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epilogue
鮮やかだった。
俺の目の前にいる少女は、とても鮮やかに見えた。
モノクロだった日々が、この赤い一瞬で変わった。
ここは寝室。
ベットの上には、はだかの汚い男とはだかの少女。
少女の手にはナイフ。
そのナイフで男の顔や首をさす。
何度も何度もなんども。
少女は男の血で染まっていく。
男は抵抗しようとするが、顔や首の痛みで抵抗できなくなり、倒れていく。
そして、男は動かなくなった。
真っ白だったベットが気づいたら赤色になっていた。
少女はゆっくりと僕の方を見る。
「...おいで?」
ひざ下まである長い髪。
透き通った薄い金髪が夜風でゆっくりとなびく。
俺は少女によって鮮やかな人生へと変わる。