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1:悪役令息ルパート

第1話は短いです。

「お前はどうしていつも妹に暴力をふるうのだ!」

「誤解ですお父様、僕はそんな事はしていません」

「なんだその態度は! 父親に対して生意気な口をきくな!」


 そう言って伯爵である父は、僕の顔を平手で思い切り叩いた。その衝撃で後ろによろけた拍子に、書き物机に頭をガン! と思い切りぶつかった。

 目から火花が散るような衝撃と痛みが走り、遠のく意識の中、驚いた顔をする父と、駆け寄ってくる侍従の姿を妙にゆっくりと見ながら、僕は意識を失った。


***


 この国、ロイドヴェル王国は、1年の気温差がほとんどない、常春の国だ。そのおかげで1年中農作物が取れる。平原が多く、広く畑が出来るのもあって農作物がこの国の主体の産業だ。そのせいか、非常にのんびりした国で、争いも少ない。

 もう一つ、この国には他国にはない特徴がある。それが、空に現れるオーロラ、と呼ばれる現象だ。普通オーロラというものは緯度の高い場所に起きるのだが、さほど高くないこの国の上空に現れるのだ。隣国などには現れない、不思議な現象としてとらえられていて、この国にはオーロラ信仰ともいえる、オーロラ色を崇め奉る傾向がある。

 そしてもうひとつ不思議な事に、この国には発動時にオーロラ色を発する魔法の持ち主が極たまに現れる。

 彼らは魔力が強く、その色を取ってオーロラの聖人・聖女と呼ばれており、その力で国と人々を守り、豊かに導いていく存在とされている。

 魔法自体はこの世界全体にあるのだが、色が現れるのはほとんどいない。そしてこの国での魔法を使えるものは、100人に一人程度の発現であり、それも掌の上で明かりをともす程度の力が殆どだ。その力も国の発展のために生かそうと魔法研究省が存在する。

 オーロラの聖人・聖女は、その力が確認されると、その強大な魔力で自他を傷つけないように、魔法研究省で保護され、適切な修行を経て、正式に聖人・聖女として高位貴族と同様の身分を貰い、国のために働くこととなる。


 そんな国で、僕ルパート・スタンリーは伯爵家の息子として生まれた。7歳までは愛され、大切に育てられてきた。ところが7歳になった時に、オーロラの聖女ではないかという噂のある平民の5歳の女の子ローズが現れ、彼女がうちの養女となってから、僕の生活は一変した。


 


同時に第2話を公開いたします。続けてれっつらごー!

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