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鬼頭真琴の場合その2 24


第五十節


「あ…あ…」


 自らの乳房の形に盛り上がった衣装を見下ろしているチャイナドレスの橋場。

 美夕が目元をひくひくさせている。

 先ほどの涙も引っ込んでしまった。


「ういーっす!」


 そこにはセーラー服姿の少女がいた。妙におばさん臭い…というかおっさん臭いセンスの。


「う、ウーっ!あんたって人は!」


 よろめくハイヒールに負けまいと振り向く橋場。大きなお尻が丸く目に入ってしまって何故か照れる美夕。


「あーによ!減るもんじゃないのにほーれ!」

「きゃああああああーっ!」


 哀れめくり上げられてしまうスカート。

 表面と同じ朱色で肌触りのよさそうな裏地を見せつけつつ、(なまめ)かしい脚線美を空気に晒してしまう美女…橋場。一瞬だが同じく朱色のTバックパンティが見えた。

 当然ながら慌ててそれを真っ赤なマニキュアに彩られた手で押さえつけるのだが。


 ぽかーんとして見ている美夕…と鬼頭。


「…?これ、どういうこと?」

「おっ!こんなとこにもお仲間が。ほーりゃ!」


 軽く肩に手を置くセーラー服。


「わああああっ!」


 生まれつきの女である真琴は「女への性転換」はしなかった…というかする必要が無かった…が、その体格は見事に変化し、やぼったいズボンなどを軒並み変化させていった。

 一瞬にしてこちらも妖艶なチャイナドレス姿の美女になる。こちらは見事な藍色だ。


「わーお!なーにこれー!」


 身体をきゅいきゅい動かして見下ろしている。生粋の女にとってもこういう形での女体変化と服装変化は新鮮なのだろう。


「あり?変わんない。この人もセーラー?」


 腕を振り上げかける藍色のチャイナ娘に橋場が叫んだ。「待って!」



第五十一節


 美夕の目の前にいるのは、朱色と藍色のチャイナドレスに身を包んだ美女、そして漆黒のセーラー服に身を包んだ少女である。


「…要するにこの人はメタモルファイターに触れると問答無用で相打ちになる能力持ちなんだ」

「そっそー!よろしくー」


 とか何とかいいながら長いセーラー服のスカートを広げる様に両手で掴んで持ち上げる。

 裾からスリップが見えてしまい、なんともだらしなくみっともない。


「そういうことをしない!」

「はぁ?何言ってんの。女にした相手のスカートはめくりまくってるくせにこのド変態セーラー服男子が!」


 といって橋場の無防備だった片方の乳房を鷲掴みにした。


「ああっ!」


 同時にひゅっ!と身構えてパンチを打ち出す体制になる藍色チャイナ娘の真琴。


「駄目!死んじゃうから!」

「…そうなの?」


 ととっと距離を取っているセーラー服。こういうところは抜け目が無い。


「…普通はメタモルファイターってのは試合開始を約束した相手としか試合が出来ない…オレが知る限り唯一の例外なんだ」

「ま、つっても“必ず相打ちになる”って能力だからさ。あたしだってリスク負ってるわけよー」

「お前生まれつき女じゃねえか!」


 セーラー服の女子高生と、鮮やかな口紅も生々しい妙齢のチャイナドレス美女の怒鳴り合いだ。その内一人は、さっきまで男子高校生だった元・カレシである。頭がおかしくなりそうだった。


「は…はは…あははは…変わったお友達とお付き合いがあるのね…はしばくん」


 もう涙も引っ込んだ美夕の目元がひくひくしている。


「ふーん、面白いねえ」


 物珍しそうに自らのチャイナ姿を見下ろしている真琴。

 何しろ、スカートを履いたことすら(ほとん)ど無いと豪語していたのである。さながら「初めてのおめかし」というところか。制服以外で初めて袖を通したに等しい女物が「チャイナドレス(ロング)」というコスプレめいた格好というのは女としては珍しい部類だろう。


 次の瞬間にはすっ!と戻ってしまう。


「ありゃりゃ」


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