『速記の妨げになるいぼとお地蔵様』
掲載日:2026/09/30
あるところに、正直で働き者のお百姓さんがいました。何年かに一度、近くを流れる川が増水して、田畑が流される以外に特に困ったこともなく、つましい暮らしをしていました。
このお百姓さんが歳をとってくると、一つだけ困ったことが起きました。いぼができたのです。手の指に一つできただけなのですが、そこそこ痛いのです。書き物をするときなどは特に。ええ、速記をするときなんかは、本当に困るのです。そんなわけで、お百姓さんは、お地蔵様にお祈りをしました。洪水が二倍起きてもいいので、いぼの痛みを消してください、と。
お地蔵様がこの願いをかなえてくださったのかはわかりませんが、お百姓さんのいぼの痛みはやわらぎ、お百姓さんの田畑は、頻繁に洪水に見舞われるようになりましたが、お百姓さんは、お地蔵様に感謝の気持ちを忘れないのでした。
教訓:何でもかんでも願うのはよくない、多分。




