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プロローグ

 最初は、漫画を描こうかと思っていた。

 小学三年生の頃から考えていた職業は漫画家だけだった事と、私が本当に熱中出来るものが『絵』しかなかったからだ。

 しかし私はいつからか気が付いていた。私は漫画家には本気でなろうとなど思っていない事を。

 漫画家になると頭の中で意気込んでいる割には漫画の絵が上手ではない。にも関わらず絵の上達の為の練習をしない。

 怠けていたのは絵だけではなく、勉強も同じだった。

 中学二年生の秋まではキチンとやっていた気がする。けれどその後は急に何もかも冷めてしまった。そうなってしまったのが受験生となる直前だったから勉学を怠けて親に心配されてしまったものだ。

 だから書こうと思ったのは、本当にただの気紛れだった。

 中学三年生の秋。何となくキーボードを打って、気が付いたら物語は始まっていた。別に何も考えずに打っていた訳じゃない。いや、「小説として」言うならば何も考えずに文章を書いていたのだろう。

 小学六年生の時からだっただろうか。私は頭の中でずっと温めてきた物語があった。若いから、というのもあると思う。ジャンルはファンタジーで、魔法やら超能力やら怪奇現象やらの設定を考えた。ある有名なゲームのストーリーをモチーフとした、というより殆ど同じストーリー展開の中で、キャラクターだけ自作というだけの空想。妄想とも呼べるかもしれない。

 そのように何気なく考え、何気なく文章にしてみた小説。そして、登場人物達。そんな安易な物語を、書き続けていられる筈がないと思っていた。

 しかし漫画のようにはいかなかった。

 そんな小説を、私は書き続けていられた。十ヶ月もの間。

 勿論内容はありきたりで、とても上手い文章とはいえない駄文だったけれど。

 しかしお陰で気が付いた事がある。

 私はこの物語がとても好きになっていたんだ、という事。

 そして私が本当に熱中していたのは、物語を作る事だという事を。

 また安易な考えとなってしまうけれど、今度は私は「小説」に興味を持ち始めたのだ。

 元々漫画だけでなく小説も読むのは好きだった。書こうとなど、物語を空想し始めた頃は考えてもいない事だったけれど。

 空想だけで終わらせるつもりだったものを、書き始めて、このお話を好きになっていた事に気が付いたのが今である。

 だからこそ、私はこの物語を本当のカタチとして完成させたいと思う事が出来る。

 自分には漫画家より小説家の方が向いているんだ、という浮かれた考えが無意識に心の中で生まれているかもしれない。それでもこの物語を完成させたいと思う気持ちは本心に変わりない。

 もう一度、私は最初から、今度はしっかりと土台を考えて物語を作り始めようと思う。

 題名は、私の空想の中で物語が生まれた時から決まっている。

 『こうでん』だ。

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