フレイム王国興亡記設定倉庫
フレイム王国の設定資料を作ろうとしたら何故かこんなモノが出来上がった。ええ、反省はしています。
「はいどーもー! 始まりました『フレイム王国興亡記設定倉庫』略してフレそこ!」
「……えっと……え?」
「この『フレそこ』ではネタバレ、メタ、そんなの気にせずとにかく登場全……ええっと、とにかく沢山登場したキャラクター達の設定とか裏話とかを書いて行こう、ちゅう太っ腹な企画や! あ、申し遅れました司会を務めます『オルケナが生んだ天才美人商人』マリア・サーチと」
「…………あ、私? 自己紹介するんです? えっと、松代浩太です」
「はい、この二人で進めて行きたいと思います~。コンセプトは『本編よりも面白い!』と言われる事やで、コータはん!」
「いや、本編よりも面白かったらそれはそれで困るんですが……というか、設定ってこんなノリでやるんです? 普通、もうちょっとこう、淡々とした感じじゃないんですかね?」
「そんなんしたらウチ、全然目立たへんもん」
「……」
「大体、最近の本編なんやねん。なんでウチ、出て来んのよ? なあ、可笑しいと思わん? ウチ、序盤から出てんねんで? メッセージで『そう言えばマリアってどうしたんですか? ほら、関西弁の子!』とか『お兄ちゃんはインパクトあったんですけど……』とか『二巻、マリアのイラスト要らないですよね?』とか言われてんねんで? ヒロインの括りやろ、ウチ!」
「最後のなに!? え、ええっと……ああ……ほら、マリアさんは結構『がちゃがちゃ』しているから……」
「使い勝手が悪いちゅうことかいな!」
「い、いえ、そういう――まあ、とにかく! 始めましょう!」
「えらい誤魔化し方が雑やけど……まあ、ええわ、時間もないし。ほな行こうか!」
「――ええっと、マリアさん? 台車に乗っけて引っ張って来られたその機械、どっかで見た事あるんですけど?」
「これはコータさんが壊しはった『アレイアの遺産・改』や! ソルバニアの技術の粋を結集して作った召喚装置!」
「それ、何に使うんです?」
「勿論、これで『召喚』するんや! フレイム王国興亡記の登場人物達を!」
「……」
「ほな、いくで! むうううううう…………」
「おお! マリアさんが光の速さでアレイアの遺産を操作――」
「ちんからほい!」
「――使って下さいよ、アレイアの遺産! あと『ちんからほい』って!」
「……ケホ……もう! なによ……って、マリアとコータ? 何してるのよ、貴方達」
「さあ、最初に登場して頂きましたのはフレイム王国興亡記の『いじいじ』枠ヒロイン! さっさとコータとくっつけ! とのお便り多数! その小さな胸には夢と希望が詰まってるぅ! 慎乳代表、エリカ・オーレンフェルト・ファン・フレイム様!」
「……あれ? なに、これ? いきなり喧嘩売られてる?」
「いや、そういう訳では無い様で……とにかくエリカさん、まるまるうまうま」
「かくかくしかじか、ね。分かったわよ」
「文字数省略お付き合い頂きありがとう!」
「でも、自己紹介なんて無いわよ。名前はさっき言ったし、肩書は公爵ぐらい? 年齢は……秘密」
「なんで?」
「『あっち』と『こっち』で年齢、違うのよ。『二十代はBBAですよね~』って言われて」
「……ほう。ウチに喧嘩売ってるちゅうことやな」
「わ、私が言ったんじゃないんだから! まあ、とにかく、おいおい年齢は統一していく方向です。今はふんわりアラウンド二十代と言う事で」
「ふーん。ほなそれでええわ。さて、それではお便り紹介のコーナーです」
「そんなコーナーがあるの?」
「メッセとか感想で寄せられた質問に答えて行く、ちゅうだけやけど。それではエリカさんに質問です。『エリカ・オーレンフェルト・ファン・フレイムって名前が長くて覚えにくいです。アレですか? ミドルネーム付けとけば良いって思ってますか? 中二乙wwww』」
「質問に悪意しか感じないんだけど! っていうか、ソレ、私に対する質問なの、本当に!」
「ま、まあエリカ様に対する質問かどうか、結構微妙なトコロなんやけど……ほいでもせっかくの質問なので、答えてや」
「……何だか釈然としないんだけど、お答えします。まず、『エリカ』。これは私のファーストネームね。次に『オーレンフェルト』は一族名、みたいな感じかしら? アレックス帝に連なる一族には皆付くのよ、これ。だから『王女の愛したスイーツ』に登場したラルキアのジェシカ姫の正式名称はジェシカ・オーレンフェルト・ラルキアね。最後の『フレイム』は家名」
「もう一個のミドルネームの『ファン』は何ですか?」
「『ファン』はファンデルフェンドの略称、私の母方の実家の家名なのよ。私の母方の祖父がファンデルフェンド子爵だったんだけど、子供はお母様しかいなくて鬼籍に入ってるから、今は建前上私が『ファンデルフェンド子爵』も兼ねているの」
「……初耳なんですけど」
「言ってないもん。まあ、名義上だけだし、今後本編で登場……する予定もあるけど、未定だし。だから私の名前には一応、意味があるの。別に中二の星で名付けた訳じゃないから」
「まあ、エリカ様の名前……というか、キャラ設定自体は色々試行錯誤した結果やしな~」
「そうなんです?」
「ええ。最初は私、幼女キャラだったのよ」
「え? 本当に?」
「ソニアみたいに頭の良いキャラじゃない、天真爛漫で頑張っています! っていう感じの設定で、その癖たまに鋭い事を言う、みたいなキャラだったんだけど……受け継がれたのは貧乳設定だけね……」
「な、なるほど。で、でも貧乳はステータスやし!」
「……いらないわよ、そんなステータス。私も『ああ、肩が凝ったわ』みたいな事、言ってみたいわよ! なんで『エリカさんが本当に『ぺたんこ』ですけど……もうちょっと膨らみ増やして貰います?』とか担当さんに言われなきゃいけないのよ!」
「う、ウチに怒らへんでや! ほな、次の質問! 『最新話ではエリカさん、頑張りましたね! それで? 今後はコータとどうなっていくのですか? 付き合っちゃう?』」
「ななななななななんて質問よ、それ! い、いえ、そ、その、べ、べつにコータが嫌いとかじゃないけど、その、えっと」
「……はい、テンパり過ぎ。コータはんも顔を真っ赤にしない。ほんならエリカ様、ありがとうございました~」
「えええ! も、もう終わり? で、でも私、まだ――むぐぅ!」
「……マリアさん。流石に王族の口にガムテープ張るのはどうかと思いますが?」
「さくさく行かな時間がもったいないからな。ほな、次の方いってみようか! 腹黒メイドは正義の印、四十八時間働けますか! 胸は火山で出来ている、ハイスペックメイドさんの代名詞、エミリ・ノーツフィルトさんや! 火を噴け、アレイアの遺産・改! テクマク――」
「火を噴いたら不味い! というかその呪文はもっと不味い!」
「……ぴと」
「……エミリさん? なんで登場そうそうにコータはんにぴったり寄り添うん?」
「ここは本編ではありませんので。自分に正直になろうかと」
「ええええええエミリさん! そ、その、あの」
「……ああもう、話が進まんから。さっさと離れてくれへん?」
「名残惜しいですが……分かりました」
「随分エミリさんも本編と人が変わった様やけど……ちなみに、エミリさんもエリカさんみたいに設定が随分変わっていたりするん?」
「最初は『美少女クールメイド』という設定に御座いました。御座いましたが……こう、いつの間にか少女で無くなり、クールでも無くなり、最終的にこの様な設定に落ち着いております。作中ではエリカさまに次いでの泣き虫キャラになってしまいました」
「ほいでもそれは良い変化ちゃうん? 人気投票とかしたら上位に来そうな感じやけど?」
「そうかも知れませんね。『あまり煩い事を言っていらっしゃいますと……ちょんぎりますよ?』が決め台詞のメイドさんは嫌に御座いましょう?」
「怖いわ! ま、まあエミリさんの変化は良い変化ちゅうことで! ほんならエミリさんに質問です。『エミリさんは綺麗で格好良くて素敵な方だと思います。ですが、なんでエリカさんみたいなポンコツのメイドさんしているんですか? オルケナ大陸は就職氷河期なんですか?』ということやけど……」
「むーーーー!!!」
「あっちでガムテープ越しに不満げな声あげている領主さまは置いといて。本編でもソニア様に『私のメイドになりません?』って言われてはったよな?」
「あれはソニア様の冗談にございますよ」
「まあせやろうけど……エミリさん、スペック高いのになんでエリカ様のメイドしてるん? いや、エリカ様のメイドが悪いちゅう訳や無いケド……」
「私の実家はノーツフィルト子爵家というのですが、このノーツフィルト家とエリカ様の御母上のご実家であるファンデルフェンド家は領地が隣同士で、懇意にさせて頂いていました。エリカ様ご誕生の際に、御母上であるリーゼロッテ様から信頼できる人間を世話係に……と言う事で」
「ああ、エミリさんが選ばれた、と」
「年齢も比較的近く、自分で言うのは何ですが……そこそこ、優秀でしたので」
「ほなら親同士の勝手な都合でエミリさんはエリカ様のメイドになった、と?」
「スタートは確かにそういう一面もありましたが……今ではそうでは御座いません。明確に、自分の意思で……僭越ながら、エリカ様を『妹』の様に愛おしく思っております」
「……こんな事言って貰ってるで、エリカ様」
「……」
「うわー顔真っ赤に染めてそっぽ向いてはる。感動の涙の一つでも流せばもうちょっとヒロイン力上がるのに」
「それも含めてエリカ様ですので」
「そうかいな。本人同士がエエならええけど。ほな、次の質問! 『エミリさんは綺麗で優秀で素敵な方だと思いますが、結婚とかしないんですか?』と言う事です。人の事言えへんけど、お互いいい年やし? こう、浮いた噂とか無いん?」
「質問が一々褒め殺しの様ですが……そうですね、私を手元に置いても良い、と仰って下さる方が居れば直ぐにでも嫁ぎますよ?」
「流し目でコータはんをみる辺りがエリカ様との格の違いやな」
「ただ、それでもエリカ様の御側で働くのは純粋に楽しいですので、もう少しこのままの形で居させて頂ければ幸いです、コータ様」
「なななななんで私に言うんですか!」
「こんのヘタレが。まあええわ。それじゃエミリさん、ありがとうございました。ええっと……」
「大丈夫です。マスクを持ってきていますので」
「ああ、口にバッテンのマスクな。準備の良い事で助かるわ」
「ええ。それでは」
「エミリさん、ありがとうございました~。ほんなら次! 偉大なる海上帝国が産み、育んだ幼女姫! 『いや、本当に十歳ですか?』と突っ込みが絶えないマセたお子様! あざとい? それは褒め言葉です! 出でよ、ソニア・ソルバニア様! ハックション!」
「……もう突っ込みませんよ? 運営様から注意されればいいんだ」
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん、ですわ!」
「ソニアさんまで!?」
「流石ソニア様、ソルバニア人ですわ」
「こう、期待されていましたから。『滑っても、パロれ』と。ソルバニア人のウリはメンタルの強さですから」
「滑ってもボケ続ける事に意味があるんですよね~」
「ね~」
「……もういいです」
「それじゃ早速。ソニア様も最初のプロットとキャラが違うん?」
「そうですわね……わたくしの場合、『幼女をだそう! キャラは後から決まる!』という路線での登場ですので、基本設定は固まっておりませんでした」
「へ? そうなん?」
「ええ。作中最年少と言う事もあり、物語の中で成長して行けばいいや! という考えです。ですので……そうですわね、読者の皆様がわたくしを育てて下さったのです。言ってみれば皆様がわたくしの『おにいちゃん』、ですわね♡」
「……うわー……あざといわ~」
「専売特許ですから」
「……まあええわ。ほな、質問……と言いたい所やねんけど、ソニア様にはあんまり質問が来てへんねんな」
「そうなのですか?」
「いや、別に人気が無い訳やないんやと思うんやけど……成長過程、やからかな? あんまり謎らしい謎もないし……強いて言うなら、ソニア様はなんでソルバニア語を喋らないのですか、ぐらいやろうか?」
「ウチもソルバニア語、喋れるで? ほいでもウチまでソルバニア語喋ったら、マリアのキャラが薄くなるやん」
「……え、ほんま?」
「ある程度は。幼女で関西弁はキャラが濃すぎだろうという結論に至りまして。がっつり裏話&メタ話ですが。ただ、一般的に他国の方の前ではオルケナ標準語であるフレイム語で話すのは当然ですから。その辺り、どうもソルバニア人は分かっておられないようで……」
「……まあ世界には海とソルバニアしかないと思ってるぐらいアクが強いからな、ソルバニア人は」
「ソルバニアを誇って下さるのは良い事なのですが、外交儀礼というのもありますから。まあ、『あの父』を持つ私が言う事では無いのでしょうが」
「ほんまそうやわ」
「……何かやらかしましたか、父?」
「死ぬかと思ったわ」
「……申し訳ございません」
「ソニア様のせいちゃうからな。国王に突っ込んだのは生まれて初めてや。まあそんな訳で折角登場して貰ったけど、ソニア様の出番は終わりや」
「ええ……まあ、仕方ありませんわね。それではコータ様、また後で」
「ソニア様、ありがとうございました~! それでは次の方、行ってみよか! フレイム王国の天才児! 我儘はアイデンティティでレゾンデートル! 凡才なんてトンデモナイ! 実は真の魔王はこの人か! シオン・バウムガルデンさん!」
「……あれ? 呪文は無いんです?」
「もうネタがないねん」
「……ああ」
「ふむ。呼ばれて飛び出て――」
「それもうやりましたから!」
「なんだ、詰まらん奴だな。良いだろう、もう一回やっても」
「どうもシオンさん。あんまり時間も無いんでさくさく行きましょう」
「なんだ? 随分やっつけ仕事だな?」
「文章量が本編より多いのは流石にどうかと思って。とりま、シオンさん? シオンさんはプロット段階と違う所があるん?」
「私に関してはプロットからほぼ変わってない。『天上天下唯我独尊』キャラで、たまにコータを諭す役、だ。随分使い勝手の良いキャラで大人気だぞ」
「まあ『困った時のシオンさん』ですからね」
「そうなん?」
「理不尽な事を言っても『まあシオンさんだし』で許されるのがシオンさん、ですから。こういうジョーカーみたいなキャラは一人いると随分楽になりますよ、真面目な話」
「ふーん……ほな、シオンさんはこれからも登場機会が増える、ちゅう事やな……羨ましいわ……」
「そうでも無いぞ? 恋愛面では私は役立たずだしな。まあ、今後はどうなるかわからんが?」
「チェンジで」
「おい! 流石にそれは失礼じゃないか!」
「まあ恋愛面はおいおい……それではシオンさんに質問です! 『シオンさん、俺だ! 結婚してくれ!』」
「……それは質問か?」
「いや、こういう感想結構多いんよ。有難い話やろ?」
「有難いが……まあ、困惑はするな」
「お? 恋愛面は疎いん?」
「いい年をして、と思われるかも知れんがその辺りは生憎未経験分野だからな」
「でも、告白くらいはされた事があるんちゃうん?」
「まあ……そうだな。エピソードとして削られた部分に私の恋愛話、というのがある」
「え? マジで?」
「ああ。と言っても、私が誰かとがっつり付き合ったりする話ではなく、こう、告白? されて『あわあわ』する私、と言った話だ」
「うわ、それちょっと見たい! そんなシオンさん、見たことないし!」
「それだ」
「どれ?」
「キャラに合わんだろう? 『告白され、狼狽え、ミスばかりする可愛い私』など。自分で言うのは何だが、エピソードの完成度としてはそこそこ高かった……没案では三番目に高かったと思うが」
「そうなん? なんか勿体ない気もするけど……」
「番外編か何かで使えれば良いかな、とは思っている。砂糖を吐くほど甘いが」
「分かった。ほな期待してるわ。それではシオンさん、ありがとうございました! さあ、さくさく行きましょう! ドン尻に控えしはフレイム王国興亡記のメインヒロイン! たった一話でヒロインの座をかっ攫って行った聖女様! やはり『過去を知る』のは強みなのか! 異世界からの舶来狸! アヤノ・オオカワ!」
「――ブッ飛ばす」
「あ、アヤノさん! な、何でいきなり拳握りしめてるん!?」
「私が嫌いな事が二つあるわ。狸って呼ばれる事と、仔狸って馬鹿にされる事よ」
「ば、馬鹿にしてるんやないわ! た、狸ってかわいいやん! 仔狸はステータスや!」
「聞いた事無いわよ、そんなステータス」
「う、ううう……コータはん、この人怖い!」
「……えっと、綾乃? 取りあえず拳を解け」
「ん。浩太がそう言うなら」
「あ、コータはんの言う事は素直に聞くんやな? なんや? ちょうきょ――」
「とにかく! 綾乃、お前の裏話的な事、さっさと話せ」
「なんでそんなやっつけ仕事なのよ、アンタ」
「徹夜明けなんだよ、俺。早く帰って寝たいの。さあ、キリキリ話せ」
「もう、折角逢えたのに……まあ、いいわ。えっと……作中での登場機会が遅かったせいか、私の場合は削られたエピソードが多いのよ」
「そうなのか? 結構掘り下げて書いてた様な気がしたんだが……」
「『松代浩太』ってサブタイトルの話、実はまだ二、三話あったのよね。私と栞ちゃんの話とか」
「……お前と栞って、水と油の関係の気がするんだけど。いつも喧嘩してた様な気がする」
「最近そうでも無いわよ? 浩太が『失踪』してからは二人で行動する事も多かったし」
「……あの~。盛り上がってる所申し訳ないんですけど~」
「なんですか?」
「未確認ワードが出て来たので一応聞いとくんやけど……『シオリ』って、誰?」
「ああ、栞……松代栞は私の妹ですよ」
「………………へ? い、妹? コータはん、妹おるん!?」
「……いや、そんなに驚かれるとアレなんですが……いますよ、妹。なんです? 私、そんなにお兄ちゃんっぽくないですか?」
「い、いや、そう言われて見ればお兄ちゃんっぽい……と言えばぽいけど……ほ、ほいでも! 作中で一遍も言ってへんやん!」
「言ってるわよね?」
「言ってるよな?」
「聞いてへんわ! え? そうなん?」
「『月がとても綺麗ですね』でちらっと言ってますね。まあこの妹なんですが……優秀は優秀ですよ? ですが、可愛げが壊滅的に無い奴でして……兄の威厳も何もあったものじゃなかったです」
「……こんな事言ってはりますけど?」
「浩太は兄貴だから採点は少し厳しくなるんだろうけど……こう、何と言うか浩太に全然似て無い、『儚い』感じの美少女で、それでいて芯が強いのよ。そんでもって『お兄ちゃんラブ』っていう……何ていうの? 無敵キャラみたいな子ね。一応言っておくけど『狂犬』度は栞ちゃんの方が断然上だから。私なんてどれだけ目の敵にされたか」
「栞がお兄ちゃんラブ? ないない」
「…………こんな事言ってはりますけど?」
「栞ちゃん、東大に行ってるのよ。それで、東大に行った理由が『日本を変える為』なんだけど……彼女が変えたいのは『兄妹で結婚出来る法律』を作る、っていう……」
「……うわぁ……」
「まあ、栞ちゃんは素直じゃないから。ツンデレよ、ツンデレ。これでもか! ってぐらいテンプレキャラ出してるのに、『ツンデレ』ってフレイム王国興亡記に居なかったタイプのキャラだし、実はシリーズで『兄妹日記』っていう、栞ちゃんから見た浩太を書いた番外編も考えていたんだけど……ほら、あのくだりって、さ?」
「……ああ、うん、不人気大爆発やったね」
「それ単体ならともかく、冗長になり過ぎてもね~というのもあったし、『実妹はちょっと……』というのもあったりで、結局『現時点では』お蔵入りになってるの」
「現時点、って言う事はまたヒロインが増えるん?」
「多分その辺はないんじゃないかな~と思っているわ。これ以上増えたら出番も減るし。私だって浩太といちゃいちゃしたいわよ」
「最後に漏れ出でた本音は心に留めて置くとして……ほんならアヤノさんは随分割喰った感じやな?」
「うーん……まあ、そうでも無いんじゃない? ほら、なんだかんだで浩太に『告白』されたのって私だけだし。バランスは取れてるのかな~って」
「余裕の対応やな」
「全然余裕じゃないわよ。浩太の周りは可愛い子ばっかりだし、私なんて仔狸扱いだし。でも……一度浩太と離れ離れになってみれば分かるんだけど、逢えただけでも結構嬉しかったりするのよね。だから、これ以上贅沢言うと罰が当たるかな~……って、何言ってるのよ、私! なしなし! 今のは無しだから! こういう雰囲気じゃないでしょ、ココ!」
「ああ、でもなんや『ほっこり』したわ」
「―――っ! も、もう帰る! じゃあね、浩太! また後で!」
「アヤノさん!? いや、まだ……ああ、行ってもうた。もう、コータはん!」
「え? 私ですか、今の? 綾乃の自爆でしょ?」
「……コータはん、アヤノさんには厳しいな~」
「まあ……長い付き合いですし」
「そこはかとなく入り込めん空気が若干ムカつくけど……まあエエわ。ほな、今回はこの辺りでしゅうりょ――」
「ちょっと待ったーーーーー!!!」
「――う……って、なんやねん?」
「私! 私がまだ残ってますよ! プロローグから登場しているフレイム王国興亡記の真のヒロイン! エリザベート・オーレンフェルト・フレイムが!」
「……ああ。そう言えばフレイムの女王陛下もおったな」
「『おったな』? 何ですか、おったな、って! イイですか? 私、本当にプロローグから登場してるんですよ! 出演時間は一番長いんですよ! なんですか、この扱い! そりゃね? 確かに私は出演『機会』は少ないですよ? 『最初はヒロインかと思ったのにいきなりフェードアウトしましたねwww』とか『あれ? 名前がエリザベー『タ』になってますけど』とか、『別にリズとの絡みとかいらないよね?』とか色々書かれていますけど! 私だってヒロインです! ヒロイン枠です! 誰がなんと言おうと、ヒロイン枠です!!」
「……」
「え? え? な、何ですか、黙り込んで。え? 何でそうやって目を逸らすんですか?」
「あー……物凄く言い難いんやけど……あんな? 陛下って登場時点から既にヒロイン枠やないねん」
「…………………………ゑ?」
「こう見えて実は、フレイム王国興亡記には幾つか『決まり事』があんねんけど……その中に、ヒロインは『三文字』って『決まり』があるんよね」
「……は? さ、三文字?」
「ウチの『マリア』やろ? 『エリカ』様、『エミリ』さん、『ソニア』様、『シオン』さん、それに『アヤノ』さんやろ? 逆に此処では登場してへんけど、ライムの首席補佐官のクラリッサさんとか、ホテル・ラルキアのエリーゼさんとか、どう考えてもヒロイン枠や無い人は三文字やないやろ?」
「え? え? じゃ、じゃあつまり、その、わ、私は!」
「『エリザベート』でも『リズ』でも三文字やないし……」
「…………そ、そんなのって……」
「……肩を落としてさめざめと泣かれておられますが……本当です?」
「これは後付けやなくてマジな話や。ちなみに、『フレイム帝国建国記』でのヒロインは四文字な?」
「えっと……ここでは登場していない『アリア』さんとかは……」
「ああ、せやったらヒロイン枠やわ。三文字やし」
「え? え? そんな安直で良いんですか? 明らかに陛下より登場回数少ないんですけど」
「あんまり凝ってもしゃーないやん。ただ、『三文字』でもヒロイン『枠』なだけで、ヒロイン昇格は無いかも知れへんよ? あくまで土俵に乗ってるだけで」
「――! そ、そうですわ! 『陛下』です!」
「はい?」
「『へいか』、三文字です! これでりっぱなヒロイン枠でしょう、私も!」
「……」
「……」
「……」
「「陛下がそれで良いのなら良いけど」」
「う……うわぁーーーーん!!! 虐める! 二人が虐めるぅ!!!」
「ああ……行ってもうた。ほな、改めて締めに入ろうか」
「え? 陛下に対するフォローなし?」
「本編の方でフォローは入るからええんよ。ま、とにかく! フレイム王国興亡記設定倉庫、略して『フレそこ』は此処で終わりや!」
「長さの割には全く紹介をしていない様な……殆ど裏話的な話じゃないです?」
「まあ本編が一区切りしたんで書き漏らした所とか書き足りない所をフォローしておきたかった、ちゅうんが本音の所や。せやから多分『キャラ設定集を!』という声にはお答えして無いかもしれへんな~、とは思ってる。それについてはまたどっかでやれたらな~と」
「男性キャラについての紹介が無いのは?」
「需要無いやん、そんなん。それは次の三章終わってからやな。あ、三章言うてるけど便宜的に『三章』なだけで、特段そう言う分け方してる訳や無いから。終わりまでの道程は見えてるから折り返し、起承転結の『転』ってだけやから」
「ようやっと半分ですか。誰ですか、『三十話ぐらいで終わります』って言ってたの」
「三十話なんか三十話以上前に終わってるわな」
「ちなみに今後の予定は?」
「本編の方は此処で物語が大きく動く筈や。正直、今までのが『しょっぱ!』って思うぐらいには変わるはず。プロット段階ではこの三章が一番面白かった……というか、これが書きたいが為に今まで書いて来た、と言っても過言やないぐらいに気合は入ってる……らしい」
「……良いんですか、そんなにハードル上げて」
「まあ、気合が入っても面白いかどうかはまた別の話やしな。ある程度追い込んでおこうというのもあるんよ」
「『こっち』の方は?」
「連載扱いで投稿してるから分かるやろうけど、一応こっちについても色々考えてはおる。さっきのちゃんとした『設定資料』もやし、前に『人気投票したら面白いと思います!』って感想も貰ってたんで、そういうのをやってみたいのはある」
「人気投票、ですか? それは……」
「アレはアレで色々叩かれるからな~。『人気投票って……』っていうのもあるからどうなるかは未定やけど。リズ陛下が一番やったら洒落にならんし」
「ヒロインじゃないって言って一番だったら流石に、ね」
「そう言う事や。まあとにかく! フレイム王国興亡記は今後とも頑張って行こうと思っておりますので、何卒ご贔屓頂ければ!」
「色々と突っ込み所の多い作品では御座いますが、今後とも末永いお付き合いを頂ければ幸いです」
「それでは!」
「皆さん!」
「「また次回お逢いする日まで、さようなら~」」