表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/62

朝原 至の場合 05


第九節


「うん、ごほうび」

「…例えばどんな」


 メタモルファイトはファイター同士の合意によって開始・終了が決まる。決着条件も解除条件も(ほとん)ど全てだ。

 それならその応用で、お互いが納得していさえすれば「報酬」を約することも出来るはずだ。


「そうだなあ。終わったら5分スキンシップどう?」

「スキンシップ?」


 冷静に考えるとさっきから口調はたどたどしいくせに偉く難しい単語をすいすい使いこなしやがる。


「それは…セクハラとかしたいってことか?」

「違う違う!頭なでなでしたりとかそういうの」


 少しほっとした。

 所詮は子供だ。

 とはいえ、相手の能力次第ではナチュラルなセクハラになりかねない。流石に乳幼児ではないが、「おっぱいくわえさせて」と言われかねないではないか。これはゾッとしない。


「じゃあ、始めるぞ」


 お互いに向かい合って立つ斎賀と朝原。

 こうしてみると、朝原の頭が斎賀のお腹の辺りに来る。全く身長が違う。


「よーい、スタート!」


 早速手を思わせぶりに掲げる朝原。

 そこに合わせようとする斎賀。


「ほいほい!うりうり!」


 ひゅっ!と手を伸ばして来るが、朝原のリーチは感覚的に言えば斎賀の半分も無い。しかも身長も足らないから、全く持って自分から攻撃主体になることが出来ない…はずだ。出来るとしたらこちらの攻撃に対するカウンターくらいだろう。


「ふんっ!」


 顔の高さに掲げられた手を押し込むように力を込めて振った…が、くるりとかわされてバランスを崩しかける斎賀。


「うわっ…ととと…」

「あははははー!惜しい惜しい」



第十節


 なるほどこうしてみると押し相撲ってのは奥が深い。

 かなり手練てるから、恐らく同年代では負けなしなんだろう。


「甘い!」


 朝原の方もふらつき、それが元に戻るタイミングに合わせて、ドン!と両手を同時に押して自分は体重を引いて残す。


「わわわっ!…」


 ふらつき、思わず後ろに下がって一歩足をついてしまう朝原。


「一本取ったぞ~!」


 勝ち誇る斎賀。子供相手に大人げない。


「いや~やられたよ…って…あ…ああ…」


 朝原の身体に変化が始まっていた。


「悪いな。メタモルファイトも併用って言ったのはそっちだ。最後の一撃で変えさせてもらったよ」


 我ながらキザだなあ、と思いつつくいっとメガネを上げる斎賀。


「あ…また…身体が…お姉ちゃんに…うわあああっ!」


 小学校に入ったばかり程度に見える「少年」の身体がぐんぐん成長し、同時に思春期の女性へと変化していく。

 棒みたいだった脚が長く、美しい脚線美を描いて行き、(でん)部が丸く女性的になっていく。

 男の子そのものだった顔つきが可愛らしくなり、くりっと見開かれて髪型がショートカットにまとまる。


 同年代の女の子ですら経験していないであろうブラジャーが生まれたばかりの発育のいい乳房を鷲掴みにする。


「…んっ!」


 名前がサインペンで書かれたブリーフは前面に小さなリボンの装飾のついたパンティとなり、肌着は官能的な肌触りのスリップとなって流れ落ちた。


「うあ…」


 何の変哲も無かったシャツはブラウスとなり、赤いネクタイと黒いベストが出現する。

 そして…ズボンが溶け合って一本になり、スカートを形成した。


「あ…」


 そこには紛れもない「女子高生」がいたのだった。


「へー、女子高生の制服かあ。お兄ちゃんの学校の女子のかな?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ