわからない。
こんな言い方をするのはあまりよくないが、こちらの世界に来た二人の異世界人では断然天道宮という者の方が好感度をもてた。
いや、好感度というより単純で御しやすいと言う意味でだが。
確かにこちらのマナーなどは全くわからないような感じだったが、道端という者と比べればある意味人間味のある感じがした。
道端という者はどちらかというと魔女のような老婆のような雰囲気があり異臭、いや死臭のような臭いもしたと彼女と接触した者から報告が上がっている。
それだけなら、貧困街の面倒事を嫌うご婦人なのだろうと思うがあまりにも、あまりにも目に余る。
メイドの者や監視の者達も動向が読めないといっていた。とても不思議な行動が目につくなどともあがっている。
この監視はエミリアにもつけていた。
今回の件で彼女達は本当に違法な聖女の召喚で来たものなのか不明な部分もあり、また今後の対処をどうするのかについてもある程度様子を見てから決定しようと考えていた為監視をつけていた。
しかし、エミリアに監視をつけていたことがエミリアに早々にバレてしまいどうしようもなくなった私達はエミリアお付きのメイドと私の部下を監視につけた。だが結果はこの有り様。エミリアがエミリアのお付きのメイドに迫り結局監視も含めエミリアの暴走を止められなかった。いや、私自信もエミリアがこのような行動に出るとは思いもしなかったのだ。
エミリアのお付きのメイドと道端殿の監視を任せていた者そして私の部下はどんな処分でもうける覚悟はあるがエミリアには何も言わないでほしいと懇願してきた。
忠義とは違うかもしれないがその思いを無下にも出来ず、今彼らの今後については未定のままだ。
エミリアに何も言えない私のせいなのかもしれない。
ラバレル家の悲劇はあまりにも有名で
監視の者達もお付きのメイド達も勿論知っている話だが、だからと言って公私混同していいわけではない。
だが、娘の事を思うと彼らを責める事など出来ない。
エミリアの誘拐とテオドラの生け贄は
簡単に結びつく事が出来、詳しくは説明してなかったのだがエミリアの様子から察したのであろう。
誰が責めることが出来るだろうか。
もしこのまま、エミリアを部屋に軟禁して事が落ち着くまで自由を制限しても娘の心は壊れてしまうだろう。
そう考えるとエミリアに強く言えず今回の件は終わってしまった。
私にとって子供達は私の宝だ。こんなことが許されるのかわからないが私は自分の子供達がそれぞれの幸せを得るためならそれが国にとってのベストでなくともいいと思っている。
私がこんな考えだからか、私の息子は少し、いやだいぶ変わり者になってしまったが・・・・・・・・・いや、妻に似たのか。
エミリアも少し息子に似た気質があるが、私の目から見ても良くできた娘でかつとても努力家だ。娘とテオバルトくんがお互いをずっと想いあっていることはわかっていた。エミリアと婚姻を結びたいと願う者はとても多くそんな彼女に一途に想われていた彼が背伸びをして不器用ながらにもエミリアを大切に想っていたことも。
それだけではない。彼の祖父のヴォイズ・ラバレルとは長い付き合いで彼の身におきた悲劇は同じ子を持つ親としてそして私の友人である彼の息子を殺されたものとして、言葉に表せない何ともいえない感情が私のなかにもある。
彼にとって孫はどれだけのものなのかなど私の想像も及ばないレベルで大切にしている事ぐらい皆知っている。
彼が自分の孫と私の娘の仲をどれだけ嬉しそうに見ていたのか私は知っている。
彼が引退して、少しでも孫の側に居たいと願ったのに彼の偉大さ故にそれが出来ずいつも仕事を途中で中断し、孫に時間をさいた分深夜一人で仕事をしていることも。
今回のことで、彼は総司令官をやめてしまうだろう。それだけではない。エミリアや違法な聖女の召喚できたものの対処や本人の意志など関係なく利用され召喚の道具になりえることなど問題が山積みだ。
まだ、何も終わってなどいない。娘も彼の孫も、彼もだから私も私に出来ることを精一杯するしかない。
国王side




