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謎の少女の場合 05


第十一節


「は…しばくん?」


 橋場の胸は単に大きくなっただけでなく服の上からでも分かるほどツンと上を向いた形のいい「美乳」へと調整されていた。うっすらと乳首の盛り上がりも見える。


「美夕!お願いだ!こっち見るな!」


 その声もうっすらと甲高くなりつつある。

 くっくっくと笑い声を押し殺しているリーゼント。


 橋場の懸命の願いにも関わらず、美夕は全く視線をそらさずに橋場を凝視してしまっていた。


「あ…あ…」


 わさわさと生き物のように伸びてくる緑なす黒髪。

 それは日々の手入れを欠かしていないかの様に一本の枝毛も無く、艶やかな光沢を放って流れ落ちていく。


「ひゅー、やっぱり素材がいいと楽だぜ」


「何…?これ。どうなってんの!?」


 乳房も大きな要素には違いないが、長い長い黒髪というのは見た目のインパクトにおいては最大級のそれだ。橋場の外見が先ほどとはまるで違ってしまっている。


「ぐ…あ…ああああっ!」


 橋場の強固な意志に反して両脚が内股にぐぐぐ…と変形していく。

 同時に丸みのある脚線美が形成されて行く。


「そんな…」


「この…」


「おっと!精神的な抵抗は無しだぜ?」リーゼントが念を押した。


 言われなくても分かっている。抵抗すること自体は不可能ではないが、人質まで取られているのだ。


 腹回りがぐぐぐ…と縮んでいく。

 同時に(でん)部がむくむくむく…と女性的に丸く膨らんでいく。


「当分これもいらねえな」


「ああっ!」


 橋場のガラパンの内側で男性のシンボルが縮み、体内に吸収されていった。



第十二節


「仕上げだ」


 ぐぐぐ…と橋場の顔が変形していく。

 元々そこまでゴリラの様な顔ではないのだが、肌がするすると撫でてもヒゲの抵抗が一切感じられないほどになり、ほっそりとし、そしてくりっと瞳が大きくなる。

 心なしかまつ毛も伸びて可愛らしくなっている様に見える。


「あ…」


 もうぐったりしている橋場。性転換には体力を消耗することもあるが、何より精神的ダメージが大きい。


「…中々いいオンナだ。グラマーでセクシーだぜ?」


「…どういうことなのこれ?」


 美夕が動揺して戸惑っている。まあ、普通は何が起こってるんだか分からんわな。


「見ての通りさ嬢ちゃん。お前のカレシは女になっちまったぜ?」


「橋場くん…なの?」


「…」


 視線を逸らす橋場。顔が揺らいだことで長い髪がふわりと流れる。ため息が出るほど美しい。


 …なんてこった…メタモルファイター体質が美夕にバレてしまった…。

 こんな生活をしていればいつかはバレても仕方が無いと覚悟はしていたんだが…最悪のバレ方だ。


「分かってるたあ思うが…これからが本番だぜ?」


「!っ!」


 キッと睨んだ積りだった。


「お!いいねえ!その『気の強い女』って感じが。たまらねえぜ」


 べろりと舌を出して自らの唇を舐めるリーゼント。

 吐き気を催す「男」の「生理的嫌悪感」そのものだ。橋場はこの時点で…少なくとも肉体は完全に…女体化してしまっているので、感覚も女性的になってしまっているのだろうか。


「うっ…」


 手首まであったシャツがぐんぐん後退していく。七分袖になり、半袖になり、ついにはノースリーブになった。


 着ていた普段着…シャツにズボン…が全て一体化して溶け合っていく。


「な…何なの!?何なのよこれ!?」


 一般人はこんな超常現象を目の当たりにしたことなどあるまい。


 橋場は下半身で素肌同士直接触れ合う素脚の感触を感じた。


 これは…スカート…ワンピースだな…。


 着ている服がスカートになり、それにいち早く気が付く体質ってのも若干十六歳、健全な男子高校生としてはいかがなものかと思うが仕方が無い。


 背中までが涼しくなった。



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