表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

5:お花を大切に

 3日ほど手の痛みに地道に苦しんだ。どうやら水膨れになっていたらしい。ペンも持てないし、カトラリーも持てないほど痛かった。それでも講義も宿題も待ってくれない。講義は丸覚えして、宿題はトマスに代筆を頼んだ。ちゃんと僕が解いていればいいと先生の許可も貰って、だ。

 トマスは仕事を増やして! とかブツブツ言ってはいたものの、ちゃんと代筆してくれた。

 医者が破れないように処置しておくれたおかげで4日で医者からの許可も出た。剣を振っていたおかげで、多少なりとも掌と指の皮膚が鍛えられていたようだ。


 5日目には完成した手袋も届いたので、庭師にも連絡してまた耕す作業に入った。手袋のおかげでとても楽だ。庭師もご家族が作ってくれた手袋をはめていた。あるなら貸してくれればよかったのにと思わなくもないが、庭師は僕が耕すとは思っていなかったし、やったとしてもすぐに自分が引き継ぐと思っていたようだ。それにこれで懲りればもうやらないだろうとも。

 古着に手袋の僕を驚きとあきれが混じった表情で見ていたが、僕が鍬を借りて耕し始めると、横でコツを教えてくれるのだった。


 手袋とコツをつかんだおかげで、花壇の予定部分の半分を耕すことが出来た。すると次は掘り起こした土をスコップで小さくしながら石や草を取り除くという。それが出来たらさらに土を細かくして、できればふるいにかけていくのだという。これもまた地道な作業だ。時間がかかるからまた次回という事でその日は終了した。


 毎日は出来ないが、時間のある時に少しずつ作業を進めた。半月後、花壇予定地の半分が無事に耕せた。次は花の種をまくために次を平らにしていくという。そのタイミングで僕は庭師に尋ねた。


「肥料は入れないのですか?」

「……なんですかそりゃ?」


 埃をかぶっていた本には載っていたのだが、家の図書館の本には載っていなかったからおかしいと思っていたが、この国には肥料という概念がないらしい。この世界はそんなものがなくても植物が育つからだろうか。


 僕は事前に用意しておいた、屋敷で出る茶葉の出がらしを集めた袋を庭師に見せた。厨房に直接行って、捨てる茶葉が欲しいと言ったときの周りの顔は見ものだった。まさに『このアホがまた何か変な事を言い出したぞ』というあきれ顔そのものだったし、トマスには叱られたけれど、麻の袋にその時点であるだけ詰めてもらい、更に毎日入れてもらっていたものだ。

 本来は落ち葉で作るようだが、常春状態のこの国には落ち葉があまりないし、あっても庭師がすぐに片づけてしまうから手に入りにくい。その点、茶葉なら毎日大量にでるはずだ。何せこの家の飲み物と言えばお茶と大人が飲むコーヒーなのだから。

 

「これを土に混ぜると良いと本で読みました」

「こんな葉っぱ混ぜてどうするんだ……?」

「これがあると植物が良く育つそうです。これを土に混ぜますね」

「……まあお好きにどうぞ」


 肥料がなくても育つ世界で、肥料を使ったらどうなるのかにも興味がある。僕は耕した右半分に出がらしを混ぜ込んだ。葉っぱを発酵させたものがあればよかったのだが、これだって葉っぱだし、細かいから発酵も早いだろう。さらに飲んだ後のコーヒー豆のカスも混ぜ込んでいる。こちらは虫よけにもなるそうだ。埃をかぶった本が正しければ。

 時間があれば野菜くずなども入れると良いみたいだが、それは穴を掘って入れて、しばらく頬っておいた方が良いようなので、今回はこの出がらしだけで様子を見る。

 土を細かくしながら出がらしを混ぜ、平らにする。この作業が案外大変で、僕は1週間かけて半分に出がらしを入れて土を平らにしていった。これでようやく種を捲ける。非常に楽しみだ。


 庭師の提案してくれた花は、パンジオ、マーガブル、マリーシルバーという極一般的な花3種類だった。さらにこれもきれいですよと食用の夏やなぎやサイの花、葉っぱとしてアスガスパラというふわふわな葉っぱが出るものを用意してくれた。図鑑で調べると、マーガブルを間違って食べると、嘔吐の症状が出るという。これはダメだ。万が一にも僕が疑われるような花を植えてはいけない。

 そんな事を言い出したらパンジオにも種や根に毒性が微弱だがあるし、マリーシルバーにもなくはないが、花を食用や茶にしているらしいし、大量に取らなければ大丈夫だ。パンジオの根をわざわざ食すことはあるまい。そして調べてみると、あるわあるわ、どの花にも毒が。がっかりしながらも、結局パンジオと夏やなぎ、サイの花、アスガスパラを選ぶことにした。

 ほぼ食用じゃないかって? 安全を一番に考えたら仕方がない。食べるつもりはないけれど。


 それらの種を、肥料もどきを入れた右と、いれない左に半々に撒いていく。そしてジョウロを使って水を撒く。こんな重い物、本以外では初めてかもしれない。庭師によると土を乾かさないようにすれば2~3日で芽が出るらしい。とても楽しみだ。


 この国は春と秋と呼ばれる温かい期間が長い。その前後にすこしだけ寒い冬とすこし暑い夏が一月程度ずつ入る。今は春なので、穏やかな温かさがあり、植物の成長は早いのだそうだ。

 

 そうして5日後。まずは菜の花の小さな小さな芽が芽吹いていた。自分のまいた種からの発芽は、想像以上に感無量だった。周りの庭師、トマス、アーサーが呆れた視線を僕に投げかける中、僕はずっとしゃがみこんで芽を愛でていた。

 そんな様子を見た庭師マリオから、すでに芽は出ているけれど、と小さな鉢に入ったバルーンフラワーという植物を2鉢差し出された。今はまだ本葉が出た状態だが、これが育つと丸く風船のような形になり、そこにたくさんの花が咲くという。一株から大きく育つというので庶民に縁起の良い花として重宝されているそうだ。それが逆に貴族には不評で(貴族は希少価値を尊ぶから)この庭にもないけれど、育てやすいし花もたくさんつけるからと勧められた。

 できれば種から育てたかったけれど、せっかく持ってきてくれたのだからと僕はそれも植えることにした。育つと大きくなるらしいので、パンジオたちの列の後ろに離して植えることにした。


 ここからは毎日必ず畑を見に行った。サイの花についでパンジオ、春やなぎと発芽した。アスガスパラは発芽まで20日ほどかかるというので、まだ全然気配もないけれど、こんな小さな芽が大きくなるのかと思うと不思議感と楽しみしかない。講師もちょうどいい理科の勉強だと植物に関する講義を入れてくれることになったし、観察日記をつけるようにとアドバイスも貰った。

 発芽してしばらくは水をやるくらいしかやる事は無いらしい。その間に耕せていない残りの土地を耕すことにした。少し耕しては右半分に茶葉を混ぜこみ、植え込みに近い目立たないところには深い穴を掘って、厨房から貰ってきた野菜のクズをさらに細かくしてもらったものを入れ、土をかぶせるという作業も同時に薦めた。

 これらはすべて観察日記に記入している。それもとても楽しい作業だった。


 この間、妹とのトラブルも激減した。僕は空き時間は全て庭に出ていたし、夕食後に部屋に戻ると疲れて寝落ちてしまった。さすがに寝ている時には妹が部屋の前に来ても、誰も入れることはなかった。

 毎日の宿題は、トマスが夜中に起こしてくれて、そこからこなした。ちょうど妹も寝ている時間だから邪魔もされない。夕食時も僕は寝落ちて自室で取る事が多くなったし、朝食前に庭の手入れをするようにしたから、こちらも自室で食べることが殆どとなって、家族と過ごす事自体が激減していた。

 叱られないからとても快適だった。それでも週に何度かは一緒に食事をすることがあり、そういう時には必ず妹に絡まれたが、趣味の園芸という楽しみを見つけた僕は、以前ほど彼女の振る舞いが気になる事も無くなっていたし、たまに怒られる程度、すでに耐性もついていたから聞き流すこともできた。

 なにより家族だってトラブルが起きないほうが良い。本当に良い趣味を見つけたものだ。


 そして、アスガスパラ以外のすべてが発芽し、順調に育っていた16日目。一番最初に発芽したサイの花は本葉も出て、植物らしくなってきた。もう少ししたら間引きというのをするらしい。バルーンフラワーも順調に育っている。一つは肥料入りにしたので、その差が早く出やすいこの花の成長を、絵日記を付けながら僕はとても楽しみにしていた。

 一通りの世話を終えて、部屋で植物の育てかたの本を読んでいる僕の耳に、庭からの楽しそうな妹の笑い声が聞こえてきた。珍しいなと思った。庭で遊ぶことはあるだろうが、それは薔薇園のある茶会もできる広い庭の方で、それはここから見える僕の花壇より奥の方、庭の先にある。それに伯爵令嬢でもある妹が、7歳にもなって声を上げてはしゃぐのは正確にはマナー違反のはずだ。まあ妹には甘い我が家だから、多少の事は許されるが。不思議に思った僕は窓から外を見て、凍り付いた。その僕の様子にトマスが近づいてきて、更に彼も凍り付いた。


 妹が、僕の花壇で踊っている。

 それはそれは楽しそうに、スカートを翻しながら、くるくると回りながら、ずかずかと僕の花壇を踏みつけて踊っている。足元の芽などものともせず。


 僕は驚愕から我に返るとすぐに部屋を飛び出した。トマスが僕の名前を呼びながら追いかけてくる。立ち止まれるわけもなく僕は今までの人生の中で最速で庭に下り立った。


「お兄様」


 息を切らせて花壇の前に到着した僕に、にっこりと妹が笑う。その足元は、令嬢ではありえないくらいに汚れた靴と、ぐちゃぐちゃになった芽と踏み固められた土が見えた。僕は全身の力が抜けてその場に座り込んだ。


「どうなさったの? お兄様?」


 茫然とする僕に、妹が顔を近づけながらにこやかに言う。


 お前のせいだろうが。僕が精魂込めて作った畑を、お前が!!!


 真っ白になった頭が怒りで真っ赤になりかけた時、アーサーの声が聞こえた。


「お嬢様、花壇に入ってはいけません!」

「かだん? かだんってなに?」

「花や植物を植える場所でございます。今まさにお嬢様がいらっしゃる所ですよ」

「そうなの? なんで入ってはいけないの?」

「それは……。ほ、ほら、お靴もスカートも汚れておりますよ」

「あら、本当ね。でもここ、ふかふかしてて面白いの。ちょっとぐらい汚れても平気よ、みんなが洗ってくれるもの。それよりもねえ、すごく柔らかくて、お外なのに絨毯があるみたいなの」


 そう言いながら妹はまた、キャッキャと楽しそうに花壇を踏み荒らし始めた。


「ローズ、そこから出るんだ!」


 僕が唸るように言うと、妹はなあに? と無邪気な笑顔をよこした。しかし僕にはそれがニヤリと笑っているようにしか見えなかったが。


「そこは僕が作った花壇だ。出ろよ!」

「お兄様、こわーい!」

「ルパート様、そんなに叱らなくてもいいじゃないですか、ちょっと入っちゃっただけでしょう?」

「そうですよ。楽しそうにしているのに叱るなんて」


 トマスをはじめ、周りに集まっていた使用人達が次々に僕を責める。

 何故僕を叱る? この状況で。 ここが僕の花壇でなくても、令嬢が花壇で土で汚れながら遊ぶなんてありえないのに。僕はもう、悲しいし怒りがわくし、周りの反応も許せないしで心の中がぐちゃぐちゃだった。

 怒りで目の前が真っ赤になり、ただもう妹を花壇から排除しなくては、としか考えられなくて、手を伸ばそうとした時だった。


「坊ちゃん、立ち入れないようにしなかった我々にも落ち度があります。それにまあ、種はまだありますから」


 ため息交じりの声は、庭師のマリオのものだった。その声で僕の頭は冷水を浴びたように一気に冷えた。


 そうだ。妹は何故先ほど僕にニヤリと笑いかけた? 僕を悪役にするためだ。彼女はワザと花壇をめちゃくちゃにして僕を怒らせ、殴らせようとしている。今のマリオの声が無かったら僕は確かに彼女を殴っていた。そして大げさに泣きわめいて、僕は完全に悪役として、父親に殴られるだけで済めばいいけれど、きっと花壇を取り上げられるだろう。そして意気消沈する僕を見てみたいのに違いないのだ。


 それにマリオが言うのも一理ある。僕は、ここが僕が手掛けている場所だと屋敷のほとんどの者が知っているのだから立ち入ったりはしないと思っていたし、花が咲いても誰も荒らさないだろうと思い込んでいた。だが例えば妹が茶会に呼んだ誰かがここに入り込んで、花を切り取るかもしれない。その花を勝手に飾るだけならまだしも、夏やなぎなど食べようとするかもしれない。幼い子ならきれいだというだけで口に入れるかもしれない。育てている花は安全なものばかりだけど、それでも大量に食べたりしたら腹を壊すだろう。

 それをまた僕のせいにされる可能性もあるし、僕の花壇の花だと言ってどこからか持ってきた毒草を他人に出す可能性だってある。

 

 僕はマリオの顔を見上げ、小さく頷いた。そしてゆっくりと立ち上がって妹に穏やかに話しかけた。


「ローズ。ここは僕がいま手掛けている花壇なんだ。二度と入らないでほしい」

「どうして? 平らで楽しいのに!」

「平らな所は他にもあるよ。いつも茶会を開いている庭の方が、芝生がきれいに手入れされているし安全だと思うな。それに、少なくとも花壇は貴族令嬢が躍る場所ではないよ」

「ひ、酷いわ、兄様、そんな言い方!」

「ローズには花壇なのか芝生なのかの区別がつかなかったんだね。君が今踏みしめているところには僕が育てている花の芽がたくさんあったんだ。でも入れないように対策をしておかなかった僕が悪かった。さっきは声を荒げてごめん」

「ひどいわ、ひどいわ~~!!」

 

 話を聞いているのかいないのか、ローズは近くにいたメイドに抱き着いて大げさに泣き始めた。そのメイドは僕を凄い目で睨みつけている。泣きたいのはこちらなのに。僕は妹を無視して執事に話しかけた。


「アーサー、マリオと相談してここに立ち入れないような何かを考えてほしい。案が出来たら僕に教えて。どれにするかは僕が選ぶから」

「……かしこまりました」

「マリオ、いま余っている種だけ貰えるかな。ここに植えるのは囲いが出来てからにするけれど、ちょっといろいろ試してみたいから」

「わかりました。後でお届けします。囲いも花が見えやすいものを考えますわ」

「うん、お願いします」


 相変わらずギャーギャー泣いている妹と、僕をにらみつける周りの使用人を無視して僕は踵を返した。慌ててトマスが付いてくる。しかも厭味ったらしく、僕が悪い、花壇ごときでローズ様が可愛そうだと説教付きで。僕は無視して足早に部屋に戻り、扉の前でトマスに一人になりたいというと、トマスが次の講義の時間が、とか言っていたけれどそんな気持ちになれないから断ってとと言って、扉を閉めた。


 ベッドに飛び込んで布団をかぶって我慢していた涙を流す。


 まさか花壇にまで嫌がらせをしてくるとは思わなかった。初めて自分で蒔いた種からの発芽だったのに。代わりの種はあっても、初めてのあの感動を味わわせてくれたあの芽を育てたかった。もちろん途中でダメになる事もあるだろうけれど、意図的にぐちゃぐちゃにされるのとは違う。

 僕への嫌がらせのためだけに、あんなことまでするなんて。僕は泣いた。悔しくて、悲しくて泣いた。


 そのまま寝落ちたらしく、トマスのノックで眼が覚めたらそろそろ夕刻だった。でも夕食にはまだ早い。何の用だろうと思いながら返事をするとトマスが入ってきた。


「伯爵様がお呼びです」

「……わかった」


 僕はのろのろとベッドを降りると、トマスが大げさにため息をつきながら僕の身なりを整える。顔も濡れタオルで乱暴にこすられた。頬が赤くなってなければいいけれど。


 重い足取りで父親の部屋に移動し、部屋に入る。部屋には父とその足元にしがみついて泣いている妹がいた。


「ルパート。また妹を虐めたそうだな」

「いいえ。ローズが、僕がお父様に戴いた花壇で踊っていたので、注意をしただけです」

「なんだその言い草は! ローズはまだ小さいんだ! 多少の分別が付かないのは当然だろうが!」

「確かに入れないように対策をしていなかった僕の落ち度でもありましたから、今後は入らないようにと注意をしただけです。」

「何を偉そうに!」

「申し訳ございません」


 これ以上怒られないように、僕は頭を下げた。下手をすると花壇を取り上げられてしまう。それだけは阻止したい。たしかアーサーも部屋にいるはずだ。あの場にいた他のメイドたちも。けれども彼らの証言は当てにならない。どんな風に僕の言動が変化しているかわからないからだ。

 それでも頭を下げて見せれば、これを激昂とは取られないのではないかと、祈りに近い気持ちでいた。


 父の荒い息遣いと妹の泣き声だけが聞こえる中、僕は頭を下げ続けた。

 少しして、父親がふん、と息を吐いて、少しだけ落ち着いた声で言った。


「……花壇にはきちんと対策を取れ。次にこのような事が起きたら、花壇は取り上げる」

「ありがとうございます。花壇には囲いを付ける予定です

「うるさい! お前に何ができる! ……もういい、さっさと下がれ!」


 すぐに怒鳴りつけられてしまった。僕はさらに深く頭を下げて、姿勢を戻して部屋を出た。


 トマスは相かわらず後ろで『あんな言い方をするのが悪い』『だいたい花壇なんて私は反対なんだ』とかぶつくさ言っている。僕は泣きすぎて瞼が重い。また夕飯ものどを通りそうにないので、夕飯はいらないと告げて、一人で部屋に入った。


 泣きすぎて疲れていた。さらには理不尽に怒られて、気力も無くなっていた。何も考えられず、ベッドに倒れ込んでそのまま寝てしまった。


 何かいろいろ夢を見た気がするが、朝、目覚めた瞬間に忘れてしまった。

 そしてその目覚めは実にすっきりとしたものだった。


 うん、思い悩んだって仕方がない。自分の思い通りに行動するまでだ。今まで何とか認めてもらおうとしてきた時よりも、今の方が会話だってできているのだし。小さくなって生きるのはやめよう。改めて決意して、ベッドから起き上がると同時にトマスが扉をノックする音が聞こえた。


「起きているよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ