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鬼頭真琴の場合その2 02


第三節


 駅まで歩きながらの帰宅途中の会話は続く。


「制服のある私立だってあるだろ」

「制服無いところ選んだ」

「中学までは?」

「小中とも制服無いところ。今まで一回も制服があるところに通ったことないんだ。だからスカート履いたのなんて数えるくらい。少なくともあんたよりずっと少ないと思うよ」


 …反論できん。


「あひゃひゃひゃひゃ!まあまあ!」


 楽しそうだ。


「でも能力はセーラー服か。私立で女子高で制服無しとかあるのか?」

「珍しいとは思うけどあるよ。ウチがそうだったから」

「ふーん」

「そういう意味じゃ、メタモルファイターの男の子たちも無理やりスカート履かされるのは怖いだろうけど、あたしも似たようなもんだから」

「でも男と女は違うだろ」

「…ま、違うか」


 少し沈黙。


「それでもちょっと食らってみたいかも」


 離れたところを大きな車が走り抜けた。


「…セーラー服を?」

「うん。着てみたい」


 何やら重大な決意みたいに言う。

 その気になれば少年に見えないことも無い外見なので「セーラー服を着たい」なんて言われるとカミングアウトされてるみたいだ。

 ただ、真琴は女なので単なるオシャレに過ぎない。


「スカートだぞ?」

「知ってる」

「スース―するぞ?」

「ガマンする」

「変わった女だな」

「よく言われる」


 橋場は思い切って言ってみることにした。


「…じゃあ、条件がある」



第四節


「何?」

「俺はささやかだけどメタモルファイト全般についての情報を集めてる」

「ふんふん」

「正直、戦い方についてはあんたに教えられることなんかない。だからセーラー服リクエストには答えるから、交換条件で何かメタモルファイトで知ってることを教えてほしい」


 ちょっと考え込んでいる真琴。


「ふん…なら、やっぱり戦い方っつーか、メタモルファイト内で出来ることを教えるよ」

「頼む」

「明日もここに来て。その時に教えるから」

「それは、明日にならないと教えられないことなのか?」

「もちろん」

「じゃあ交渉成立だな。結果は引き分けでいいか?」


 メタモルファイターに対して能力を発揮するからには、一応形式的にはメタモルファイトを成立させなくてはならない。


「いいよ」

「解除条件は特になし」

「さあどうぞ!」


 セーラー服姿になる真琴。



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